表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これは、知っているのに知らない君と3年越しにまた恋をする涙の物語  作者: 雨夜かなめ
2章 3年ぶりの再会と多くの謎
30/54

バスタオル越しの感触

「望月さん、自分でできるってば」


俺は今、望月さんの家の風呂場にいる。


「ダメです。湊音くんは適当にやるから体が冷えてしまいます」

「風邪をひいたら大変です」


背中を丁寧にタオルで洗われる。


今回は、前回と違って腰にタオルを巻いて、望月さんは服を着て電気もつけている。


俺は、しっかり拒否した。

でも、望月さんが「洗いたい洗いたい」と駄々をこね始めたので、仕方なく一緒に入っている。


なぜこんなにも一緒に入りたがるのか理解不能だ。


まぁ、俺は別にいいのだが、その、男女的によくないから拒否している。


「お腹も洗ってあげます」

「こっち向いてください」


背中を洗い終えた望月さんがそう言う。


「いや、それは自分でやるから」


「背中も洗ったのに、お腹を洗っていないと違和感があります」


何だその理由は。

洗いたいがために適当なことを言う望月さん。


体の向きを無理やり変えられそうになる。

やばいやばい。


「本当に大丈夫だから!」


そう言って、ドアを開けて、望月さんを猫の首を掴むように、風呂場から追い出す。


「ガチャ」と入ってこられないように鍵を閉める。


「何でですか〜。これくらい、いいじゃないですか!」


ドア越しに声が聞こえる。

無視無視。


最近の望月さんは天然が増して来て、より大胆で困る。

もはや、天然なのかわざとなのか、分からっなくなってきた。


「湊音くんのケチ」


そう言って、望月さんは脱衣所から出ていった。


俺も思春期の男だ。

流石に、可愛い女の子とお風呂に入って意識しないのは無理だ。


今前を向くのは、男の諸事情でちょっと無理だ。


バレなくてよかった

バレていたら友達では無くなるところだった。


そう、いろんな意味で。


体があったまり、満足して風呂から上がる。


脱衣所には、丁寧に着替えの衣服が畳まれて置いてあった。

おい。これ、望月さんの服じゃないか?


