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誰かのヒーローになりたいそう思ったんだ

誰かのヒーローになりたいって思ったんだ。


その日の中学校はいつもとなんも変わらない普通の日だった。


まず学校に登校して騒がしいクラスを見渡したあと自分の席に座る


そして昨日の宿題をやり始めるのだ


俺はカースト制度で表すなら中の下だリーダ的キャラでも友達がいないわけでもない


大人になって同窓会などであえばまず始めに「名前なに?」から始まって「あー、そんなのもいたかも」って、言われて俺が「忘れんなよなー」と返すきっとそんな感じだ


無事1日が終わるといつものように学校のバッグに教科書類を入れて「バイバイ」といって帰ろうとした


でも、今日はなんだかいつもと違う道を通り冒険がしたいそんな気分だった


家の方向を確認し、知らない道路の白線をなぞりながら歩いていると


道路のすぐ向かい側にある公園から知っている声が聞こえたきがした


近付いてみてみるとやっぱり知っている人たちだったクラスのリーダー的存在の女子たちそして、もう一人は西洋風のキレイな顔立ちをしたクラスメイトだった


何をやっているのか見ようと思い近づいてみるとその女の子は泣いていたそして、周りの女の子はわらっている


バカな俺でもわかるこれはいじめだ、助けたいそう思った。

はじめて感じる全身の脈という脈がなみうってあつくなってくるこのモヤモヤした気持ち、でも、できなかった。


気付けば俺は家の方へと歩いていた。


行くときとは違った暗い気持ちで


ふと気付くと見慣れた玄関の前にいた


「家についたのか」


そう思い玄関を開けた


母「お帰り勇気、今日は遅かったのね」


そこにはいつもとかわらない家族がいた


「ただいま、うん、たまたまいつもと違う新しい道に冒険したくなっちゃって」


母「勇気は昔から冒険とかヒーローに憧れてたもんね」

 「でも、母さんはうれしいのよ」

 「勇気って名前はね、勇気をもって人を助けたりするヒーローみたいにやさしい子になってほしくてつけたの」

 「勇気早く風呂入っておいでごはんできてるから」


「わかった」


俺は昔は自分の名前が好きだった自分には特別な力があって本気を出せばなんだってできるって信じてたから


でも、あるときからこの名前がとても嫌いだ、自分には特別な力がないことを知って、努力しても報われないことを知って、そして今日たった一人の小さな女の子も助けられないことをしった


