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これは、知っているのに知らない君と3年越しにまた恋をする涙の物語  作者: 雨夜かなめ
1章 僕の知らないキミ
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一人の女性

「おはよう、1年」


「おはようございます。辻本先輩」


駅に着くと辻本先輩が先に待っていた。

眠気を抑えて挨拶をする。

辻本先輩は朝から元気だな。

さすが、体育会系だ。


「望月さんは、まできてないですか?」


図書委員会ペアで集まる予定なのだが、望月さんはまだみたいだ。

いつも学校は早めにきていたので、先にいると思っていた。


「望月は、まだみたいだな!」


俺たちは、河口湖駅のバスターミナルに集まっている。

駅の電子時計は、朝7時を指していた。


こんな平日に、朝から駅に集まっているのには理由がある。

今日は、図書委員会の遠征の日なのだ。

俺たちのペアは、八王子にある美術大学の図書館見学に行くことになっている。

有名な図書館を見学して記事にまとめるのが、今回の俺たちのミッションだ。

辻本先輩は、1年生だけだとトラブルが起きるかもしれないということで付き添ってくれるとのことだ。


うちの学校の図書室はあまりにも人気がないため、本に興味を持ってもらうように記事を書くらしい。

毎年恒例の行事らしいのだが、結局今年も人は来ていないからあんまり意味がないとも思うが黙っておこう。


そんな事を考えていると望月さんが、駆け足でこちらに向かってくる。


「すみません。遅れましたー」


本人はこう言っているが、全然遅刻ではない。


今日は、学外での作業のため望月さんも私服だ。

初めて私服を見たが、いつも学校で見ている望月さんとは違う雰囲気だった。

今日の望月さんは、黒のワンピースに白のシアーシャツを羽織っていて、休日のお姉さんのような、優雅で大人びた服装だった。


「湊音くん、この服どうですか?」


腕を後ろに回して恥ずかしがりながらも、そんなことを聞いてくる。


「か、可愛いと思う」


今日の望月さんを一言で表す。

俺も、いつもと違う望月さんに見惚れてしまっていた。

口は、魚みたいに空きっぱなしだ。


「そんな直球に言われると、少し照れますね」

「でも、湊音くんのために選んだ服だからうれしいです…」


顔を赤らめて望月さんが言う。

俺のために選んできてくれた服…

あまりの愛おしさに望月さんを抱きしめたい衝動に駆られるが我慢する。

自分のために服を選んだ、と言われて喜ばない男はいないだろう。


「そんなにじっと見られると恥ずかしいよ…」


「ご、ごめん」


いかんいかん。

あまりにも可愛すぎてつい見てしまっていた。


恥ずかしがる望月さんも良いと思っている俺は変態なのだろうか。

今日の望月さんはそのくらいに、友達ではなく一人の女性なのだと意識してしまう。


「初々しくて良いな!」


辻本先輩が場をまとめるために気を遣ってくれる。

照れ合っている今の俺たちは、辻本先輩から見たら異様な光景だったと思う。


まあ、色々あったが今日のメンバーが揃ろった。

そんな時ちょうど八王子駅行きの高速バスが到着した。


みんなでバスに乗り込む。


「席は決まっているから、各自指定の席に座ってくれ」


辻本先輩は別の席で、俺と望月さんは隣同士の席だ。


「なんで、俺と望月さんが一緒の席なんですか」


辻本先輩に、小声で聞いてみる。

嫌なわけではない。

可愛い女の子と隣同士って恥ずかしいだろ。


「女の子を、知らない奴の隣にはできないだろ」


その通りだ。

そういえばバスターミナルで望月さんを見ているやからが沢山いた気がする。

望月さんみたいな可愛い女の子を、1人にはできない。

それに、今日の服は少し薄めの服だからなお危険だ。


2人並んで席に座る。


バスの席は思っていたより人と人の間隔が狭かった。

望月さんの肩が触れそうなくらい近い。

なるべく肩が触れないように、望月さんから頑張って離れる。


「湊音くん、なんか遠くないですか?」


離れていたことに気付いたのか、頬を膨らませてそんな事を言ってくる。


「離れないと肩が触れてしまいそうだから」


女の子は、繊細な生き物だから、気安く触れてはいけない。

これが俺の考えだ。


「えい!」


その時、望月さんが俺の肩に頭を乗せてくる。


「ちょ、望月さん!?」


「湊音くんなら別に気にしないです」


「わかった。もう離れないから」


「わかってくれたなら、良いのです」


そう言って顔を肩から離して、窓から景色を見る。

今日の、望月さんはやけに大胆だった。

遠征という名の旅行に、少し浮かれているみたいだ。


そんな事を考えていると、この前の手紙のデートという文字が頭に浮かんでくる。


これはデートなんかじゃない。遠征、遠征。

そう自分に言い聞かせる。


今日の望月さんの服が俺好みなのも、きっとたまたま。

積極的な気がするのも俺の気のせいだ。

間違っても勘違いはしてはいけない。


そんな自分の理性と1人戦う中、遠征は無事に幕を開けたのだった。


"作者からのお願いです"


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