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35日後に退職する私  作者: 東雲いろは
5/8

残り31日


「久しぶりだな、ここも」


 死んだ様な眠りから一転。

 晴れ晴れとした気持ちで覚醒した私はハローワークを訪れていた。

 退職を間近に控えたとはいえ、新年度から霞を喰っていく訳にはいかない。

 早々に次の仕事を決めなくてはならないだろう。

 過去にここへ訪れたのはいったい何年前なのやら。

 行き交う人も古びた建物も全然変わっていない。

 しかし自分の行く先を決める仕事先を今から選択しなくてはならなのか。

 十分な睡眠で身体は回復したものの、これからの事を思うと気が萎えそうになる自分を叱咤激励し受付に向かう。


「こんにちは。本日はどのような用事でしょうか?」

「すみません、求職をしたいので登録と検索を」

「直近の登録はございませんね?

 それでは必要事項を記載し、こちらでお待ち下さい」

「ありがとうございます」


 よく訓練された受付対応に感心する。

 ここで狼狽していては求職者の不安を煽ってしまうのだから当然か。 

 渡されたエントリーシートにある住所氏名などの必要項目を黙々埋めて提出。


「それではお呼びになるまでお待ちください」

「はい。それまでの間、検索機を使うことは出来ますか?」

「可能ですよ。それでは7番でどうぞ」


 渡された番号札を手に7番の検索機へ向かう。

 不慣れなタッチパネル式の内容を駆使しどうにか検索を行う。

 すると出てくるのは無数の選択肢。

 就職難な近況とはいえ、まだこれだけの求職求人があるらしい。

 決して自身の未来が開けた訳ではない。

 でも幾分か将来に期待できそうなくらいには前向きな気持ちになった私は様々な条件を入力し検索を続けるのだった。



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