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これは、知っているのに知らない君と3年越しにまた恋をする涙の物語  作者: 雨夜かなめ
2章 3年ぶりの再会と多くの謎
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解決への第1歩

「い、今から!?」


この話は唐突に始まった。


「今以外いつがあるのよ?」


「ほら、明日とか」

「今日は、急すぎるよ」


流石にいきなり言われても、心の準備ができていないので脳は行くか行かないかで低迷状態だ。


「急って、行って帰ってくるだけでしょ?」

「それに、久しぶりに再開したから、もう一度二人で私たちの思い出の場所にいきたい」


小雪は、真面目な顔でそう言った。


「わかったよ...。じゃあいくか」


渋々立ち上がる。

記憶の入れ違いの謎については、今の情報では八方塞がり状態なので、行ってみる価値はある。


それに、俺も久しぶりに小雪とゆっくり話す機会が欲しかった。


3年間も離れ離れだったのだ。

小雪も、久しぶりに思う存分はしゃぎたいのだと思う。


「うん!」

「湊音は、相変わらずちょろいねー」


優しくしてあげたらすぐ調子に乗る。 


でも、これも小雪なりの優しさだ。

小雪はいつも場を賑やかにしてくれた。

俺は、そんな小雪と遊ぶのが好きだった。


「おい」


「きゃー、怖い怖いー」


小雪は逃げるように、寝室に出かける準備をしにいった。

昔から変わらず、元気な子だな。

そう思った。


『ガチャ』


玄関の戸締りを入念に確認して、家を出る。

思い出の八木崎公園行きのバスは、河口湖駅から乗車できるため、二人で駅に向かう。


八木崎公園は、ここから少し離れた場所にあり、バスで1時間20分ほどで行くことができる。

なかなかの長旅だ。


そして、数分歩いて河口湖駅に到着。


「ちょっとトイレ行ってくるな」

「小雪はここで待っていてくれ」


バス停で、バスを待っている間にそう切り出す。


「うん。行ってらっしゃい」


まあ、トイレに行くというのは嘘だ。


少し確認したいことがあった。

俺の仮説が正しければ、少し謎が解けるはずだ。


トイレに向かうふりをして、お馴染みの駅弁売り場に向かう。


「すみません。この豚味噌焼き弁当を1つください」


一回目の24日の時と同じように、店員さんにそう注文する。

一言一句、声の大きさまで、あの時と同じにする。


しかし、店員さんは一向に反応を示さなかった。

やはり、俺の姿は見えていない様子だった。


「だよな」


そう呟いて、バス停に戻るため駅構内を歩きながらこのことについて考える。


やはり、俺の仮説は正しいのかも知れない。

どちらかというと、仮説というか憶測に近い。


俺の姿が、小雪とマスターの人以外に見えていないこと。

学校で俺の席がないことや、望月さんや、詩乃、叶翔が突然姿を消すこと。

この謎が発生するときは、毎回立て続けに起こっていて、発生頻度はとても極端だった。


だから俺は、この謎に法則性があるのではないかと考えていたが、今の店員さんの反応でなんとなく確証がついた。


この2つの謎が起こるときは、必ず小雪が突然現れるときだ。


まず、初めてこの謎が起こった時。

一回目の24日の話だ。

学校に行くと、お馴染みの3人がいなくなって、入れ替わるように小雪が現れた。

そして、俺の姿は他の人には見えていない状態だった。


そして今日。

望月さんの家にいると、小雪がいた。

つまり、望月さんが消えて小雪が代わりに現れた。

そして、店員さんは俺の姿が見えていない。


どちらも、小雪が現れた日に不思議な現象が立て続けに起こっていた。

対して望月さんのいる日は、この現象は起こらなかった。


それに、小雪と再開するまでは平凡な生活を送っていた。


つまり、この現象が起こっているのは、小雪が原因の可能性が高い。


しかし、あくまでこれは憶測の話だ。

小雪が現れる日に、たまたまこの謎が発生しているという可能性もある。

まだ、小雪と再開して二回目ということもあり情報が少ないのは確かだ。


でも、解決への第一歩を踏み出せたことは、憶測でも良いことだ。

原因はまだわからないが、発生条件がわかっただけでも大きな一歩だと思う。


小雪と会う回数が増えれば、憶測から確証にも変わっていくと思う。

気長に付き合っていこう。


バス停に戻ると、ちょうど公園行きのバスが到着したところだった。

バスの前で小雪が小さく手招きをしている。


このバスは、2時間に1回しか来ないバスなので、こんなにも速く着くのはラッキーだ。


一番後ろの席に二人で乗り込む。


小雪は、俺とピッタリとくっつくように隣に座る。


バスの車内からは、河口湖と富士山が綺麗に見える。

その景色に見惚れて、二人して景色をぼーっと眺める。

家から河口湖は見えないので、この景色を見るとおのずと昔の記憶が蘇ってくる。

大切な記憶。


「楽しみだね」


景色を眺めながら小雪が言う。


「そうだな」


このどこまでも広がっているような河口湖を見ると、3年前、日に照らされてキラキラとした水面をを横目に、公園で二人でかけっこをしたことを思い出す。


あの時は、景色など気にせず無我夢中に走っていた。

でも、今は二人共、景色の虜になっている。

俺たちも、成長しているのだなと実感が湧く。


「変わっていないと良いね」


「そうだな」

「俺たちの思い出だからな」


「うん。私たちの思い出の地」


昔に遊んだ思い出のある公園だ。

馴染みある景色が変わってしまうのは悲しい。


「湊音、何しんみりした顔してんの」


小雪が俺の顔をよく見るために、手で包み込んでくる。


「し、してないよ」


変わっていないと良いな。

俺も、そう思った。

なんだか公園にいくだけなのに、緊張してきた。


そうして、綺麗な景色を横目にバスに揺られて1時間20分。

ようやく俺たちの思い出の地、八木崎公園に到着した。

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