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これは、知っているのに知らない君と3年越しにまた恋をする涙の物語  作者: 雨夜かなめ
1章 僕の知らないキミ
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そこには、俺の知っている君がいた

あの後は、手を繋いだまま電車に乗っていた。


今日買った美容品の話を聞いたり、詩乃と遊んだ話みたいな、いつも通りの会話をして過ごした。


誰もいない電車に揺られながら、2人だけでゆっくり話せた。

こんなにゆっくり話したのは初めてかもしれない。


最初は、バスがなくて驚いたけど、電車での長旅も振り返ってみれば悪くなかったなと思う。


そして、河口湖駅に無事到着。


今は、望月さんを送るために帰路を歩いている所だ。


現在時刻は、10:30。

ふと右を見ると、富士山の山宿の光が、ぽつぽつと輝いていて美しい。


この光を見ると帰ってきたんだと実感が湧く。

やっぱり俺は、都会の光よりこっちの方が好きだ。


そして、望月さんの家の前に無事到着。


「今日は、ありがとうございました」


「こちらこそ、色々ありがとう」


そういって、今日買った物の入った紙袋を手渡す。


「じゃあ、また明日な」


「あ、ちょっとまって」


望月さんの家を後にしようと背中を向けると、突然呼び止められた。

なにやら、紙袋をゴソゴソしている。


「これ、湊音くんにあげます」


俺は、差し出された箱を手に取る。

なんだろう。


「開けてみていいか?」


望月さんが、首を縦に振る。


箱を開けると、富士山が中に入っているスノードームだった。

俺のいない間に購入していたらしい。


スノードームを振ると、星が舞うようにきらきらと光っている。

あたりは真っ暗だったから、蓄光式の星がすごく綺麗だ。


「これは、ささやかなお礼です」

「今日、本当に楽しかったです!」


「大切にする」


そう言って、箱を抱きしめる。


「じゃあ、私はこれで」

「送っていただきありがとうございました」


「うん。今度こそ、また明日学校で」


そう言って、望月さんに手を振って歩き出す。


富士山駅に帰るために、また電車に乗り込む。

望月さんのいない電車は、とても静かだ。


1人富士山を眺める。

この遠征は、本当に色々あったな。 


図書館は美しかった。

望月さんと一緒に見た、星空、都会の景色は綺麗だった。


一緒に買い物をして、バタバタしてたけど楽しかったな。

トラブルもたくさんあったけど、全部今では楽しい記憶だ。


このスノードーム。

これは、今日の楽しい思い出の詰まった象徴だ。


それに、望月さんのことをたくさん知れた。

仲良くもなれた。


心の中にとどめていた過去の話もできた。


なんだかんだ言って、遠征は良かったな。

今になってそう思う。


1人、今日の出来事を振り返りながら、なんだかんだで家に到着。


帰るや否や、ベッドに倒れ込むようにダイブ。

楽しくて感じていなかったが、帰ってきたら溜まっていた疲労がずっしりとのしかかってくる。


「風呂は明日の朝入ればいいか」


そう言って、目を瞑る。


~次の日~


「ふぁ〜」


大きなあくびをして、ベッドから身を起こす

昨日の疲れが溜まっていたせいかよく寝られた。


もちろん今日も学校だ。

学校はこちらの都合など気にせずにやってくる物だ。


タイマーがなっていないから少し早く起きてしまったみいだ。


スマホの電源をつけて時間を確認する。

ん?

しかし、いくら電源ボタンを押してもスマホは沈黙を貫いている。


そうだ。

電源が切れていて、そのまま寝たから充電をし忘れてしまった。


嫌な予感がしてリビングまで走る。

壁にかけられた時計を見ると、10時30分を指していた。


大遅刻だ。

疲れが思ったより溜まっていたのか、多く寝てしまったらしい。


風呂にも入っていなければ準備もしていない。

ここからどう頑張っても遅刻は遅刻だ。


よし、諦めよう。


俺は、潔く遅刻を認めてゆっくり風呂に入る。


と言いつつも、少しは急ぐ努力はする。 

体をささっと洗って、制服を着て家を出る。


仕方がない、朝ごはんは無しだ。


「ガチャガチャ」


急いでいても、戸締りはしっかり確認する。


踏みつぶしていたかかとを直して、しっかりと靴を履く。

快晴の太陽に照らせた、富士山に向かって走る。


いつもは、綺麗な富士山を眺めて学校への憂鬱感をなくしていたが、今日は流石に眺めている暇はない。


富士山駅から電車に乗り込む。


河口湖駅に着いたのは、11時30分。

いつもは、スクールバスが出ているが、遅刻した人にバスを出すほど学校は優しくない。


今日は、ここから学校まで走らなければならない。

1人マラソンはまだまだ続きそうだ。


「はぁ、はぁ」


膝に手を置いて息を整える。


無事に学校に着いた。

駅から学校までを15分ほど走りっぱなしで、息を切らす。


いつも通り、下駄箱で上靴を履いて、教室に向かうため廊下を歩く。

今は、授業中のため廊下には俺の足音だけが響いていた。


教室の前に着いたのはいいもの、授業中の教室に入るのは緊張する。


生徒は静かに勉強しているわけだから、急に扉を開けたら注目されるのは逃れられない。

それに、先生からも追及されてかなり気まずくなる。

これだから、遅刻は嫌なのだ。


遅刻したのは自分のせいであり、そんなことも言ってられない。

俺は、一度深呼吸をして心を落ち着かせる。


「よし!」


決心を決めて、前の教室のドアを開ける。


あれ、意外と注目されない…

みんな黒板の文字をノートに写すのに真剣なのか、誰も俺の方は見なかった。

先生ですら、俺のことは気にしていない様子だ。


「ガチャン」


そんな中、後ろの方で椅子の倒れる音がする。


「どうした、望月」


先生が、その生徒に話しかける。

望月さんだけは、とても驚いた顔で立ちあがりこちらを見ている。


放心状態という感じだった。


途中で入ってきたからって驚きすぎでは?

俺は、そう思っていた。


「え、湊音」

「湊音なの!?」


望月さんが、俺の名前を叫ぶ。

その迫力は俺と望月さんが初めて会った時、そう名前を叫んだ時のようだ…


俺の名前を下で呼ぶのは、叶翔と小雪くらいだ。


その呼び方、雰囲気、とても見覚えがあった。


「こ、小雪なのか…?」


いつも望月さんが座っている席。

そこには、昔突如姿を消した小雪がいた…


"俺の知っている君だった"


「僕の知らないキミと恋をする」1章完。

2章に続く

"作者からのお願いです"


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面白くないけど最後まで読んだから、星ふたつ

頑張ってるから、星みっつ

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