繊細で敏感な彼女
マリーの事を考えないようにしてから数ヶ月。就職試験も終わって通知待ちの私たちはやることがなくて、レポートを書いたり図書館で調べ物をしたり…と あまりやることがない日が続いた。
「知華、最近変わったね?何かあった?」
「え?そんな事ないよ、いつも通りだと思うけど…?」
いつものように図書館でレポートを書いていると、加奈が話しかけてきた。自分でも最近無理をしているのは分かっていたから、ばれないように少し視線をずらしながら答えたら、逆効果だったみたいで。
「ふむ…怪しいですよ知華さん。」
「な、何、いきなり…。加奈の方がおかしいとおも「よし決めた、今からストレス発散しに行こう!」
「へっ?いきなりすぎるでしょ…しかも、どこに?」
「美味しそうなケーキバイキングのお店を見つけたのよ〜♪行くよね、れっつごー!」
「え、えぇ〜…」
加奈は図書館でいきなり大声を出して、私の腕を掴んで 歩き出した。
周りの目を気にしない加奈にハラハラしながら私は必死になってついて行った。
そういえば入ってすぐの時もこんなことあったような…なんて考えながら、いつも理解してくれる彼女に感謝していた。
色々我慢して精一杯だった私は、加奈がほんの少しだけ泣きそうな顔をしていたのに気付かなかった。