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れっつお泊まり!
「…えっと、あそこの角を曲がると見えるらしいよ?」
「んーっ、やっと着くのね!意外と長かったわ…」
マリーの提案で急に決まった、温泉旅行。私達二人は手をつなぎながら、いわゆる隠れ宿、というものを探していた。
その宿は温泉がとても綺麗で料理も美味しいらしいけど、町から少し離れたところにあるらしく、あまり人が行かないらしい。でもマリーがそんなところに目をつけて、「行こう!」と言ったから今こうして山道を歩いている。
「はぁ…ほんと、ここまで奥だとは思わなかったね…?」
「そ、そうね…あっ、でも、あれじゃないかしら?もうちょっとよ!」
「わ、マリー…!引っ張らなくてもまだ歩けるよー!」
引っ張られながら歩いて行くと、木造の古い建物が見えてきた。ちょうど日が差し込むあたりに建てられていて、その建物だけ別の空間にあるような、不思議な感じが出ていた。
「ほら、行きましょう?これでゆっくり休めるー!」
「えへ、そうだね!ひとまず休もっか!」
きゃーきゃー言いながら、繋いだ手を引っ張り合って坂を登る。いつもより楽しそうなマリーの横顔を見て、少しドキッとしながら宿への道を走っていった。




