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君とすごした夏休み  作者: 納豆
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夏休み

はじめまして。納豆と申します。小説を書くのは初めてで、読みにくい部分もありますが、楽しんでいただけると嬉しいです。

 夏。耳障りな蝉の声を聴きながら私は歩いていた。馬鹿みたいに多い宿題と、外面でしか判断されない成績表を持ちながら。

 先生のコメントは一年生の頃から変わらず、「周りの友だちを支えてくれるやさいし子」というふうに見えているらしい。そんなんだからクラスで行われている陰湿なイジメに気づけないのだ。まぁ、見て見ぬ振りをしている私も変わらないけど。なんて悶々としながら、私の通う中学校は夏休みに入った。

 

 しかし、暑い。毎年更新する気温、ジメジメとした湿気。太陽の暑さを肌で感じながら、重い荷物をしょって私は歩いていた。先生が「荷物は計画的に持ち帰りましょう。最終日に持ち帰ると大変ですよ。」なんて言っていたのに、毎年ギリギリになるまで持ち帰らず、終業式が終わったあとはいつも地獄を見る羽目になるのだ。毎年のことなのに何故学ばないのかしら。いい加減にして欲しいわ。なんて、過去の自分に悪態をつきながら、あと少しで我が家に着くことを喜んだ。家に着いたらお風呂に入ろうかしら、それともアイスを食べようか。そんなことを考えながら玄関をあけ、中にいるであろう母親に声をかけた。


「お母さんただいまー。外暑すぎて溶けるかと思った。」

「おかえり。汗すごいじゃない。シャワー浴びてスッキリしてきたら?」

「うん。そうしようかな。」

 

 そう返事をして、持っていた荷物を自分の部屋に置くため、二階へ続く階段を上る。部屋に入った途端に感じるムワリとした空気。それが私のからだにまとわりつき、火照った体をさらに熱くさせる。荷物を置いて、タンスから下着と着替えを持ち、お風呂場へ行く。シャワーを浴び、からだがスッキリとしたことで、暑さのせいでぼやけていた思考も徐々に戻ってきたように感じる。髪を乾かさないといけないが、せっかく汗を流したのにドライヤーをすることでまた汗をかいてしまう。今日くらい自然乾燥でも、なんて考えても結局乾かすのだ。髪が痛むのは嫌だからね。

 

 シャワーを浴びて火照ったからだをクーラーの効いた部屋が出迎えてくれる。冷蔵庫へ行き、母親が買ったであろうアイスを開け、大して面白くもないテレビを見ながら食べ始める。今年の夏休みは誰と遊ぼうかな。浴衣を着て友だちと夏祭りに行きたいし、花火もしたい。海にも行きたいし、スイカも食べたい。来年、私も友だちも受験生で勉強をしないといけないから、今のうちにやりたいことをしておかないとね、と学校で話していた。

 アイス食べたら何しようかな。今日はもう外に出る気は起きないし、ゲームでもしようか。いや、宿題を早く終わらせて夏休み後半は遊び集中できるようにしようかな。ワクワクしながら夏休みの計画を立てていると、夕飯の準備をしていた母に呼ばれた。

 

「そうだ。響。今年の夏休み、おばあちゃん家に行くことになったの覚えてる?明後日に行く予定だから、準備しておきなさいよ。」

「……えっ。そうだっけ。全然覚えてなかった。」

「前に伝えたじゃない。アイス食べたら準備しなさいね。」

「はーい。」


 おばあちゃんの家は船で行かないといけない。ここよりも田舎で、遊べるところがないため、あまり楽しくない。

 しかし、前々から決まっていたことなので、私が今更何を言っても無駄だ。この家に残ったところで、私は何も出来ないし。

 そんなことを思いながら、リュックに荷物を詰めていく。宿題も忘れずに入れておかないと。わかっていたが多い。明日は一日宿題デーにしよう。嫌だなぁなんて思いながら準備を進めていった。

 




 私は今、船に乗っている。何故って?おばあちゃんの家に行くためである。潮風を浴びながら海の匂いを肺いっぱいに吸い込み、これからどう過ごそうかと考える。

 これまで考えていたプランは全部パァだ。知り合いも友だちもいない土地に一ヶ月もいなければならない、なんて。そんなことを考えていても船は止まらないし、島は近づいてくる。どこまでも青い空を自由に飛んでいる鳥に敵意を抱き睨みつけていると、苦笑いを浮かべた父が来た。私は不機嫌そうな顔を取り繕うことなく父に向けた。


「何?」

「そんなムスッとした顔して。せっかくの可愛い顔が台無しだぞ。響は母さんに似て可愛いんだから、お父さんに笑顔を見せて欲しいなー。……なんて。」

「…」

「響?」

「…………別に、おばあちゃんに会いたくないわけじゃないのよ。忘れてた私も悪いし…。でも、来年は受験もあるし勉強とかであまり遊べないかもしれないから、って思っただけ。」 


 口をとがらせ拗ねたようにつぶやく。おばあちゃんは大好きだ。それと同じくらい、私は友だちのことも大好きで、大切なのだ。

 

 自分の思いを父に伝え、視線から逃げるように海を眺めた。


「…そうだよね。ごめんね。」

 

 父はそう言うと私の頭に手を置き撫ではじめた。謝って欲しい訳では無いのだが、なんで今年なのだろうか。モヤモヤとした気持ちが広がっていく。それを振り払うように私はまた海を眺めるのだ。

 

 そんな会話をしているとアナウンスが入った。どうやら島に着いたようだ。船内は降りる人で溢れ帰っていた。人が一箇所に集まっていることで熱気がすごい。香水と汗のニオイが入り交じり、なんとも言えない香りが私の鼻腔をくすぐっていた。

拙い文章、内容を読んで下さりありがとうございます。夏休みに入り、子どもたちの元気な声が聞こえたことから思いつきました。元気だなぁと思いながら水分補給もしっかりねというお節介おばさんを心に宿らせながら書いていました。

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