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第26話 銅鉱山の戦い⑥ 八木

鉱山での戦い決着です。本日の投稿もここまでです。

読んでいただきありがとうございます。


よろしければ、ブックマーク登録・レビュー・評価(広告の下にある☆☆☆☆☆→★★★★★)をお願いします(/・ω・)/

『じょっちゃん大丈夫か?やっと声が届いた。いいか。まだ全然何とかなるからな。』っす』


 …っす。の語尾が不安で仕方ねぇ。

 だが。


『八木か?どうして?何とかなるってどういう…。』


『細かい話はこの気持ち悪いの倒してからにしようぜ。状況は見えていたから分かってる。ただ、声が届かなくてな。でだ、お前はコモンバットの牙と羽を持ってたよな?それに雑薬草も沢山。』


 いや待て!何でそんなことを知ってるんだ?と思いながらも

『ある。それらなら確かにある。』


『いいか?お前の職業は、生産職の多くを扱える。で、これを読もう。』

 え?え?目の前に解毒薬の指南と書かれた本の1ページが浮かぶ。


 何これ。こちらの情報を辞典で八木が調べて表示しているのか?


『何も考えず、これを読め。理解しろ。解毒薬の作り方を。』

『わ…わかった。』


 そのページを読む。

 コモンバットの牙と羽に魔力を流し粉状に、その粉に雑薬草の汁を垂らし、水魔法で生成した蒸留水を入れ馴染ましたら再び魔力を込める…うんたらかんたら。


『作り方はわかったけど、すり鉢…理科で使う乳鉢だっけか?あんなんないぞ?』

 薬イコール乳鉢でゴリゴリって固定観念から丈二は首をかしげる。


『んもお!何時からそんなに頭カチカチカッチンになったんすか?そんなもん箱庭で似たようなもの作ってたじゃないっすか?半日で頭ぱっぱらぱ~っすかぁ?』


 …吐き気がした。

 恐らく体力がごっそり減ったのだろう。


《ご主人様ああああ。あくあひーーる。ひーーる。》

 サニーが必至で回復魔法を唱えている。


『な…何で?何で堕女神があああ。』


『そんなのは今どーでもいいじゃないっすか。てか分からないんすか?箱庭で作ってた物っすよ。』


『あ。カンペンカントリーカップか。』

『コレクトっす。』


『いいか。じょっちゃん。既にじょっちゃんは作れるんだよ。解毒薬が。今は疑わずチャレンジしてみてくれ。俺を信じろ。』


 俺を信じろ…か。

 こいつの言葉は俺を信じさせてくれる。


 頭に「あれ」の声が届くのがどうにも気になるが、今は八木の言うとおりにしよう。『すべてを知ろうとするほど私は若くはない』ではなく私には余裕がないだな。


「カットレイ。後1分持たせてくれ。解毒薬の生成を試みる。」


 そういうと、鞄からカンペンカントリーカップを取り出し、コモンバットの牙と羽に魔力を込める。魔力が減り粉上になったものがカンペンに盛られる。

 そこに雑薬草を握りつぶし汁を垂らす。


《サニーさん。水魔法でここに…一杯まで蒸留水を入れてください。》

《わ…わかりました。》


 カンペンに水を入れてもらい、魔力を込め解毒剤の生成を念じる。

 魔力がごっそり持ってかれる――。

 が、カンペンには2粒の丸薬が完成していた。


 時間がない。早速その丸薬を飲むと猛毒は解毒され体力の低下がなくなる。


 直ぐ様っ―。

 丈二は棍を持ち、黒蜘蛛の切られた側の腹部を刺突する。

 そのまま棍を蹴り上げ、蜘蛛を宙に浮かす。


「サニーさん今です。咬みつきと水銀毒で止めを!」


「がうううううぅう!」

 サニーが黒蜘蛛に咬みつき水銀毒をお見舞いする。


「カットレイ!!これを飲め。」

 恐らく毒を食らっている彼女に丸薬を飲ます。


