当たりくじ
おはようございます。
朝早くから投稿しています~。
徹夜で書いてたもので。
では本編どうぞ~。
「廃園になった……えーっとなんだっけ」
「裏野ドリームランドな」
「に行くぞー!」
「「「おー」」」
僕らは十七年前に廃園になったという裏野ドリームランドへと肝試しに来ていた。
僕、鏡野健次はあまりホラーとかは得意じゃないけど……その……まぁ……うん。来てみた。
「はぁ~あまり乗り気じゃないなぁ~」
「何言ってんだ?健次?お前、華菜の名前をモガモガ」
「おい!バカ!……なんでもないよ。ほんとに」
不届きもの、斎藤水樹の口をふさいでいそいでごまかす。
ほんとにそんなんじゃないって!
誤解されても……まぁいいけど……って違う違う!
といそいで前田さんの方をみると廻田さんと話していた。
ほっとした……はず。うん。
僕の想い人の前田華菜さん。とその友達の廻田友実さん。
廻田さんはあまり知らないけれど前田さんはよく話す友達だ。
……友達以上になりたいのは言うまでもないけどね。
そんな話をして、僕ら四人は遊園地に向かって行った。
「ん?看板あるぜ?そしてなんか書いてある……あ?なんて読むんだこれ?うぃー……うぃーる……なんだこりゃ」
「ウェルカムね……斎藤くん……」
「そっかそっか!」
そこには『閉園しました!また明日来てね!』と書かれた看板があった。
水樹の間違いを前田さんが訂正する。間違いってほど読んでないが。というかあれぐらい中学生でも読めるぞ……。
僕らもう高校生だぞ?しっかりしろよ水樹……。
……ん?
「なんかこれ血みたいじゃないか?」
「あ?でもちょっと黒っぽくねぇか?血だったらもっとぶわーって赤じゃね?」
「こ、怖いこと言わないでよ!」
廻田さんに怒られてしまった……。
……でも血って乾燥していくと黒っぽくなっていくんじゃなかったっけ?
…………僕の記憶違いだろ。
なんで裏野ドリームランドの看板に血でウェルカムって書いてるんだよ。きっとそうだろう。
「っても邪魔だな。オラッ!」
「ちょっと!危ないよ!?」
「あ、あぁすまん。華菜」
門をちょうど塞いでいた看板がガタンッと音をたてて倒れる。
水樹は少し乱暴すぎるな……。
「ねぇ、音で誰か来ないとも限らないだろ?早く入ろうよ」
「お、おぅ……なぁやっぱやめしね?」
「……おい水樹びびって「びびってねーし!」……ネタぐらい言わせろよ……」
某ホラゲネタを言ったのに……。
というか水樹マジでびびってんじゃん。
大丈夫なのか?
まぁここまで来たら行くしかないけどな……。
こうして僕ら四人組は裏野ドリームランドに入っていった。
「……おや、この子達は……あの子達に気に入られるかとしれませんね。ではごゆっくりお楽しみください♪welcome♪裏のドリームランドへ♪」
僕らはきっとはしゃいでいたんだろう。
肝試しという名目で夜遊びを親の目を盗んでしていたのだから。
しかも僕は想い人といっしょにしかもベタに肝試しなんて……だから後ろから聞こえる不気味な声に気づかなかった……気付けなかった。
「まずどこいく?アクアツアーか?ミラーハウスか?メリーゴーラウンドか?それとも観覧車?」
「んー僕はアクアツアーからで良いと思うよ」
「んー、私は……メリーゴーラウンドは綺麗って噂だから後がいいな。……だから……私もアクアツアーでいいと思うよ」
「……い、いいから速く行きましょ!こ、怖いから早く終わらせたいのよ……」
「じゃ!アクアツアーだな!」
僕達はアクアツアーへと行くことになった。
えっとアクアツアーの噂は……謎の生き物が見れるんだっけ。
……謎の生き物は今でも見れるらしい……って噂だったはず。
……危険は無い……よね?
「謎の生き物ってどんなだろうな!」
「さぁ?クラゲかなんかじゃないか?」
「んー、私は何か変な妖怪みたいな姿の生き物じゃないかな~」
「し、知らないわよ!こ、怖い……。ねぇ華菜……もうちょっとくっついていい?」
「う、うん……」
っと、そんな話をしてるうちにアクアツアーに着いてしまった。
柵ごしから魚が泳いでる姿と、中に入って水槽から見る深海魚等がみられるらしいがいても水が抜いてあるからカビくらいだろうな。
「んー、いるかなー?」
「いや、外の水槽にはいないだろ。おい、水樹柵に登るな、落ちるぞ」
「うん気を付ける~」
「そういうことじゃねんだよ……。まぁ中に入ろうか」
「うん」
「え、な、中に入るの!?……う~華菜が行くなら行くけどさ~」
中に向かおうとしたら水樹がついてきてないようだ。
あの馬鹿落ちてないだろうな……。
と水樹の居た場所を見ると居なかった。
あの馬鹿ホントに落ちやがった!?
