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二回目

 何とかして学校から抜け出すことに成功した俺はいつもどうりの帰路を歩いていた。今日の出来事はきっと忘れることができないだろう。初めて自分から厄介ごとに首を突っ込んで、それに知り合いもできて。楽しくも大変な日だった。振り返っていたらなんだかドキドキしてきた。それに伴って、口角も上がっている気がした。

 時間帯は夕方の日暮れごろ、太陽が赤く沈みかかっていた。突然、足元がふらつく。気分も少し悪い気がする。(貧血か?)目の前の景色が白く染まっていく。

 「大丈夫かい?」聞き覚えのある声が俺を呼んだ。あの男だ。俺はゆっくりと起き上がると彼がいる病室の中にいた。この間見た時よりも彼は痩せているように見える。「大丈夫だったらこんな風に倒れていないよ」体調が少し悪い気がしたが彼にかっこ悪いところを見せたくはなかったのでやせ我慢することにした。

 「にしてもよく僕からのおつかいできたね。大体の人はこの日だけ家にこもったりしているのに。それで、死んじゃうことが多いんだよね。」なんだか不吉なことを言っているが俺の通っている学校ではこんなことが当たり前に起きているからあんまり驚いたりしないんだよな。

 「それで今回は君が言うお使いができたからここに呼ばれたのか?」「そうだね今回は君がしっかりと言われたことをできたからご褒美があるよ。何かあるかい?あんまり大きなことは叶えることができないけど」何がいいかなんて決まってんじゃん。「君の名前を教えて?」彼は少し驚いた顔をした後、確かにいてなかったなという顔をした。「じゃあ、自己紹介でもするか。僕の名前は歩夢あゆむ。歳は、うーんいくつになるのかな?まぁ、君と同じくらい。好きな物は、電車とかかな。こんなもんでいいかな?」彼は淡々と自己紹介をした。「次は俺の番だな。俺の名前は…」「いや君のことは知っているからしなくていいよ」歩夢は俺の言葉を遮るように言った。そういえば前回も時間がないとか言っていたっけ。

 とっさに思いついて友達になった歩夢と俺はこれからどうすればいいのだろう。気まずいと俺は思ったけど歩夢はそうは感じていなさそうだ。

 「それじゃあ本題に行こうか。聞いて驚けよ今回の君に対してのご褒美は、これだ!」ジャジャジャジャーンって効果音が鳴りそうな雰囲気だがそんなたいそうなものではなくお土産にありそうな電車のアクリルキーホルダーだった。

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