柔らかい感触
昼時色々あり、ご飯を食べ終えた頃。
望月さんが、可愛らしい小さなあくびをしていた。
「眠くなった?」
眠そうだったのでそんな事を聞いてみる。
「はい。お腹がいっぱいになると眠くなりますね」
前日に長時間寝ても、昼時は必ず眠くなるものだ。
それに、飯の後なんてもってのほかだ。
周りの乗客は、みんな寝ている。
「寝ていてもいいよ」
「サービスエリアに着いたら起こしてあげるから」
「ありがとうございます」
「ちょっとだけ…眠ります、ね」
そう言って目をつむる望月さん。
相当眠かったのか、すぐに小さな寝息を立て始める。
それにしても、バスの揺れがなんだか心地よくて少し眠くなってくるな。
辻本先輩も寝ているから、ここで俺が寝ると起こす人がいなくなってしまう。
寝るわけにはいかない。
そうだ、何か眠くならないものを数えるとしよう。
数を数えるのは、頭を使うことだから眠くならない理論の続きだ。
前回は、数えるものが悪かったのだ。
今回は羊ではなく、食器洗いを数えるとしよう。
食器洗いは、勉強の次に嫌いなことだ。
嫌いのものを数えたら眠れなくなるだろう。
「食器洗いが1匹、2匹、3…」
あれ?今何匹目だっけ…
最後に数えたのは3匹目だったような
ん?
3匹目??
目を開ける。
「あ、起きましたか湊音くん」
望月さんが、優しい顔でこちらをみている。
「えっと、俺食器洗いを数えていたはず…」
3匹目からの記憶がない。
どのくらい寝ていたのだろうか。
「ふふ、何言っているのですか」
「私が起きた時には、すやすやと眠っていましたよ」
どうやら眠っていたらしい。
数える物の問題ではなかった。
やはり、数を数えるのは眠気対策にはならないようだ。
上を見るとなぜか、望月さんの胸と顔がある。
それに、ふかふかな枕のような感触だ。
枕の感触を確かめるため、顔を擦り付ける。
「ちょっと、顔をすりすりしないでください。くすぐったいですって」
脳が覚醒してきて状況がわかってきた。
今俺は、望月さんの太ももの上で寝ている。
いわゆる、膝枕である。
慌てて、頭を起こそうとする。
「いいのですよ。私が起こしてあげるから寝ていても大丈夫」
「誰も見てませんから」
そう言って望月さんは、俺の頭を優しく自分の太ももに誘導する。
その優しい手つきに、あらがう気力はもうなくなっていた。
確かに、昨日の夜はデートという手紙の文字が頭によぎって寝れなかった。
「よしよし。眠くなったら寝ちゃっていいですからね」
望月さんが、優しく頭をなでてくれる。
初めて会った時も、こんなことがあったな。
俺が落胆している時も、寄り添ってくれた。
望月さんの手は優しくてすごく安心する。
ふとももの心地の良い感触と頭をなでられて、意識が吸い込まれていくように落ちていく。
情けなくも望月さんに甘えてしまう。
自分は当分望月さんなしでは生きて行けそうにないかもしれない。
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