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第62話 3つの意思

回想編クライマックスに入ります。

「また、あのクズの名前が出てきよったな。」

 カットレイが、難しい顔で傀儡となっているサイリスを見る。


「ここまで来ると、悍ましいくらいやな。クズやけど。」

 ミッツも半分呆れながら、苦笑いをする。


「さて…。こいつらが俺たちを殺し終えたとして、その後どうする予定だったか聞いてみるか。」


 丈二は、少し気になっていたことを聞こうと思った。

 この日、遠くの地から、密命を帯びてこの地に来た彼ら。

 その後はどうするつもりであったのだろう。


 ジアス・ピオンが本当に依頼をした主であったとしても、十中八九、裏で糸を引いているのは、領主の息子ラスルトだ。


 あの暗く死んだ目をする男が、自分を貶める危険を持つであろう、東の帝国で暗躍する組織の奴らを外っておくはずはない。

 彼らが帝国に戻れないよう手は尽くすし、逃がさない何かを用意しているのであろう。


『一行を根絶やしにする。』

 彼らのその目的を聞いた時から、丈二は、ラスルトがどんな手を使ってでも、自分達を潰しに来るであろうと思っていた。


 ◇


「では、お前たちは、この暗殺が成功をした後には、組織を抜けて…いや。東のスパイとしてこの地に残りひっそりと生活をするつもりだったでいいか?」


「あ…あぁ。そう…約束をして貰ってい…る。」


「誰にだろう?」

 

「依頼者…の、ジアス…ピオンと…貴族…のラスルト。」


 ここでラスルトの名前が出るのは想定内か。

 いや、ラスルトが東の国の組織に対して自分の存在を出すことはない…か。


「…組織は、そのことを知らない?」


「あぁ…この国に来てから…密会を…した。これで…俺たちは…真っ当に生き…れるはず…だった。」


「なるほど…な。では、最後の質問な。もうひとりの仲間について知っていることを話してくれ。」


「あいつ…は、組織の人間で…はない。今日出発の…ときに会っ…た暗殺者…だと思…う。あいつ…が使っているの…は、気配隠ぺい…ではなく…気配偽…造のスキル。それ以外は…知らない。」


 ここまでだな。サイリスの目が白めに成りかけているし、鼻血も出てきた。


 しかし、気配偽装か。

 偶然なのであろうか、俺達の推理では、鉱山での黒蜘蛛は気配偽装が施されていたと確信を持っている。ここに来てそのスキル持ちとは。


 それに…手練れであっただけに、俺の気配感知やマーキングに気が付いていたら、見つけれるのであろうか。奴はここで捕まっている2人とは、強さや怖さが違うように感じるし…。


 脳内会議の面々にその懸念を伝え併せて、結界を使っていなければ、サイリスに自白を迫ったことは、筒抜けだったのかもしれないなと思う。

 最も八木だけは、自分ならばと伏線を考えてはいたのであるが…。


 その後、もう一人の捕らえた追跡者…ヒソカという女性にも尋問をしたが、サイリス程の情報を引き出すことは出来なかった。


 ◇


 調べれることと、聞けること、ここで出来そうなことは一通り終わったかな?と一同は思うも、エルビスの状態が宜しくない。


 結界を解除して外に出る必要があるのだが、それをする権限を持っているエルビスがこの状態である。実は、そこまで問題とならなかった。


 その代役というか、もう一人権限を持つものが居合わせているからだ。

 神官長ソウザがその人であった。


 

 ソウザは、自分がその役割を果たすつもりで、当然ここに来ていた訳ではなく、どちらかと言えば、この森奥にある封印されたダンジョンの監視に来た側面が強った為、少し不安を感じていた。


 と、いうのも。この宝珠による封印を行った場合、一定の期間は他の封印にマナを使うことが出来ない。

 封印そのものは、一度開放して直ぐに封印してしまえば効果は得れる。ただ、この封印は長い間効果が続くタイプのもので、安定させるまでの時間が多少かかるのだ。

 

