第22話 銅鉱山の戦い②
週末なので少し追加更新です。
「さて、サニーさんが大丈夫といっても『たとえ平凡で小さなことでも、それを自分なりに深く噛みしめ味わえば大きな体験に匹敵する』とも言うし、しっかり対応して戦ってみよう。」
辞書を展開する。
「コモンバットを検索」
→【コモンバット:洞窟等に生息する一般的な蝙蝠モンスター 蝙蝠の中では最弱
初心者の内は、素早さと超音波による回避能力により苦労する
攻撃は統率されていないため各個撃破で対応できる
弱点:風、土、闇以外の属性攻撃 】
基本的には、自分の知っている蝙蝠でよさそうだが、攻撃は統率されていないのか。蝙蝠は固まって攻撃するイメージがあったが、これは最弱だからなのだろうか。弱点は今の俺には関係ないな。
次に、辞書地図に気配感知を紐付けしてっと。
ん。さっきの探知には引っかからなかったが、更なる奥にもう1匹いるな。少し強そうな気配に感じるから気をつけておかないとな。
よし、なるべく有意義な実戦経験を積むぞ。
敵が固まっているスペースに気配遮断で近づく。コモンバット…流石モンスターだな。思ったより大きい。
洞窟の天井に逆さになってとまっている。
蝙蝠までもう少しの距離まで来て、蝙蝠たちが一斉に飛び立つ。気が付かれた!
棍を構る。
攻撃をしてくる蝙蝠を迎え撃とう。
こいつら攻撃としては噛みつきに来ているな。ならその瞬間を棍で打つ。
―シュッ。
む。脳天を打ったつもりが羽に当たって下に落ちる。そこに棍の先を刺す。
1匹目ッ。
さっきの打点のズレは…あれか。超音波での回避か。スピード的には対処できそうなんだけど…数による連携で来られたら噛まれそうだな。
1匹やられ、蝙蝠たちは攻撃を仕掛けて来ず、頭の上で飛び回っている。機をうかがっているのだろうか。でも、俺の武器は棍だぜ?リーチはある。
棍を下段に構え、持ち手の位置で高さを調整し綺麗な弧を放つ。
その勢いで前足を引き、回れ右と同時に再度打ち込み、持ち手を滑らし下から突き上げる。
3連撃ッ!
最後の突き上げがまた羽に当たりズレる。
このズレが気持ち悪いな。と先で突いて止めを刺そうとするともう一匹が襲ってきた。突いた先を跳ね上げ応戦するも今度は避けられる。
「痛ッ!」
チッ。右手を噛まれた。噛み続けているため左手で掴み叩き落して踏みつける。
「これ…で5匹。依頼は3匹なのでクリアなんだがな。」
残りの5匹を見て逃げないかなと期待するも、臨戦態勢のようだ。
体力値を見る。→56/60となっているってっことは、ダメージが4入っている感じか。
この程度の敵ならノーダメってのを実は期待していただけに、そうは都合よくは行かないなと思う。
てか、蝙蝠って疫病が怖い病原菌の塊ってイメージだけど大丈夫なのか?いや、今は目の前の5匹だな。
《ご主人様、気配感知で相手の動きを立体的に追ってください。そこに棍の打撃をなぞる様に。》
サニーがアドバイスを送る。
そうだな。地図で位置を目で追って確認ながら戦ってはいたが、所詮平面。気配感知は感覚的に気配で位置を把握するので3次元的に位置を捉えれる。
お。この感覚か―。
持ち手を少し中央に寄せ、棍のスピードを上げ、軸足・軸手を中心に全身で円を描くように蝙蝠の位置を目指して撃ち続ける。幾つかは避けられるが、避けられた位置にも攻撃を合わせる。
数分後、気配感知からコモンバットの気配がなくなった。
《お疲れ様です。単独での複数戦の勝利おめでとうございます。感知を使った戦いお見事でした。蝙蝠の牙を取って、銅鉱石の採取を終はじめましょうか。》
サニーが嬉しそうに褒めてくれる。
この蝙蝠は他に価値がある部位はあるのだろうか。
検索してみる。お値段も共に。
→【コモンバットの素材:牙→解毒薬の素材となる 銅貨1枚
羽→防具の材料や解毒薬の素材 青銅貨3枚】
おお、ご飯代くらいにはなりそうだな。持って帰ろう。
次は、銅鉱石だな。
わ。ここ沢山あるわ。多分初心者冒険者には、この蝙蝠は厄介なんだろうな。リリアさんも少し難易度高そうなニュアンスだったし。何より数が多いのは怖い。
まぁ頑張ったご褒美だ。遠慮なく多めに取っておこう。
サニーの採取袋に入れれるだけ合計25個の銅鉱石を採取すると、手前にいた新人冒険者達がぞろぞろとこちらに来る。
「おうおう。新入り!もうお前らは取れるだけ取ったんだろ?そろそろ帰れよ。どうせその狼のおかげでコモンバットを追い払って鉱石を手に入れれたんだろ?」
先程、サニーに震えていた冒険者がにやにやしながら言う。
「偶然だなぁ~俺も雑魚モンスを倒してから、ここの鉱石を手に入れるつもりだったんだわ。むしろ返せよ?って思うところだが、立ち去ることで許してやろう。」
こいつは、何を言っているのだろう?
