1年後
マリーがアメリカに戻って1年経ったけど、まだメールや電話は来ていない。忙しいのは分かるんだけど…やっぱりさみしいし、忘れられちゃったのかな、なんて思ってしまう。もう私達は付き合っていないのに…。
あの日買ったペアリングは指ではなく、ネックレスに通して毎日身に付けている。
「マリー、私、まだ忘れてないよ。」
「ん?知華、何か言った?」
呟くと、隣で加奈が気付いて声を掛けてくれた。加奈は専門学校に来てから出来た友達だ。いつも仲良くしてくれて、相談相手でもある。
「ううん、何でもない。…そういえば、進路どうしようかな…。」
「もう今のうちに決めた方がいいって言われたもんね…あたしもどうしようか迷ってるの。事務で働くのもありだし、体動かす仕事でもやりがいのある仕事が多いからなかなか決まらないよね…。」
「そうだよね…。大変だよね。」
「だよね…。でも、知華 英語得意だから色んなところで活躍できそうだよね。」
「一応得意ではあるけど、そんなじゃないよ…。」
そんな話をしていても思い出すのは、やっぱりマリーの事。今元気かな、凹んだりしてないかな…なんて、ふとした時にすぐ思い浮かぶ。
マリーが行ってしまった後、私は猛勉強をした。
頑張っている彼女に負けないように今の私に出来ることを精一杯やろうと思って、必死になった。それでもやりたいことは見つからなくて、就職が迫っている中 私は行き詰まっていた。