勇気の告白
図書室に到着とすると、委員会メンバーらしき人たちが既に集まっていた。
俺達は、先生にこき使われていて到着したのは遅い方だった。
「1年全員きたな」
「それでは、図書委員会の活動を始める!」
2年生らしき人が図書委員会を仕切る。
「俺は、2年の辻本だ」
「この図書委員会の委員長をやっている。よろしく1年!」
図書委員会をまとめあげるのは、辻本先輩という方らしい。
図書委員会の委員長というと、物静かで落ち着いたイメージを想像しいたが、辻本先輩はどちらかというとスポーツマンのような熱血タイプだった。
委員会は、1年毎に変わる制度なので、辻本先輩は図書委員会2年目ということになる。
相当、この仕事に誇りがある感じらしい。
素直に尊敬できる。
「図書委員会の活動は、主に放課後がメインだ」
「本の貸し出し、管理を、クラスごとの2人1組で行ってもらう」
図書委員会の人数が2人だったのは、ペアを事前に決めておくためだった。
「1年の仕事は、受付が中心だ。本の管理は大変だから俺たち2年が行う予定だ」
俺たちの仕事は受付らしい。
座っているだけだから助かる。
「1年は当番制だが、こちらで決めてっても良いか」
そう問いかけられるが、誰も異論がないのか反応はない。
もちろん俺も特に異論はない。
それに、ここで発言して目立つと何かと面倒くさくなることは知っている。
「では、今日はそこの君たちに担当してもらう」
「とてもやる気に満ち溢れていて良いな!」
そう指名されたのは俺と望月さんペアだった。
真面目な望月さんは委員長の話をとても真剣に聞いていた。
望月さんの良いところが逆にあだとなってしまった。
「今後の当番は後ほど連絡する。今日は解散」
「おつかさまでーす」
そんな気の抜けた挨拶をして俺たち以外の図書委員は図書室を後にする。
もちろん、俺たちは当番なので帰れない。
初日から、俺達とは、なんて運が悪いんだ。
「君たちにはいきなりだが、早速受付の仕事をやってもらう」
辻本先輩はそんなことを突然言う。
「い、今からですか?」
あまりにも急なので、思わずそう聞いてします。
図書室のことも、やり方も何もわからないのに、いきなり受付なんて大丈夫なのだろうか。
「そうだ。この学校の図書室は誰も来ないから心配しなくて大丈夫だ」
辻本先輩がそんなことを開き直って言う。
確かに、周りを見回すと俺たち以外には誰もいなかった。
図書委員が全員帰った図書室は物音すらない静寂に包まれていた。
「とりあえず、一通りの仕事内容について説明する」
俺たちは、辻本先輩の熱い指導を受ける。
まず、俺たち1年は一週間の決まった曜日に放課後受付をする。
帰りのホームルームが終わって、1時間は受付にいなければいけない。
人が来ない時は1時間したら帰っても良いらしい。
先輩が1年の時は、いつも人が来なかったから、1時間で帰っていたらしい。
担当の日に行けない時は、誰でも良いので代わりの人に受付を担当してもらわなければならない。
受付のやり方はある程度教わったが、とても簡単なものなので誰でもできそうな感じだった。
教わった内容はこんな感じだ。
図書委員会は、想像していたものより楽そうで良かった。
「こんな感じだ。今日も人は来ないと思うがよろしく頼んだぞ」
「わかりました。やってみます」
「俺は、バスケ部の練習があるから顔は出せないが、何かあったら呼んでくれ」
辻本先輩はそう言って、連絡先のQRコードの画面を表示する。
俺と望月さんは、QRコードを読み込んで連絡先を登録する。
やはり、辻本先輩はスポーツマンだった。
運動系と文化系どちらも両立していてすごいなこの先輩。
「では、頼んだぞー」
そう言って、辻本先輩は図書室を走って後にする。
図書室は俺と、望月さんの2人っきりになった。
「とりあえず、座ろっか」
特に話すこともないのでとりあえず、そう提案する
「そ、そうですね。座りましょっか」
そう言って、2人で受付の席に座る。
なぜかわからないが、さっきから望月さんがモジモジしている気がする。
トイレに行きたいのだろうか?
トレイなら図書室を出てすぐ左だが、高校生の乙女にトイレの話などできない。
暇なので図書室の窓から見える富士山を眺める。
「あの!矢野くん」
富士山を何も考えず眺めていると、突然望月さんが俺の名前を呼ぶ。
「ん?どうした、望月さん」
とりあえず、要件を聞く。
「えっと...その」
何か言いたいそうだか、なぜかためらっている。
何か、言いにくい事なのだろうか。
悲しいことに人生で、あまり女の子と関わって来なかったから、俺が不躾なことをしたのかもしれない。
一様、望月さんに対して失礼なことをしてないか、今までの自分の言動を振り返る。
2人して、ぐるぐると考え事をしたりしていると、望月さんが重い口を開く。
「連絡先交換したいです」
あ、そんなことか。
望月さんが言いたかったことは案外普通のことだった。
ためらっていたから、てっきり重い話かと思った。
確かに、図書委員会のペアとして連絡先は交換しておいた方が良いよな。
「うん。良いよ」
そう言って、自分の連絡先のQRコードを表示した画面を開く。
「ありがとうございます」
連絡先を交換しただけなのに、望月さんはやけに嬉しそうだった。
少しすると俺のスマホの通知音がなる。
早速、望月さんからメールが来た。
トーク画面を開くと可愛らしいペンギンのキャラクタースタンプが送られていた。
望月さんの方を見ると、ニコッと笑っている。
俺も、何か送っておこう。
最近、人気の筋肉系芸能人のスタンプを1つ送る。
望月さんは、それに気づいたかのスマホを開く。
予想外のスタンプで面白かったのか笑いを我慢している。
「ふふ、矢野くんらしいですね」
その後も、無言でひたすらスタンプを送っては、 笑ってを繰り返して遊んでいた。
そんな、2人っきりの図書室には、スマホの通知音だけが鳴り響いていた。
図書委員会も悪くないなと思った。
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