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章エピローグ BARとJAZZとワッフルと②

これにてこの章は〆でございます。読んでいただき有難うございましたm(_)m

次回からは閑話を3話挟み新章に入ります。

(カットレイの奴、本当にワッフルの美味さだけで採用しやがったのか!あの「歪」持ちをチームに入れることは、俺にとって確定事項だっただけに…。クソッ彼女をチームに段々と慣れさせていくという俺のプランが台無しじゃないか…。)


 丈二は心の中で愚痴りながらも、冒険者としての若月を見ているのは、自分だけだよなと、説明を始める。


「わりぃな皆。色々とあって、若月ちゃんにツブの世話係を依頼した結果、俺も良く分からんのだが…何故か若月ちゃんが入団することになっていた。これはもう、カットレイなのだから仕方がないと諦めよう。」


 皆のため息混じりの同意を受け、続けて若月の冒険者としての説明に入る。


「この子は昨日冒険者になったばかりの職業は…剣士の珍種?で、レベルは4だ。」

「珍種…。否定できないのが悲しいです。」

 若月が、う~と頭を抱える。


「で、正直めちゃくちゃ強い。剣の腕前は相当だぞ。でも歪なんだ!。にも拘らず彼女の作るワッフルというお菓子は非常に美味い。」

「わからんわ!!」


「まぁ聞けよ。客がいる中なので少し濁すが、そんな彼女は出身が俺と同じで、暗殺者みたいなことをしていた。」

 丈二は交渉術をONにして話す。


 一同の目もそのひと言で鋭くなり、真剣に話を聞き出す。


「そして…残念なことに、我がチームの珍獣猫の下僕になってしまった、可哀そうな子なんだ。」

「はぁ?最後の全然訳分らんで?」


 丈二は、今日の出来事について、慎重に言葉を選びながら黒猫契約から餌やりまでの一部始終を説明し「…ってな感じで、俺もこの子をチームに入れたいと思っている。」と、付け加えて話を終える。


 丈二の話を最後まで聞き、カットレイが鼻血を出しながら興奮しながら小声で若月を見て言う。


「お…おもろいやんけ君!強くて、感情なくて、仲間殺すかもで、ワッフルで、黒猫の下僕で、迷い人で、ワッフルなんやな!ほんま何や君は!冒険者プラス一芸の入団基準に合致しまくりやないか!」


 その他のメンバーも、カットレイのワッフルを2回言ったことに突っ込むこともせずに、

「やばいわぁ。俺サブイボ出たでぇ。入れよ入れよ。」

「あぁん。冷酷な剣士で美少女たまらないわぁ~。」

「ツブ猫の下僕ってあんた。何やねんそれ。人生終わってておもろいわぁ。」 

 …etc 

 と大盛り上がりしている。



 思い出して欲しい。

 リリアが若月へギルドを4つ紹介したときのことを。


 〔紹介したギルドは4つで、2つは新人が最近設立したギルド、1つはこの街で4番目に大きなギルド、最後の1つは少し()()()()()()()()()()()()であったが…〕


 そうである。

 正にこのギルドの面々は、若月や丈二と同じで、全員性根から「歪」な、「ちょっと変わったギルド」なのである。


 メンバーの若月に対する評価ポイントは様々であったが、彼女のチーム参加は満場一致で(本人の意思も確認されないまま)認められたのだったが、当の本人は…。


「ふぇええええええええ」

 と、歪だとか、下僕だとか、暗殺者だとか散々な評価を受け涙目になっていた。


 ※ ※ ※ ※


「いや~ワシの目に狂いはなかったでぇ?逸材や!逸材!」


 と、カットレイはご満悦であったが、次の議題に入り声のトーンが落ちる。

「次の議題は、にいちゃんから説明したってや。」


「わかった。ただその前に、若月ちゃんはサニーさんと一緒に「ワッフル」を作ってくれないか?皆に食わせたい。それに、今からは明日の狩りの日の話になるからね。」

 真剣な眼差しで丈二は若月に言う。


「あ。そうですね。ここ1週間はツブちゃんのお世話の依頼を受けていますものね。」

 丈二の言ったことを理解した若月は了解する。


「そそ。うちからの依頼だから、ギルド参加もその後にした方がいいからね。ゆっくりワッフルを作りながら、こっちの話はサニーさんにに教えてもらって。」


「はい。わかりました。サニーさんお手伝いお願いしますか?」

 ハスキーになっているサニーは頭を若月に擦り付けて了解を告げる。


 やっぱり、この子は歪で抜けているところはあるけれど、鋭いところは鋭いなと丈二とカットレイは目を細める。


 そして、さてと…と、丈二が改めて話し出す。


「先ほど組合にも報告をしてきたが、若月ちゃんのクエストに同行した時に、彼女に発動したツブ猫の危険感知が「北のあの森」で危険を察知していた。」


「あくまでも、察知しただけにょ。「あれ」とは限らないにょ。」

 丸くなっていた黒猫が丈二の膝の上にぴょんと飛び乗り言う。


「でも。可能性はありそうよね。」


「あぁ。だから。明日の狩の日は、あの森の調査にしたいと思う。組合からも調査依頼が出るように話は通してある。明日の素材に期待していた奴には申し訳ないのだが…。」


「ええか。若しものことを考えるとワシ等の居場所を守ることが第一優先や。意義は認めへんで?「あれ」が絡むんなら意義なんて誰も無いとは思うけどな。よし!今日の話し合いは以上や。」


 カットレイの〆の一言で会合は終わり、各々は好きな酒を楽しみ出す。

 そんな中、ワッフルを焼き終えた若月が、カットレイに近寄って来て、申し訳なさそうに言う。


「すみません。私の紹介をして貰ったのはありがたいのですが、私にも皆さんを紹介してもらえませんか?お酒を運ぶように頼まれたのですが、誰が誰やらで…。」


 その一言を聞いて、全員が「あっ」と顔を見合わせ大笑いをする。

 そして、ひとりひとりが、新しくメンバーに加わった可愛い『歪な猫姫』に自己紹介を始める。


 ※ ※ ※ ※


 会合の後。ここからは、店を完全貸切にしての宴。新しい仲間を祝う宴。

 トリオの奏でるも音楽自由になり、JAZZからワルツに代わり最後はルンバとなる。


 この日、丈二の店の名称は「BARみたらし団子」から「BARわっふる」に代わり、ギルド名は「チームみたらし団子」で正式登録することが決まる。そして、ギルド内に、若月とつぶ猫の「黒猫姫組」が誕生する。


 『歪な猫姫』と称される「少し壊れた女の子」若月が新しい仲間を得た、門出の夜の出来事。

読者様

ここまでは、本編と時系列的にズレらしていた若月のお話を[若月編]としておりましたが、この章で時系列が合流したとして、次章からは若月のお話も本編として扱っていく予定です。

よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今書いてるレビューの前に書いた、主人公同士の繋がりとバーがここで絡むんだ∩^ω^∩と最後まで思って読んでました。 [一言] 本編じゃない章?面白かったです! 次も楽しみにしてします。
[一言] 情景が浮かんでいい話っすー 何故バーボンって思ってたけどにゃるー
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