すれ違う心
マリーに会えないということはもう分かっているし、今アメリカに向かうことはできないから諦めている。だけどメールや電話が出来ないというのはやっぱりさみしくて、忘れられてしまったのかな、とか どうでもよくなっちゃったのかな、なんて考えてしまう。
忙しくなるって言ってたからこっちからメールするのも躊躇ってしまうし、何も動けていない現実…。
「就職試験も近いし…ちょっとでも話せたらいいのに。マリー…。」
もう付き合っているわけではないというのもあるし、疲れているだろうし…。マリーがアメリカに行かなかったら…なんてどうしようもないことを考えて。
声聞きたいな…また抱きしめたいな……
「知華?…知華!ちょっと 生きてる〜?」
「…ぶはっ!お、お母さん…大丈夫、生きてるよ。」
「ぼーっとするのはいいけど、溺れないようにするのと逆上せないようにしなさいよ?」
「は〜い…。」
考え事にふけるあまり、お風呂で溺れかけてしまった。だめだなぁ…しっかりしないと。
…もう、マリーのことを考えるのやめよう。今は自分のことに集中しないとだよね…。
知華は少しくらくらする頭を押さえてお風呂から出て、またぼーっとしながらそんな事を考えていた。