自分にはこんな「勇気」何て名前は似合わない


風呂からでるとごはんの用意ができていた


四つの席にみんながそれぞれ座ってみんなでいただきますをした。


その日の夜ご飯は唐揚げだった。大好物のはずなのにいつもより味が薄い気がした。


ごはんを食べ終え、階段を上がる今日は早く寝たい気分だった


親はずっとおねぇちゃんと話しているきっとまた剣道の大会で優勝したのだろう

ここまで聞こえてくる


すぐに耳をふさいで目を閉じる


でも、あのときの女の子泣き顔そしてあのときの脈打つ感覚が頭から離れなかった


結局寝つけたのは深夜2時をすぎてからだった。


朝起きるとまだ薄暗いそらがいつものようにあった


朝6時いつもならまだ寝てる時間なのに何故か今日はそれがあたり前かのようにめが覚めた


階段を降り洗面所へとむかった


そこには、風呂を上がったばかりなのか髪が濡れたままの姉が立っていた


姉「勇気今日ははやいのね、ま、そんな日もあるか」


姉は俺が知る限り小さいこらからずっと強かった


でも、一緒にいたからわかる


姉のように強い人はものすごい努力をしていることを


そして、風呂場のドアにはいつものように姉のとなりにある竹刀があった


姉が出ていったあとドアの閉じるきしむ音がいつもより大きく聞こえた


俺は知ってる姉のように強い人はものすごい努力をしている人だということを


皆「いただきます」


いつも朝食は家族みんなで食べている


今日の朝ごはんは目玉焼きに白米そして味噌汁の普通のこんだてだ


そして俺の一番好きな朝食セットでもある


だが、今日は箸も全然すすまない


母「勇気の好きな朝ごはんのはずなのにあんまり食べないのね、なにかあったの?」


「別になんもない」


父「勇気お前何をそんなにめそめそしてるんだ?」

 「昨日からきずいてないとでもおもってるのか?」

 「男ならもっと自分に自信をもてよ」


父はあまり喋らないが喋る時は必ず、自分がどれだけちっさい男なのか、弱い男なのかを自覚するような言葉をかけてくる


だから俺は父が嫌いだ


俺はそのままごちそうさまをいい急いで階段を登った


準備をし、外にでる、誰にも聞こえないような声で行ってきますを言いドアを閉めた


もやもやした気持ちのまま学校へ向かった


学校に着くとまず、最初にあのこを探すあのこは自分の席で本をよんでいた


「おはよう」


わたる「おう、おはよ」


菊「よっ、」


わたると菊は幼稚園からの友達だ


いつものように話していると


チャイムがなり先生が来た授業が始まった


一時間目 体育

あのこは一人で壁とキャッチボールをしていた


二時間目 美術

二人一組で似顔絵を書き会うという授業だった


三時間目 算数

あのこはたんたんと問題をといている 頭はいいのだろうか?


四時間目 理解

理科の実験だった

その班はあのこがすべてやっていた


意識していたらわかる


あのこはまだ誰とも話していない

すべての女子からハブられている


なんで、なんで、そんなことできるんだよ。俺は、許せなかったどうしても許すことができなかった。


学校が終わり下校となった


俺は、あのこのことが気になり見渡してみると

女子に囲まれトイレの方向へ向かっていた


関係ないと言う自分がいる


めんどくさいことになるだけだと言う自分がいる


やめとけと言う自分がいる


でも、父の言葉俺に進めと言った


男なら自分に自信をもて


俺は自分に自信をもてる男になりたいと思ったから


女子たちを追うようについていった


女子たちはトイレに入っていった

流石にダメか、と、帰ろうとすると


大声が聞こえた


女子「きたな~、まじで床なめてる」


女子A「大丈夫~、うがいした方がいいよこうやってさ」


あのこ「ボボボゥ ボボボゥ バッ や、や、め、ておボボボ バッ ね、が、い」


その声を聞いた瞬間


許せなかったハブられているのを知ったときよりも許せなかった


「なんでなんだよ、何でそんなことかできるんだよ」


気づいたら俺は怒鳴りながらそういっていた


女子「…………」


女子A「くそ、みられた、でも、時なら別にいいか」


女子B「きも、ここ、女子トイレなんですけど」


女子「まじきめー」


俺は無我夢中であのこのてをつかみ走りだしていた


気づくとあのときの公園まできていた


女の子は嬉しそうなでも、悲しそうなそんな笑みをうかべながら「ありがとう」と言った


その笑みは頭に焼き付くようなそんな、笑みだった


「どういたしまして」


俺から出た言葉はそんなありきたりな言葉だった


でもあのこは 猫山 美咲 すごくうれしそうに笑っていた


これが、自分に自信をもっていえる自分なのかな?


これが、勇気をもった結果なのかな?


俺はこんなことを 猫山 美咲 が笑っていたときに考えていた


そして、これが最初で最後の


猫山 美咲


との会話だった


家に帰るといつもとかわらない家族がいた


母「おかえり勇気ごはんできてるわよ」


「ただいま、うん」


いつもどおり風呂に入り


四つの席にみんなそれぞれ座りみんなでいただきますをした


その日の夜ご飯は肉じゃがだったとても安心できる味だった


「父さんありがと」


そのままごちそうさまをして急いで階段を上がった


その日は勇者みたいな勇気と力をもって皆を守るそんな人になりたいと思った


寝る時には嬉しそうな、でも悲しそうなそんな笑みを浮かべている 猫山 美咲 の顔が浮かんでいた

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