第3話「悪夢(前編)」
「? ここはどこ? 私はたしか地下室にーー」
「ーーーー魔族を殺せ」
何もない建物や草木もなく見たことない無色透明な床を中心とした空間が広がってるだけだ。
そんなぼんやりとした場所にガルナは立っていた。
まるで世界中に自分しかいないようなそんな孤独を感じたーーそのとき男性の低い声で魔族を殺せという声が響く。
「え? なに? 魔族を殺せ? ……っ!? あ、あなたは……誰!?」
「私か? 私の名はアルケイド。貴様と同じく、愛した者を魔族に殺された男だ」
気づけばそこにひとりの男性が立っていた。
今まで見たこともない黒髪で強面の男性がガルナをまっすぐに見据えてくる。
まるでお前に言ってるんだぞと言わんばかりに。
「アルケイド……? どこかで聞いたことあるような……?」
「私の名などどうでもよい。それより、貴様も魔族に知り合いを殺されたのだろう?」
ガルナはそのアルケイドの名前を聞いて小首を傾げる。その名前にはどこか聞き覚えがあった。しかし、思い出せそうで思い出せなかった。
そのアルケイドはというとどこか同情するような先ほどの強い口調とは打って変わって少し優しく問いかけた。
「私は……そんなのーー知らない! 殺されてない!」
「そうか……まだ気づいていないようだな。まったく察しの悪い……だがすぐに知ることになるだろう」
「えっ!? それってどういうーー」
アルケイドが意味深な言葉を吐いた瞬間にガルナの視界は暗転した。




