授業中のラブレター
「ふあぁ〜」
俺は、大きめのあくびする。
数学の授業中だからだ。
数学は特に嫌いな教科だから、早く時間が過ぎてほしいところだ。
そう思い時計を見ると、授業開始からまだ20分ほどしか経っていなかった。
もう終わり頃かと思って寝るのをやめたが、思っていたより時間が経つのは遅かった。
時計に何か細工をして、授業時間を長くしているのではないかと疑ってしまう。
そんな数学の授業中、ふと隣の望月さんを見ると、何やら紙を見てモジモジしている。
何をしているのだろうか。
そう思っていると、望月さんは紙に何かを書いて詩乃に渡している。
そう、2人は学生の授業中の暇つぶしの1つ、手紙回しをしている。
短い昼休みに話し足りない女子がよくやっているのを見かける。
真面目な望月さんが手紙回しなんて珍しい。
余程面白い話をしているのだろう。
そんなことを考えていると、望月さんと目があう。
何やら、俺の机の下で手をひらひらさせている。
何かと思えば、手紙が俺に回ってきたのだ。
先生にバレないように手紙を受け取る。
早速、綺麗に折り畳まれた手紙を開く。
なになに、内容は…
「今度、図書委員会で遠征があるらしいですよ」
「ペアで有名な図書館に行って、記事を作るらしいです」
そんな、事務的な内容だった。
わざわざ、手紙で聞かなくとも後で言えばいいのに。
望月さんと詩乃のしていた会話の紙とは、別の紙に書かれていた。
気になっていたのに残念だ。
「なるべく行きたくはないから、うまく断る方法を考えないとな」
そう書いて、望月さんに手紙を渡す。
図書委員会は、遠征なんてものもあるのか。
めんどうくさいので行きたくない。
望月さんは、渡された手紙を見るなり何やら書き込んでいる。
「小雪ちゃん、ちょっと見せて」
手紙を折りたたんでいる望月さんに、詩乃がそんなことを言う。
詩乃は、手紙を開き何かをしている。
席の場所的に、ここからでは何をしているか見えない。
詩乃は手紙を畳んで、ニヤニヤしながらこちらに渡してくる。
「私と行くのはイヤですか?」
手紙を開けると、そんなことが書いてあった。
望月さんがこんなことを言うのは、珍しい。
「ごめん。そういうわけではないんだ」
「望月さんと一緒に行くのは、嫌ではないよ」
「というより、行きたい…かな」
手紙を閉じて、望月さんに渡す。
なんか、らしくもない事を書いた気がする。
面と向かって話している訳ではないから、本音で話せているのかもしれない。
望月さんは、その手紙を開く。
手紙の内容を読むなり、急に机に突っ伏して詩乃の背中をポスポスしている。
どうしたのだろう。
望月さんの行動を不思議がっていると、詩乃が一枚の手紙をポイっと投げてこちらに渡してくる。
先程とは違う紙のようだ。
開いて内容を確認する。
「今度、図書委員会の遠征があるのだけれど、湊音くんは、どんな服が好みかな?」
「なになに。小雪ちゃんはみなとっちに可愛いって思われたいんだ〜」
「う、うん」
「初めて一緒にお出かけするから、可愛いって思われたいな」
「じゃあ、胸がチラチラ見える服を着ると、みなとっちは絶対喜ぶぞ〜」
「詩乃、私は本気で悩んでいるの!」
「ごめんごめん」
「小雪ちゃんなら何を着ても可愛いと思うよ。」
「そ、そうかな?」
「可愛いって思ってくれたらいいな」
「大丈夫だよー。」
「それに、みなとっちなら、どんな小雪ちゃんでも可愛いって言ってくれると思うよ」
「初デート頑張れ!」
「デ、デートじゃなくて遠征だよ!」
そんな、女子会みたいな内容だった。
俺は、赤い顔を隠すため机に突っ伏す。
おそらくこれはさっき、2人が回していた手紙だろう。
さっきから、心臓の鼓動がうるさい。
望月さんに聞こえないように、深呼吸をして心を落ち着ける。
「という事なんだけど、みなとっちはどんな服がタイプ?」
よく見ると手紙の左下には、詩乃の字でそんなことが書かれていた。
本当この女の子には、逆らえない。
望月さんには、この手紙を見た事を隠しておこう。
"作者からのお願いです"
おもしろかった、続きが読みたいと思われた方はブックマーク、評価をお願いします。
面白くないと思われた方も面倒でしょうが評価での意思表示をお願いします。
面白くないけど最後まで読んだから、星ふたつ
頑張ってるから、星みっつ
こんな感じで大丈夫です。
どんな形でも評価をくださるとうれしいです。




