第21話 銅鉱山の戦い①
初戦闘です汗(遅い)
地図で獲物の位置を再度確認する。
前方左200m辺りコモンボアは群れでいるようだ。
数は8匹…いきなり複数を相手にすることになるのを覚悟しなければならないな。
気配遮断で、まずは丈二が近づく。
標的は一番大きな個体にした。恐らくこの群れのボスだと思われる。
じりっじりっと近づき、5m手前まで来たがまだ気が付いていないようだ。
気配遮断すげえなぁ。
コモンボアは結構でかい…2m手前で一度心を落ち着かせる。
箱庭手前の暗黒空間地獄で精神は鍛えられているんだろう。初めての戦いであるが、自分が自然体であると分かる。
―――1m
棍を引く。狙いはコモンボアのこめかみ。
―――ッ 突き一閃!
ブラックマウント鉱石の棒先がこめかみにめり込むみ、コモンボアの巨体が崩れ落ちる。
その流れで、倒れたと同時に棍を回し棒先の腹で延髄を殴る。
鈍い砕ける音がすると同時に、コモンボアの断末魔が響き、辺りのコモンボアが一斉にパニックになる。
と、同時に。
サニーが1匹の喉元に咬みつき、風魔法でもう1匹の首を斬る。一瞬。
がっ!
パニックに陥った1匹が、頭を下げて丈二に向かって猛進してくる。
丈二は、棍先をコモンボアの額の高さに置き突進を待つ。
棍先が額に触れるか触れないかのタイミングで、構えた後ろの足を引き、軸足を中心に回るように後ろの棍先でコモンボアの喉元を殴り上げる!
よろけて突進を止めた獲物に対して棍は動きを止めず、支点の右手を中心に回し脳天へ一発。
コモンボアは完全に動かなくなる。
残り半数。
と思い、構えなおすも、ボスを失い半数となった一団は一斉に逃げていく。
「あ…やば。依頼クリアまで残り1匹やん。」と丈二が呟いたと同時に、彼の横を氷の刃が通り抜け、逃げるボアの内1匹の体を貫くことで、依頼が達成された。
振り向くと、魔法を撃ったサニーが難しそうな顔をしている。
《氷魔法は初めてでしたので加減ができませんでした。体の大部分を貫いてしまいましたので、素材としては価値がなくなってしまいました…。申し訳ありません。》
「いえ。俺のほうこそ敵の数と位置は把握できていたのですが、目の前の敵で精一杯で余裕がありませんでしたし、俺では5匹目を倒すことが出来ずに、逃がしていたと思うので助かります。」
しかし、あの巨体の半分を貫くとか、首をはねるとか…魔法って怖えぇと思いながら討伐の証明部位のことを思い出し、部位である牙を剥ぎとる。
残った死体を、どうすればよいのか判らないで困っていると、サニーから「血抜きをしてマジックバックに入れて持ち帰れば、人気の食肉として換金できますよ」と提案され、教わるとおりに処理をして4匹のコモンボアをバックに収納した。
これで一段落だ。サニーに一言断り、昨日ぶりの煙草に火をつける。
初めての戦闘は、もう少し緊張するかと思ったし躊躇するかと思っていた。
これも箱庭までの試練の賜物なのだろうか。だとしたら…箱庭で戦闘練習しておきたかったなぁ~と思うが、これ以上考えたら「あれ」への愚痴にしかならないので辞めておこう。
辞書スキルで地図を展開し、街と目的地の銅鉱山と、ここの位置関係を確認。
銅鉱山の少し手前が現在地だと分かり、リリア嬢の見立ての通り、銅鉱山に行く流れで、コモンボアの依頼が達成できたのだなと感心する。
煙草を吸い終わったところで、改めて鉱山に向けて出発。
目的地には、サニーの脚で5分程で到着した。
※ ※ ※ ※
鉱山入口には街管理の小屋があり、一応入退場を監視しているらしい。
冒険者プレートを水晶にかざし依頼の受注が確認されると入場の許可が出る。
「冒険者のジョウジさんね。連れのコモンウルフとも入っていいよ。中にも数組の冒険者や生産者がいるから譲り合ってな。」
「当然、採掘が自由にして良いということは危険も伴い自己責任を伴うということだ。くれぐれも無理をするなよ。これ魔導ランタンな。組合の奴に無料貸出しているものだから帰りに返してくれ。」
係りの兵士2人から魔導具で出来たランタンを預かり、お礼を言って鉱山の中に入る。
◇
鉱山の中は茶色の世界で湿気が多い。
思ったより広い空間が広がっており、奥まで続いている。
前もって展開してあった鉱山内の地図を見ながら、気配感知を行うと1km程度進んだところ、少し狭くなった辺りで10程度の気配を感じる。恐らくこれはモンスターなのだろう。
その手前500mのところで、6程度の気配が壁に向かってばらけているのが分かる。これは採掘に来た人だろうか。
確か…この鉱山での目的は、銅鉱石を10個採取するだったな。
「銅鉱石を検索。視界に入ったら表示。」と辞書に指示。
すると、視界の奥の方から2か所程赤いポイントが浮かんだので行ってみると、壁に埋まる岩石がそうであると表示される。
棍の先で突き削り落として、サニーに持たせてある素材袋に入れる。まずは簡単に2個の鉱石が手に入った。これで残り8個だ。
その後は、めぼしい鉱石が探査に引っかからないため、先程確認した数組がいるポイントに移動する。
このポイントは少し広めの部屋のようになっており、丈二同様に新人なのだろう質の悪そうな武器を持った若い冒険者が4名、採掘者と思われる者が2名、鉱石を掘っている。
気配遮断を使っていないためか、丈二がそのポイントに入ると一斉に一同がこちらを見てくる。
「こんにちはっ。自分は、今日から冒険者になったものです。銅鉱石の採取をご一緒させていただきますね~。」
うん。初めはしっかりとご挨拶をしておかないとね。
「ひ…ひぃいいいいい。狼!狼がいる。」
若い男の新人冒険者が悲鳴をあげ、震えながらサニーに剣を向ける。
「あぁ、すみません。この狼は俺の従魔ですから大丈夫です。剣を収めて下さい。」
「じゅ…従魔?そうなのか。まったく紛らわしい奴だ。気をつけろ。俺が先にここに来たんだからな?お前はもっと奥に行けよ。」
彼は、ぷいっと振り返り、再び鉱石を掘り出すがその足は震えている。
周りにいる採取者の2人も余り良い顔をしていないようだ。
残りの冒険者3人は我関せずって感じかな。
《ハハハ…サニーさん奥に行ったほうが良さそうですよね?これ。》
《すみません。その方がよさそうですね。》
サニーが少しシュンとして言う。
《ところでなのですが、先にいそうなコモンバットの討伐も視野に入れて進んでみようかと思うのですが、どう思います?》
《そうですね…そう致しましょう。数は多いですが恐らく大丈夫ですよ。》
まぁ…そうだよな。
サニーさんより強いモンスターなんて、新人冒険者がいるようなこの場所では、そうそういないだろうし。
《ご主人様、私からのご提案なのですが。コモンバットは、ご主人様だけで戦ってみては如何でしょうか?あれは弱いながらも少し変わった行動をとる敵ですし、良い経験になるかと。》
サニーさんがそう言うのなら安全マージンは万全なのであろう。確かに今後の冒険を考えると、経験は増やした方がいいか。
「わかりました。ちょっくら頑張ってみます。」
丈二は、自分だけで戦うことを決意しながら、辞書でコモンバットの情報を検索し戦いに備える。
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