「た…助かったでぇ…。」

 満身創痍の彼女はその場にうずくまる。限界だったようだ。


『じょっちゃん。ドラ耳ガールとイチャ中すまんが、蜘蛛死んでないぞー。止め差しとこっか。』

 冷静な声で八木が言う。


「了解~っと。」

 弱点である胴と尻の継ぎ目に棍先を刺す。


 コアに刺さったのだろう、サクッっとした感覚を感じると同時に黒蜘蛛の目の生気がなくなった。



 …終わった。

 何とか生きて帰れそうだ。



 ※ ※ ※ ※


 15分程度は休んだか。

 サニーに包まれるように、2人と1匹は肩を寄せ合う。正直限界であった。

 八木もそれがわかったのであろう。異変があったら伝えるから休めと言ってくれた。


『休んでるところ悪ぃけど、応援が駆け付けそうだぞ~。あと、俺なら面倒だからそこのゴミをもう一回死なしとくけど。』

『…ん。あり。ちょっと楽になったわ。』


「おい。応援が来そうだぞ。」

「…ん。何や~応援って。遅いねん。まぁ素材の運搬くらいは手伝ってくれるってことかいな?」


「なぁ。そこのゴミが目を覚ますと面倒だから止めさしとく?」

「せやなぁ~。蹴り飛ばしたいがそんな力もうあらへんわ~。それより、その黒蜘蛛の素材だけ回収しとこかぁ~。あんなの喧嘩の火種やしなぁ。」


 そういうと、2人はお互い肩を貸しあい起き上がる。


『すまん八木。その黒いのの素材なんだが…』

『ほい。検索済み』


→【ブラックオッドタランチュラの素材:討伐素材→牙:金貨5枚、脚爪:金貨1枚、毒袋:金貨2枚、尻部(粘着液巣付):金貨8枚、脚(爪以外):銀貨5枚】

→【レアドロップ:ブラックオッドアイ(眼球)魔力を含む宝石として高価な品:大金貨1枚】


『大金だぞー。ゴミが起きると面倒臭いぞー。』

『やっぱそっちで検索できるんだ…。とりま、これ回収するわ。』

『うぃ~。』


「今素材調べたんだけど、やばい金額になりそうだからとっとと回収しとこう。。」

「せやろなぁ~。。」


 そんな感じでカットレイとウダってる間に、横では既にサニーが素材を仕分けしてくれていた。もう~サニーさん出来る子!


 回収素材を確認する。

 ・牙2本→金貨10枚

 ・脚爪8本→金貨8枚

 ・毒袋1つ→金貨2枚

 ・尻部(粘着液巣付)1つ→金貨8枚

 ・脚6本→銀貨30枚→金貨3枚 ※脚2本は素材価値なし


 そして…

 ・ブラックオッドアイ(眼球)1つ→大金貨1枚


 メモを取りカットレイに渡す。後で精算するためだ。

 取り合えず、毒袋と尻、脚は後回しで、牙と爪、オッドアイを丈二のカバンに入れる。カットレイにマジックバックのことを伝え、「オッドアイ」だけはそちらに収納した。


 後は、ワインレッドポイズンスパイダー20匹を固めておき作業終了。

 カットレイの仲間の虎と狼の獣人が素材収納用の袋を持っているので、解体も含めて任せようとなり、その場に座り込む。


 八木から雑薬草も噛んどけば多少は回復するぞーと教えてもらったので、目を閉じながら、2人と1匹は雑薬草をカミカミして応援が到着するのを待つ。



 八木には聞きたいことが山ほどあるけれど…取り合えず、今は…休息だな。



[すべてを知ろうとするほど私は若くはない:オスカーワイルド]

「続きが気になる!」「面白そう♪」など思われましたら、下記にあるブックマーク登録・レビュー・評価(広告の下にある☆☆☆☆☆→★★★★★)をいただけると、嬉しいです♪


今後の執筆活動の励みになりますし、この作品の展開を考える参考にもなりますので、よろしくお願いします!

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