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化け猫



『やぁ、また会ったね。いや、この言い方は少し違うな。なんせここで君と会うのは決まっていた事なのだから』

       

『さて、本題に移ろう。僕が君とここで話しているのには理由があってね。君はどうやら"モノ"に会いに行くそうじゃないか。面倒ごとに自ら首を突っ込むのはあまりオススメはしないな。でも君の事だ、言っても無駄だと思うけれど、一応注意だけしておくよ』


『ーそして、行くのなら僕の話を聞いてほしい。これを聞くかで君の今後が大きく変わるよ』


『ーまず1つ目。あの"モノ"について。あの"モノ"は化け猫と言ってね。猫が変化した姿だ。この"モノ"には良いモノと悪いモノがいる。見分け方は僕には分からないけれど。良いモノは自分の育ててくれた者に対して恩返しをしてくれる。一方悪いモノは人を呪ったり、取り憑いたりする。また、取り憑かれている人は、内側から侵食され、自我を乗っ取られてしまう。その人であって、その人じゃない。いわばその人になりきろうとする偽物だね。ーだからあの子に憑いているモノが悪い方だとしたら、あの子は危険な状態だよ。いつ乗っ取られても不思議じゃない。ー助けたいのならば、なるべく早めの行動をオススメするよ。ーまぁ、僕にとってはどうでもいい事だけどね』


『ー2つ目、行くなら夜にすること。化け猫が活動し始めるのは夜。"モノ"が活動し始めるの時間に会いに行くのは自殺行為でしかないが、夜なら奴らが来てくれるかもしれないからね。"モノ"にとっては天敵だが、頼れる頼もしい味方だよ』


『ーそして3つ目、2つ目を踏まえての3つ目だ。ー奴らが来るまで戦わないこと。これは絶対だ。君は妖怪ではなくごくごく普通の人間だ。会いに行くだけでも危険なのに、戦おうなんてもってのほかだよ。君は殺されてもおかしくない。ーだから奴らが来るまでじっとしておく事。そして見つからない事ー、というのは猫に対しては難しいから、戦わないこと。ー本当は僕が一緒に戦いたい所だがー"その日"が来ていない僕にはどうする事も出来ない。とても悔しいけどね。』


『ーでも、君の事だから何かやらかしてしまうかも知れない。ーもしもの事を考えて、芋を持っていくと良い。なかった場合は、何か猫の好物を。これで少しは時間稼ぎが出来るだろう。"奴ら"には僕から来てもらうよう頼んでおくから、安心するといい。』


『ーこれで、僕の話は以上だ。さて、そろそろ時間だね。ーでは、また今度』

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