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これは、知っているのに知らない君と3年越しにまた恋をする涙の物語  作者: 雨夜かなめ
1章 僕の知らないキミ
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デート...

あの後は、アロマのお店に行ったり、アクセサリーを見るなど、とことん望月さんのショッピングに付き合った。


そして次が、最後の目的の店らしいが何やら、さっきからモジモジしている気がする。


「次はどこ行くの?」


「次は、3階なのですけど、私1人で行くので湊音くんはどこか別のお店を見ていてください」


今までは、手を引っ張られて早く行きましょう、て感じだったのに急によそよそしい。


「いや、ここまできたらとことん付き合うよ」


「ほ、本当に大丈夫ですから…」


何故か恥ずかしそうな望月さん。


「荷物を持つ人がいるだろ」

「ほら、3階だっけ?」


「も、もう〜」


そう言って、望月さんの手を引いて、エレベーターの3階ボタンを押す。


「ごめん。やっぱりそこで待ってる」


「だから言ったのに。湊音くんが強引に引っ張るから」


最後の目的の店が、女性の下着店なんて聞いてないぞ。


「買い物終わったら、そこで待っておくから」


そう言って、そそくさと店の前から逃げて近くの椅子に座る。


店の中では、カップルがイチャイチャしているが、流石にただの同級生の俺が望月さんの下着を一緒に買うなどできない。

というか、普通に恥ずかしいから無理だ。


そういえば、このショッピングモールはカップルが多い気がする。

お店も、どちらかと言うと女性向けな気がする。


そういえば同級生が2人で買い物って、なんかデートみたいじゃないか。


図書館は委員会活動の一貫だったが、これはまったく持って関係のないことで、普通に2人で出かけている訳だ。


普通に、買い物という目的で来たけど…

あれ、これデートじゃんか。


そんな事を考えていたら、いてもたってもいられなくなって椅子から立ち上がって、辺りををブラブラする。


これは、デートじゃない。

そう、買い物に付き合っているだけ。


いや、それが、デートなんよな〜


でも、こんな事意識しているのは多分俺だけだ。

望月さんは、普通に買い物しに来ただけだ。


急に態度を変えないように気をつけないと。

平然を保とう。


「君、1人?」


「お姉さんのお買い物付き合ってくれない?」


そんな、脳内の俺と喋っていると突然知らない女性2人に話しかけられる。

え?なに?


「えっと…俺は」


地元ではこんなことはなかったので、突然の出来事に放心してしまう。

都会コワイ。


「一緒にお買い物どう?」


「お姉さんが、僕に沢山買ってあげるよ」


僕って、俺一様高校生ですけど…

都会の女性からしたら、田舎の俺なんて子供扱いみたいだ。


「いや、俺望月さんといっしょに」


もう、女性に囲まれて逃げられない。


「湊音くん戻りまし…」


そんな時、望月さんの声が聞こえた。

買い物が終わったみたいだ。


望月さんが、俺の手を取って抱き寄せる。


「あの、私の弟なんですけど」


珍しく少し怒り気味だ。


「なんだ、お姉さんと来ていたんだ」


「残念」


2人組の女性は諦めた感じだ。


「そう言うことなので、失礼します」

「行きましょう。湊音く…、湊音」


早足で俺の手を強く握って引っ張る。

なんだったんだ本当。


あれから随分と歩いた気がする。


「望月さん、もう大丈夫だよ」


「あ、そうですね」

「それよりも、あのお姉さんは誰だったんですか?」


「いや、席に座っていたら急に話しかけられて…」


俺も、いきなりの出来事すぎてわからない。


「何かされていませんか?大丈夫ですか?」


心配性の望月さんは、俺の体をペタペタと触ってくる。


「なにもされてないから。大丈夫ありがとう」


「それならいいのですが」

「湊音くんは、その、かっこい…んですから気をつけてください」


「えっと、何か言った?」


後半の方消えそうな声で聞こえなかった。


「いえ、なにも」

「とにかく、気をつけてください。都会は怖いんですから」


「うん」


ボーっとしていたら男でも襲われる。

都会はこんなにも怖いのか。

男だからって油断していた。


「えっと、それより望月さん。手はもう握ってなくても大丈夫です…」


「ダメです」

「また、湊音くんが襲われたら大変なので今日はずっと握っています」


「あ、はい」


まあ、別にいいんだけどさ…


周りのカップルが視界に入る。

手を繋いで楽しく買い物をしている。


これじゃあ、本当にデートじゃないか。


買い物を終えた俺たちは、手を繋ぎながらショッピングモールを後にする。


「今日は、付き合ってくれてありがとうございました」


「いいんだよ。楽しめた?」


「はい!初めての都会、すっごく楽しかったです」


「よかった」

「もうやり残したことはない?」


まだ、やりたいことがあれば遠慮なく言ってほしい。

ここまで来たらとことんやろう。


「いえ、もう大満足です」

「本当楽しかった。ありがとうね湊音くん」


すごく幸せそうな顔な望月さん。


ああ、よかった楽しんでくれて。

そう心から思った。


何故だかこっちまで幸せな気分だ。


「じゃあ、帰ろうか」


買い物が楽しくてもう空は真っ暗だ。

田舎の星空と違って、都会の光が美しい。


「はい」


お馴染みのバスターミナルに向かう。


「望月さん、どのバス?」


バスターミナルについて、どのバスに乗るか聞く。

俺は、辻本先輩から帰りのバスについてなにも聞かされていない。

多分、望月さんがバスについて知らされていると思う。


「え?」


「え?」


2人して同じセリフを吐く。

嫌な予感がプンプンする。


「帰りのバスは、望月さんが知っているんじゃないの?」


「いえ、なにも聞かされてないですね」


辻本先輩、やりやがった。

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