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君とつなぐもの
彼の言葉を聞いた瞬間に僕はもとの所にいた。なんだかよくわからなかったがひとまず帰れたようだ。
けれど僕の手には彼の石とは真逆の蒼い石が埋め込まれていた。痛いとか痒いとかそんなものはないそんなことよりもただただきれいだった。だけどこんな手は誰にも見せられない。誰かに自慢したくなるような美しさがあるがいつぞやの彼のようにテレビに映るなんてまっぴらごめんだ。それに誘拐なんてことになったらそれこそ笑えなくなってくるからな。そうこう考えながら家に向かって歩いていたが日が暮れるころだろうかいつの間にか手にあった石は跡形もなくなくなっていた。手に異常はないか入念に調べたがやはり見当たらないさっきのことが嘘のようにきれいな手に戻っている。訳が分からなくなった僕は家族との食事を済ませて寝床に入った。