「は?10匹程いたけど俺が一人で倒したぞ?そもそもお前らコモンバット程度にビビッてあそこでひそひそ採取してたんじゃないのか?必要な分は採取したからいいけど。『満足は努力の中にあって、結果にあるものではない』だぞ?」
「な…何を訳のわからいことを!俺は貴族出身の冒険者ギルドアルトキングスのジアス・ピオン様だぞ。俺に説教をするとは貴様何様だ。」
「ぷっw。わりwww本当にこんな奴っているんだなって。草生えたわ。」
あまりにも小物過ぎてついつい突っ込んでしまった。他っておけばよかったと反省するも後の祭り。
「なんだとおおお。俺はこの鉱山に思い入れがあるんだ!今後ここは俺の独占だ。わかったなお前らもだぞ!」
「俺はこの前、ここで、冒険者を夢見る鉱夫のガキに一発かまして追い払ってやったんだ!。俺はこの鉱山の為なら子供だって容赦はしねぇ男。どうだびびったか?ひゃっはっはっは~。」
もう。遠吠えが止まらない。しかし子供って…。。。
聞くに堪えられないので帰ろうとすると、他の採取者が口を開く。
「なぁワシら、今日初めて冒険者になって初クエストを楽しんでるんだけど、そこのじあす・ぴん君? 君、聞くに堪えられないんで黙ってくれんかなぁ?ワシらはさっきの場所でかまへんし、君にも興味がないから静かにしてくれやぁ。」
ん。この娘の角と尻尾に小さな羽。獣人って奴か。
クエストを楽しんでるってのがいいね。
「お姉さんは獣人なんですか?コスプレですか?」
しまった。普通に挨拶しようとして、思っていることを言ってしまった。
「はぁ?コスプレってのは知らんけど、ワシは竜人族やっ。こっちの二人は虎人族と狼人族やけどなっ。んで君。何や!!何や!!」
「いや。初クエストを楽しんでるってのが、俺と一緒だなと思って。俺もやる気が削がれたので、さっきの場所に戻ってアイテム整理して帰ろうと思ってるんだけど一緒していいですか?」
「何や!余所余所しいな。ため口でええ。ほな一緒に行くで!」
「ははは…わかった。よろしく。」
面白奴だなと一緒に先ほどの場所に戻ろうとすると、他の連中も着いてくる。
まぁそうだわなぁ。あのようなクズとは一緒に居たくないわなぁ。
◇
最初のポイントに戻ると竜人族の娘が首を傾げて言う。
「なぁ…あの場所って蝙蝠がその内に戻ってきそうよな?あんなに銅鉱石が残ってるのは不自然やで。まぁええけど。あのタイプがどうなろうと、ワシは一向に構わん。」
「そうなんだよな。俺もそう思ってたんだ。後、俺は気配感知が出来るんだが、あの奥にまだ一匹ちょっと強そうなのが残ってるんだよな。」
「何や!便利なの持ってるんやな。確かに奥はヤバそうや。ワシの直感もヤバいってびりびりいってるで。」
「まぁ…俺がいる間は、一応感知を切らずにいるわ。でもまぁ、あのクズがどうなろうと…俺は」
「「一向に構わんがな」」
うん。こいつとは気が合いそうだ。
[満足は努力の中にあって、結果にあるものではない:ガンジー]
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