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聖魔の勇者〜やがて伝説となる聖女~  作者: 朝霧直刃


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第8話「墓作り(後編)」

「ダリアス!? どうして? まだそんなに時間は経っていないはずなのに……」


「何、オレも《《忘れものをしただけだ》》」


「そっかダリアスも……じゃあ一緒にやろっか」


 ダリアスの含みのある言い方に少し可笑しくなりながらもダリアスも住む家は違えどよくこの村、アース村を訪れて村の住人たちと交流していた。

 きっとダリアスも思うところがあるのだろう。


「ああ、それじゃあまずはーースコップを持ってくるか」


「う、うん……そう、だね」


 素手で穴を掘るガルナを見ながらダリアスは少しだけ気まずそうに言った。ガルナもダリアスの意図を察して短くコクリと頷いた。


「よーし、持ってきたぞ。これを使いな」 



「ありがとう、ダリアス。これで思ったより早くできるかも」


「日が暮れないうちに終わらればいいな」


「うん……」


 王都に行く時間もある。できれば日が暮れないうちに終わるのが理想だがどうやらそう簡単には行かないらしかった。


「意外と大変だな……墓作りというものはーー」


「…………」


「ガルナ?」


 数時間後、墓作りには慣れてきたものの死んだ村人の数は多い。

 ダリアスは休み休み、調整しながらやっていたがガルナはそうでもなかった。

 黙々と休むことなく墓作りに精を出している。


「……私は村を滅ぼした魔族を絶対に許さない」


「……オレもだ。このような所業は到底看過できない」


「でも……っ!」


 魔族を許せない。その気持ちは確かにガルナの心の内にはあった。


「おばあさまは……罪を憎んで人を憎まずって言ってた……っ! ねえ、ダリアス? これは魔族にも適用されるのかな?」


「…………。わからない……」


 しかし、罪を憎んで人を憎まずという教えが美徳がガルナの気持ちの邪魔をする。

 ガルナは衝動のままにゴブリンたちをーー逃してしまった一匹を除いて殺してしまった。

 あれは間違いだったのか冷静になってみると正しい行いだったのかはガルナにはわからなかった。だからこそ一筋の涙を流しながらダリアスに問い掛ける。正解を求めて。


「そっか……そうだよね」


「ああ……だが憎むことは悪ではない」


「それは……憎んでもいいってこと……?」


 しかしガルナの望む答えは返ってこなかった。

 それでもダリアスの言葉に少しだけ心が軽くなった。

 ガルナは更に問いを続けたがダリアスから明確な返事が返ってくることなく、時間だけが過ぎていく。


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