ジョブ-1
「なぁ、佐藤。今からギルドとやらに行ってみるわけだが、もし自分の好みのジョブを選べるとしたら、なんのジョブにする?」
「そうですね…僕は魔法を使ってみたいので魔法使いで。先輩は?」
「俺は戦士かなぁ、やっぱり戦士はかっこいいじゃん!…
街ゆく人A「いやぁ、ホントに当たりだったな、格闘家。先生がエロいし、指導の時にめっちゃ密着してくるしで、最高だったわ」
街ゆく人B「な?言った通りだろ?あの先生は結構有名なんだぜ?」
「……」
「……」
「先輩、なんだか無性に格闘家をやりたくなってきたので僕やっぱり格闘家にします」
「奇遇だな、俺もだ佐藤。だがパーティに同じ役職のやつは二人もいらん。佐藤、お前は大人しく魔法使いでもやっていろ!」
「いやいや、先輩は戦士がお似合いですよ〜!先輩こそ戦士になるべき人だ!」
「俺が!」「僕が!」
自分が少しでも前に出ようと二人はお互いを小突きながら徐々に歩みを早めていく。
「邪魔だ佐藤!俺が一番にギルドに行くんだ!」
「邪魔ですよ先輩!僕が先です!!」
「うおおおお!」「うああああ!」
気がつくと二人は全力で走り出していた。二人の目の前には十字路があり、十字路の先にはすぐギルドが立っている。その距離およそ500メートル。
二人は走る。ぶつかりながら。息を切らしながら。
そしてついに二人が十字路に差し掛かろうとしたとき、一人の男がもう一人の男の一歩前に足を踏み出した。
次回につづく