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第25話 銅鉱山の戦い⑤ 死線

銅鉱山佳境です。

「やっぱヤバいよなぁ…。どうする?こっちは採取程度しか予定がなかったから雑薬草くらいしかないぞ?ってそもそも戦えるのかこんな相手。」


《サニーさんどう思います?》

《それがおかしいのです。私の風感知では、こいつがこの空間に構えるまでは、初級モンスターの亜種程度だったので戦闘に備えるため赤蜘蛛に集中していたのですが、何時の間にかこんなものが…。》


《そうなんだよなぁ…。20匹の相手で目を離した隙にヤバいのになってた感じなんだよなぁ。》

《でも、ご主人様。倒せるかどうかなら、ギリギリ何とかなると思いますよ?今の私より少し強い程度だと思いますし、お二人は上級職なので。それに…。》


「なんやろなぁ。不自然すぎるねん。でも、にぃちゃんのオオカミンなら…ええとこ行けるんちゃうか?問題は召喚やなぁ。次何時するんやろうか。ブツブツブツブッ…。」

 うわぁ~指揮官モードに入ってるは…。この状況で諦めてないのかっけええなぁ~この娘。


「なぁ。サニーさんなら、あれより少し劣るくらいだから何とかなるんじゃないかって言ってるぞ。後は俺たち次第…みたいな?」

 サニーを見ると、にっこりと笑う。そんなところのようだ。


「せやな。ワシ等は極論、こいつを倒さんでもいい。助けが来るまで凌げばいい。ってことや!作戦はさっきと余り変わらんけど、ワシが盾役や。にぃさんが赤いの担当でなるべく早く倒して貰って、黒いのはオオカミンに任せる。」

「ワシはさっきの毒がそろそろ大丈夫やろうし体力は満タンや。ポーションも後2本ある。あかんかったら引くしオオカミンの回復魔法も期待しとるで。『進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む』や。」