「おい!水樹!?水樹!?」
「…………あ、あぁここだ」
「はぁ~無事か?」
「うん」
「……はぁ~口調変わってんぞ。頭でも打ったか?頭良くなる打ち方したように祈ったらどうだ?」
「うん。登って戻れそうにないから少し歩いてそっちに行けるように頑張ってみるよ」
「……? お、おう」
……おかしい。
あいつはあんな喋り方はしないはずだ。
小学校の頃からの腐れ縁だがあんな喋り方の水樹を見たことがない……。
やっぱり頭打ったからか?
……本人が居ないのに考えていてもしょうがない。前田さん、廻田さんと共に中に入ろう。
柵の下で何かが動いた気がしたがとりあえず今は水樹と合流することが先だ。
「あいつ落ちてたみたい。あっちからこっちに戻る道を探すって。僕らは中に入ろう。下の水槽も中に繋がってるみたいだし」
「うん」
「う、う~」
中に入ると空の水槽とほこりぐらいしかないがたまに何か動いた!?と見るとそれは魚の死骸なのだ。……動く筈がないのに。
不気味な室内を散策していると声が聞こえてきた。
「――――あー―――俺、―――――――俺が――――かな?」
これは水樹の声だ!少し様子がおかしいが頭を打って混乱しているのだろう。
「水樹!」
「あ、よう。なんとかこっちにこれたよ」
「落ちて怪我とかしなかったの?」
「大丈夫大丈夫。なんか落ちたときに地面じゃなかった気がするんだ。ちょっと見てこようぜ」
「まじか。謎の生き物かな?」
「さぁな」
「うう~なんでそんなの見に行こうとするかな~……あ!華菜待って~!」
そして水樹が落ちた柵の所へ行き、下を見てみるとスライムのようなナニかがあった。
そして、たまに動いては何かを訴えているように僕は感じた。
「なんだろう……これは」
「さぁな。でも面白くないよな~。こんなスライムみたいなやつが謎の生き物ってよ~」
「確かにそうね。妖怪とか化け物って感じではないわね」
「も、もう行こう!?こんな変な物がいる場所なんて!」
廻田さんの要望でアクアツアー散策を終えることになった。
そして僕が去ろうとした時にスライムの目……かわからないが何故か目と思える所から水が垂れた気がするのは……気のせいだろうか。
「次はどこ行こうか」
「観覧車に行こうぜ……******」
「そうね」
「ど、どこでもいいわよ!早く行きましょ!」
……水樹が何かボソッと話したが何故か聞こえなかった。
近くにいるはずなのに。
……難聴か?いやいや主人公じゃあるまいし。
なんて考えていると観覧車へとついた。
「んー、聞こえる?」
「私には聞こえないわね。友実は?」
「………………」
「どうした?」
廻田さんは何故か僕らの方を見開いて見ている。
後ろに何か居るのか?と思ったが後ろにもなにもない。
「乗ってみようぜ?そしたら変わるかもしれねぇ。なに動きやしないよ」
「あぁ」
「友実は休んでて」
「……あ……う……だ……」
廻田さんは体調が悪いのか?
そして僕ら三人が乗り込んで座る。
……と何かが起こるわけでもなく。
静寂が場を支配した。
すると突然前田さんが眠ったように水樹によりかかった。
眠いのかな?