畳んであった服を持ち上げて開くと、ピンク色のもこもこの女性用の服だった。


望月さんの肌に触れていた服を着るなんて恥ずかしくてできるわけない。

それに、望月さんはこの服を俺が着ても良いということなのだろうか。


無意識に匂いを嗅ぐ。

フローラルな女の子らしい良い匂いがする。

すんすん、すんすん。


って、何やっているんだ俺は。

変態か。


流石に、この服は着られないので、バスタオルを体に巻いて脱衣所を後にする。


「望月さん、お風呂空いたよ」


ソファーで、テレビを見ている望月さんに話しかける。


「では、次は私が入りますね」

「って、何で用意しておいた服を着てないのですか!」


「何でって、流石に女の子の服は着られないだろ」


「私は、湊音くんなら別に大丈夫ですよ」


「望月さんが良くても、俺が恥ずかしいだろ…」

「それに…」


「それに?」


「パンツないから、ズボン履けないだろ…」


その光景を想像したのか、望月さんの顔がみるみる赤くなっていく。


「あ…そ、そうでしたね」

「お風呂行ってきます」


「バン」と、脱衣所の扉が勢いよく閉まる音が部屋に響き渡る。


「変なこと言わせないでくれよ…」

「これでは、俺が誘っているみたいじゃないか…」


望月さんには、俺も男だとわかって欲しい。


望月さんは女の子だから、低調に扱いたい。

俺のことを信用してくれているのは嬉しいが、危機感がなさすぎると思う。


そんなことを考えつつ、ソファーに腰掛ける。


それにしても、すごい雨だな。


外をぼんやり眺める。

その瞬間「ドン!」という大きい音が鳴る。

外では、雷が空を切り裂いていた。


それと同時に、風呂場から叫ぶ声が聞こえる。


「きゃーー!湊音くん、湊音くん」


リビングには、「お、お、お風、お風呂が呼んでいます」という電子音楽が鳴り響く。

そんなにボタンを連打しなくとも、行くから安心してくれ。


「わかったわかった。今行くから」


脱衣所に向かう。


「どうしたの?望月さん!?」


扉を開けた瞬間、タオルを巻いた望月さんが抱きついてくる。


「えーん。湊音くん。湊音くん」


ちょいちょいちょい。

それは、刺激が強すぎるって。


望月さんに、覆いかぶられるように床に倒れる。

バスタオル1枚同士の男女が、床に倒れて抱き合っている状態だ。


望月さんは、軽いパニック状態だった。


薄い布1枚越しに、何かとは言わないが、むにむにと俺の胸に当たってくる。


これは、流石にいろいろとまずい。

男女的にも、俺の息子的にもだ。


「ちょ、ちょっと望月さん。これは流石にまずいよ。離れてくれ」


無理やり剥がそうと、望月さんの肩を押すが、力強く抱きしめられて全然離れない。


「雷、雷苦手なんです…」

「次、雷がいつ来るかわからないから、こうしてないと無理だよー」


情けない声で言っても、ダメなものはダメだ。


「お願いだから、一旦離れてくれ」


揉みくちゃになり、バスタオルがはだけた場所の体温が直に伝わってくる。


「わかった、脱衣所にずっといるから、それでもう怖くないでしょ?」


落ち着いたのか、望月さんが、俺から体を離す。


「ほ、ほんとうですか…?」


鼻を啜りながらそう聞いてくる。


「本当だよ。だから安心して」


「一緒にお風呂…」


「え?」


「一緒にお風呂入ってくれないと、怖いです」


「そ、それはちょっと…」


いつもは電気を消して風呂に入る望月さんだが、雷の予兆があり怖かったのか、今日は電気がついていた。


真っ暗ならまだしも、電気がついていて体が良く見える状態で一緒に入るのは、理性の問題的に無理だ。


「湊音くんは、か弱い女の子を雷の中、1人お風呂に残していくって言うんですか?」


珍しく好戦的だ。

今の望月さんは、一緒に風呂に入るとかではなく、単に雷が怖い感じだった。


「そ、そうだ」

「じゃあ、風呂のドアを開けておいたら、俺の姿も見えるし安心だろ?」

「これでどう?」


「ま、まあ、それなら」


そう言って、望月さんは浴槽に戻っていく。

とりあえず、一緒に入るのは回避できたみたいだ。


「ずっとそこに、いてくださいね」


「いるよ」


その時、また雷が空を駆ける音が鳴る。


「きゃー」


どれだけ雷が、苦手なんだ。

昔、雷にでも打たれたのだろうか。

そのくらいに、望月さんの大きな声が浴槽に響く。


「湊音くん、湊音くん怖いです」


「いるから大丈夫」


「やっぱり、無理です…」


そう言って、大きな水の音とともに、望月さんが浴槽から上がる。


「もう、お風呂は諦めます」


「そうか?」

「じゃあ、俺は先に戻っているね」


任務は達成した。

脱衣所のドアを開ける。


脱衣所を後にしようとした時、後ろから腕を掴まれる。


「着替え終わるまで一緒にいてほしいです。その、怖いので…」


「わかったよ。特別な」


いつもは、俺が甘えてばかりだから、今日はとことん付き合おう。


たまには、こういう女の子らしい望月さんもいいな。


「じゃあ、俺は、後ろ向いておくから」


「は、はい…」 


望月さんが、恥ずかしそうに返事をする。


「じゃ、じゃあ、着替えますね」


そんな報告を聞いて、心臓の音が早くなる。


バスタオルが床に落ちる音が聞こえる。


すぐに後ろで布の擦れる音がしだす。

俺の後ろで、望月さんが着替えている。


不覚にもそんな想像をしてしまって、心臓の音が自分でも聞こえるくらいにうるさくなる。


脱衣所には、雨の音と布の擦れる音を掻き消すくらいに、俺の心臓の音が響いていた。


「着替え終わりました。もうこっちも向いても大丈夫です」


振り返ると望月さんは、白色のモコモコのパーカを見に纏っていた。

なんとも、望月さんらしい清楚で可愛らしい感じだ。


そんな望月さんの顔は、白の服で真っ赤なのがより目立っていた。


「じゃあ、先出てるな」


そう返事して、真っ先に脱衣所を後にする。


多分、俺も人のことが言えないくらいに顔は赤いと思う。


ドクドクと心臓がうるさい。


不覚にも、先ほど見た望月さんのバスタオル姿が頭によぎる。


そのくらいに、今の数分の出来事が脳裏に刻み込まれるように離れなくなっていた。

望月さん、抱き着くとか、無意識でそういうことをするのは程々にしてくれ…


そんな、賑やかな雰囲気に、今までの暗い気持ちは澄み渡るように晴れた気がした。


"作者からのお願いです"


おもしろかった、続きが読みたいと思われた方はブックマーク、評価をお願いします。


面白くないと思われた方も面倒でしょうが評価での意思表示をお願いします。

面白くないけど最後まで読んだから、星ふたつ

頑張ってるから、星みっつ

こんな感じで大丈夫です。


どんな形でも評価をくださるとうれしいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