「OK。それでいこう。無理はするなよ。ついでに俺は気配遮断をするから殴らないように頼むぜ?」

「何やっ。ワシはそんなミスせんわ!」

 ハハハ。いいね。何となく行けそうな気がしてきた。

「んじゃ。任せたぞ。気配遮断―。」


 広い部屋の入口付近から少し入ったところで、カットレイが盾を構えて陣取る。

 合流した蜘蛛達が向かってくる足元にサニーが水魔法を放つ。手負いの2体が沈む。

 よし。これで赤いのは2体。


 サニーが直ぐ様、黒蜘蛛の外側に飛び出し爪で切り込む。

 サニーの狙いは水銀毒を蜘蛛にぶち込むところにあるのだろうが、相手のほうが一枚上手なのだろう。前足でサニーの爪を切り返し、一歩サニーと距離をとる。


 しかし、最初の出足としてはこれでいい。

 黒蜘蛛とサニー、赤蜘蛛2体と残り2人。赤蜘蛛には上級職の2人は何とかなるだろう。状況としては優勢なはずだ。


 そして、サニーの奇襲に黒蜘蛛と赤蜘蛛の連携が乱れ離れたところを丈二は見逃さない。

 気配を消した状態でこちらも奇襲。棍の先で首に一撃で仕留める。

 その隣でカットレイがシールドアタックでもう一匹に体を当て、剣で脚を数本切っていく。


「こっちは何とかなるか。サニーさんはどうかな…っと。」

 丈二はカットレイが抑えている赤蜘蛛を上から殴り、その返しで殴り上げるとカットレイが見事に喉元へ剣を貫く。

 見事な連携でお互いハイタッチをする。


 一方、サニーはかなり押されているようだ。体力ゲージが既に半分近くなくなっている。

 黒蜘蛛も前脚が2本ともないが、粘着液がサニーの体に纏わりついており結構ヤバい状況のようだ。


「カットレイ!」

「わかっとるわっっ!」

 カットレイがサニーの前に立ちアースフレイムを放ち粘着液を燃やす。


 が、相手もどこぞの階層ボス。カットレイに突っ込み残りの6本の脚のひとつで蹴り飛ばす。

 やべぇ一気に1/3の体力が削られている。

「悪い。回復してくれ。おかげでサニーさんの粘着が取れた。」


 サニーが黒蜘蛛を前脚で抑え込み噛みつこうとするも噛み切れない。蜘蛛も振り切れないでいる。


 丈二がその後ろから棍で目を突く。

「ギャアアアアアア」と声を出す蜘蛛。


「気配遮断。」

 改めて気配を消し、サイドから弱点の継ぎ目に一刺しするも浅い。だが怯んだ。


《ウインドブレード》

 サニーが風の中級魔術を放つ!


 黒蜘蛛は体を捻り致命傷を避けるも左側半身が切断される。


「いけるっ!サニーさんもう一回俺が突くから魔法でとどめを!」

《はいっ。》



 ――その刹那。


「助けてくれえええええ。なぁああ助けてくれよおお。」

 ゴミ…何処かの偉いジアス・ピオン様が、コモンバットを数体引き連れて、こちらに汁という汁を垂らして走ってくる。


「おい。お前ええええ。そっちに行くなやああ!」

 回復をしているカットレイがゴミに叫ぶが我を忘れている。


「ちぃぃぃ。にいちゃん、そのゴミをこっちに蹴り飛ばしいい。」


「くっ。こんな時にクソがっ。」

 丈二は棍を軸にしてゴミを蹴る。


 が、そのタイミングで黒蜘蛛が大きく飛び丈二の肩を噛みつく。

 激しい痛みと体力値がぐっっと減るのがわかる。


「ぐわあああああっ。」

《ご主人様!!アクアヒール》

 サニーがヒールと同時に蜘蛛を蹴り飛ばす。


「これ飲みいいい。最後の一本やっ。」

 カットレイが投げたポーションをサニーが受け取り丈二へ渡す。


「こういう馬鹿が一番たちが悪いでぇ。まったく一回死んどきぃ。」

 カットレイがゴミを踏みつけ気絶させる。


「ありがてぇ。何とか回復し…くそっ猛毒かあ。」

 丈二の体力が減っていく。それと同時にゴミが連れてきたコモンバットの気配が消えていくのに気が付く。黒蜘蛛が捕食しているのだ。


「重ねて何てことしてくれるんだ。ゴミ野郎。やべぇえええぞ黒蜘蛛が蝙蝠を食べて…これ回復してねぇか?」


《少し我慢をしていてください。回復薬はゆっくり飲んでください。》

 ヒールを止め、残りのコモンバットを切り刻む。

 が、黒蜘蛛は半身ながらも目に気力が戻っている。


「ワシが一旦盾役して耐えるんで、にいちゃんは回復に専念しい。」

 カットレイが前に立つ。


 サニーはアクアヒールを再び丈二に掛けるが残りの魔力量が少ない。

 回復した上位職業のカットレイとはいえ、相手は中級ダンジョンの階層ボス。体力値が徐々に削られていく。

 いや…むしろこの程度で終わっている彼女は健闘しているのだろう。


 クソ。もう少しで倒せるところまで来ているが、決め手がない。

 黒蜘蛛に止めを刺せるサニーは主人の回復に専念しているし、回復しても猛毒で削られる。

 完全にジリ貧である。


「このままだと全滅する。一か八か…毒の効果が短いに賭けてサニーさん行ってください。」

《無理です!ご主人様。全魔力をヒールに費やして何とかというところです。止めれません。》


 でも…このままだと、俺か、あの漢前の竜人娘が死んでしまう。どうすれば…。

 クソ。打開策が浮かばねぇ。

 やっぱり俺が奇跡的に生きることを祈り、あれを倒すしかねぇか。


 …



『―ぁ』


 ?


『――なあああ』



『じょっちゃん待たせたなぁああ。』ああっす』

 頭に響く声。や…山羊人?!?それに…っす?え?えええ?


[進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む:福沢諭吉]

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今後の執筆活動の励みになりますし、この作品の展開を考える参考にもなりますので、よろしくお願いします!

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