「また、あのクズの名前が出てきよったな。」

 カットレイが、難しい顔で傀儡となっているサイリスを見る。


「ここまで来ると、悍ましいくらいやな。クズやけど。」

 ミッツも半分呆れながら、苦笑いをする。


「さて……。こいつらが俺たちを殺し終えたとして、その後どうする予定だったか聞いてみるか。」


 それは、丈二は、少し気になっていたこと。

 この日、遠くの彼の地から、密命を帯びてこの地に来た彼ら。

 その後は、どうするつもりであったのだろう。


 ジアス・ピオンが本当に依頼をした主であったとしても、十中八九、裏で糸を引いているのは、領主の息子ラスルトだ。


 あの暗く死んだ目をする男が、自分を「貶める危険」を持つであろう、東の帝国で暗躍する組織の奴らを外っておくはずはない。

 彼らが、帝国に戻れないよう手を尽くしていると思うし、逃がさない何かを用意しているのであろう。


『一行を根絶やしにする。』

 彼らのその目的を聞いた時から、丈二は、ラスルトがどんな手を使ってでも、自分達を潰しに来るであろうと確信しており、彼らもまた……。


 ◇


「では、お前たちは、この暗殺が成功をした後には、組織を抜けて……いや。東のスパイとしてこの地に残り、ひっそりと生活をするつもりだった……でいいか?」


「あ…あぁ。そう…約束をして貰ってい…る。」


「誰にだろう?」

 

「依頼者…の、ジアス…ピオンと…貴族…のラスルト。」


 ここで、ラスルトの名前が出るのは想定内か。

 いや、ラスルトが東の国の組織に対して、自分の存在を出すことはない……か。


「……君の組織は、そのことを知らない?」


「あぁ…この国に来てから…密会を…した。これで…俺たちは…真っ当に生き…れるはず…だった。」


「なるほど……な。では、最後の質問な。「もうひとりの仲間」について、知っていることを話してくれ。」


「あいつ…は、組織の人間で…はない。今日出発の…ときに会っ…た暗殺者…だと思…う。あいつ…が使っているの…は、気配隠ぺい…ではなく…気配偽…造のスキル。それ以外は…知らない。」


 ここまでだな。サイリスの目が白目に成りかけているし、鼻血も出てきた。


 しかし、『気配偽装』か。

 偶然なのであろうか……。銅鉱山事件での俺達の推理では、問題の黒蜘蛛は気配偽装が施されていたのだと確信を持っている。


 ……ここに来てそのスキル持ちとは。


 それに……「もうひとり」の追撃者は手練れであった。

 もし、俺の気配感知やマーキングに、奴が気付いていたら、俺は奴を、見つけれるのであろうか。

 奴は、ここで捕まっている2人とは、強さや『怖さ』が違うように感じる……。


 脳内会議の面々に、その懸念を伝える。

 併せて、結界を使っていなければ、サイリスを自白にまで追い込んだことは、奴の何らかのスキルにより、筒抜けだったのかもしれないことを加える。

 

 その後、もう一人の捕らえた追跡者……ヒソカという女性にも尋問をしたが、サイリス以上の情報を引き出すことは叶わなかった。


 ◇


 この尋問により、ここで調べれること、聞けることは、一通り終わったかな? と、一同は思う。それに、エルビスの状態が芳しくないのもある。


 結界をすぐさま解除して、外に出て帰還の途につく必要があるのだが、それをする権限を持っているエルビスがこの状態である。

 しかしながら、それは、そこまでの問題とならなかった。


 その代役というか、もう一人権限を持つものが、この場に居合わせているからだ。

 神官長ソウザがその人であった。


 

 当然、ソウザは、その役割を果たすつもりでここに来ていた訳ではなく、どちらかと言えば、この森の奥にある『封印されたダンジョン』の監視に来た側面が強った為、自分が結界の操作を行うこの状況に、一抹の不安を感じていた。


 と、いうのも。この『宝珠による封印』を行った場合、一定の期間は「他の封印」にマナを注ぐことが出来なくなる。


 この封印そのものは、一度解除してから、直ちに封印をしてしまえば、小屋への結界効果は、直ぐにでも表れる。

 ただ、それを安定させるためには、この封印が『長い間、効果が続くタイプ』のものであることから、多少の時間が掛かるのだ。

 

 だが、エルビスがこうなってしまっては、自分が行う他ない。

 また、神殿随一の光魔法を操るマリダが、今は傍らに居ることが、彼の不安を和らげ、それを忘れさせた。


 ◇


「本日の調査はここまでにしよう。日が暮れるまでには、ベースに戻っておきたい。神官長お願いできますか。」


 組合長からの指示で、彼は宝珠にマナを込め、宝珠は徐々に輝きだす。

 その輝きがルーン文字のようなワードが変わり回りだす。


 それらが、青から赤に変色し、再び宝珠に吸い込まれると、先程エルビスが展開した結界が、全て解除されていく――。


 ◇


 ……そのタイミングに、意識を集中させていた「3つ」の意識。


 それぞれの「思惑」、「願望」、「願い」を込めて、結界の解除が成される刹那、それらは、一斉に動き出す。 

 そのどれもが、誰にも悟られず、独立して遂行された。

 同時に動き出したもの同士でさえ、気が付くこともなく。


 そして、それは……悲しみとなり、救いとなり、怒りを生み出す。



よろしければ、BM・評価★など宜しくお願いします(/・ω・)/

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