「水樹、前田さん寝たのか?」
「ん~。さすがに寝たままなのは駄目だろ。起こすか。おーい。おーい!」
「う、うん~?」
「あ、起きた……****」
寝惚けてる前田さんに水樹が耳打ちをして前田さんは起きた。
「水樹、何言ったんだ?」
「ん?ちょっとな」
「大丈夫。なんでもないよ」
「じゃあ、何にもなかったってことで観覧車は終わりっと」
「おう」
「うん」
降りると、廻田さんも何にもなくなったみたいで良かった。
……少し心配なのは前田さんだ。
眠いと思うのだがそれなら帰ればいいと思うんだが……。
僕も少し怖くなってきたからなのは秘密だ。
まぁ大丈夫なのなら大丈夫なんだろう。
……でも前田さん、もう少し落ち着いていたきがするんだけど……。
まぁこれが素なのかもしれないな。
「次は何行く?」
「そりゃあお前メリーゴーラウンドだろ!」
「うん、そうね」
「…………あれ、華菜ってこんな性格だっけ?」
何はともかくメリーゴーラウンドに行くようだ。
メリーゴーラウンドは何故か誰も乗っていないのに灯りがついていてとても綺麗なんだっけ。
っと観覧車とメリーゴーラウンドは近かったようで直ぐに着いてしまった。
メリーゴーラウンドは確かに灯りがついて回っていた。
……あれ?あそこに人影が……。
「あのーすいませーん。遊園地の方ですか?」
「ん……なんだ小僧共……む?小娘い~い魂ではないか」
「ひっ!わ、私!?」
「あらら、死神に魅入られるとは……あの子もう駄目だな」
「そうね」
「水樹!?」
「か、華菜!?何言ってるの!?」
「なぁに、少し永い時間廻ってもらうだけだ。では貰うぞ」
人影ではなかった……。髑髏のソレは廻田さんの胸に手を入れ、光輝く何かを取り出した。
そして、その取り出した何かをメリーゴーラウンドに放り込んだ。
あぁ……そういうことか……あのメリーゴーラウンドの光は魂なんだ。
魂が廻っている様子はそれはそれは綺麗だろう。
それを理解してしまった僕は体の震えが止まらなくなってしまった。
そして、この骸骨もそうだが、当たり前のように話している水樹と前田さんも恐ろしくて仕方がない……。
「というか!死神!お前が派手にその子の魂とるせいでコイツ怖がらせちゃったじゃん!」
「そうよ!」
「ん?あ、すまんな。どうせ逃げられないんだろう?別に怖がらせたところでだろう。……うむ、この魂がこの中で一番長いはずだ
。さて、すまなかったな。お前は解放してやろう」
「へー、気前がいいじゃん。死神が解放するなんて」
「というかその魂何年廻らせたのよ……」
「ぬ?五百年ぐらいか……。我が空間に持ち込んだからな」
「勝手に持っていくのやめてくれよ。僕の所はもともとインパクトが弱かったんだから。ま、今は僕に関係ないけど」
平然と話をする彼らがとても恐ろしくて僕は足の震えが止まらなかった。
けれど僕もこのままでは殺される。
必死に足の震えを止めて……なんとか逃げ出した。
そして、近くの建物へと逃げ込んだ。
「ん?あれは……ミラーハウスじゃん。あいつも出てくるのか」
「あ……あの子逃げればいいのにね~外に」
「あいつが少し操作したんだろ」
「「あぁそういうことか」」
こんな会話がされているとも知らずに。
ここはどこだ?
……鏡……ミラーハウスか!?
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!
噂によると中身だけ変わったように性格が変わるんだっけ。
とりあえず出口を探さないと。
「あ、すみません」
「いえ」
……!?!?!?
僕は今誰とすれ違った!?
……思い出せ…………あれ?服装……声……顔は見えなかったけれど……その記憶は明らかに僕と同じだった。
考えろ!……まさか……まさかまさかまさか!
僕は今ホントに現実世界にいるのか……?
ハハッハハハハハハハハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!
僕は今……乗っ取られた……のか?
「こんばんは~!いや~久しぶりの外はいいね~」
「あ、出てきたね」
「久しぶりね」
「ん?あ?……思い出した。やっと出れた」
「お主ら、管理人が来とるぞ」
おぉ!やっと私の存在に気づいてくれましたか。
「君達、せっかく戻ったんだからさっさと帰りなさいな。もうすぐ雨も降るよ」
「「「「は~い」」」」
さて、あの子達も帰ったことだし。
今回の子を見てみようかな。
健次……それ……俺じゃないのに……。
クソ、ろくに体が動かせねぇ……あいつこの状態で俺を落としたのかよ。
乗っ取る……か。俺が助かるにはそれしかないんだろうな。
あぁ、雨が降ってきた。
……!動ける!でも力は残しとかなきゃいけないよな……。
あぁいつか俺が乗っ取る日はくんのかなぁ……。
t c i d
で、出られない……。
あの噂のように出してって言わなきゃいけないの……かな。
しかも来たら乗っ取る……。
私が助かるには私を乗っ取った人みたいに乗っ取る……しかないよね……。
はぁ……いつか……外に出れる……のかな……?
o o n …
廻る……廻る……目も魂も廻る……。
いつか私は出れるのかしら……。
肝試しなんて来なきゃ……良かった……な~。
いつか私も自由になれるのかな……。
でも全てはあの骸骨次第……なんでしょうね。
b n u …
あぁ最悪だ。
全くもって最悪だ。
こんな鏡だらけの所なんて気が狂ってしまう……。
僕は乗っ取られてここに入ったけど僕が出る方法……は……。
やっぱり人を乗っ取る……しか……ないのか……。
僕を乗っ取ったあいつみたいに……。
あぁ、僕がここから出て、解放されるのはいつになるんだろう……。
ホントに最悪だ……。
e t e ?
こんばんは。
管理人です。
これを見てらっしゃる皆様も、肝試しとか噂に関わるのもほどほどにしておかないと……今回閉じ込められた子みたいに貧乏くじをひいてしまうかもしれませんよ?
今回解放された子のように当たりがあるとは限りませんので……。
では皆様また会うことがないように。
ごきげんよう。
どうだったでしょうか?
皆さんもあまり噂などに関わりすぎてはいけませんよ?