第19話 山羊人(八木陣)
前置きが長くなってしまいましたが、協力者登場です。
「以上が、冒険者についての説明になります。何かご質問はありますか?」
受付嬢のリリアさんから一通りの説明を受けた。
「ギルドというのは、組合は斡旋してくれるものなんですか?何分この街についたのは今日なので。あ、入るかどうかは決めてませんよ?参考までにです。」
冒険者への登録は、仲間目的ではない。身分証明と依頼によるこの世界の社会勉強とお金稼ぎなので、特に仲間が今現在必要ということもないのである。
「はい。丈二様…さん。私が受付をした隣がギルド斡旋の受付となります。自分をどうですかという自己アピールを登録してもらうか、入りたいギルドにその旨を仲介するか、この2パターンを行っています。恐らく丈二さんなら、上級職持ちなので、今日登録してもらても誘いがあるかと思いますのでご検討しても良いかと思います。宜しければ私があなたの為に完璧な仲介をしますよー。」
さま?…まぁいいか。
「わかりました。そこは後日検討するとして、リリアさん。何か仕事の依頼はありませんか?」
本題をお願いする。
「もちろんです。あなたの担当ですもの♪どのような依頼をお望みですか?」
「そうですね~。採取系のものと、討伐系の中で簡単なものを。討伐系は俺は自分の実力を全くわかっていないので、初心者向けでお願いします。採取は得意ですから、周りのモンスターが弱ければどんなものでも大丈夫です。」
謙虚にいかないとね。サニーがいるから大丈夫だと思うが、自分は強くないのを忘れちゃいけない。
「はい。わかりました。受付に戻りましょうか。そこでご紹介します。」
リリアに言われ、ロビーに戻る。サニーは大人しく待っていた。
《ご主人様。おめでとうございます。》
《ありがとうございます。まぁ…本当に「あれ」には…。》
《・・・。》
サニーとパスで話していると、依頼書を幾つか手に持ったリリアに声を掛けられる。
「ご要望の依頼ですと、こんな感じでどうでしょうか。ひとつ目は銅鉱山で銅鉱石を10個手に入れるもの。ふたつ目はその道中に出るコモンボア5体の討伐、これはコモンボアの牙を討伐のあかしとしてお持ちください。もしコモンボアを持ち帰っていただければ、食用となりますのでそれなりの報酬が出ますよ。」
「えーと。最後に鉱山内にでる、コモンバットの3体の討伐もチャレンジしてみては如何でしょうか。少し難易度は高い相手ですが、どの依頼も猶予が7日間ありますし、鉱山依頼は毎日受けれます。無駄な移動も省けますしね。」
無駄をなくし、効率よく稼げる配慮が嬉しく、このような組み合わせは、無駄なルートを省き新聞を配達していた丈二が好むものであった。
「あ。やっぱりリリアさん出来る子ですね!そういうの好きです。」
「すぅ…す…ふぁああ。あ…あいがちょうごじゃいます。ふぇええ。いやだ~もぅ…。」
真っ赤になって噛んでしまい、それでまた真っ赤に、その流れが少し可愛らしいと思う。
「では、それでお願いします。どうすればいいですか?」
「登録プレートを…こちらに。依頼書に紐づけます。依頼内容を忘れた場合、プレートに魔力を込めれば思い出せますので覚えておいてください。これで依頼受領完了です。頑張ってくださいね!!!」
リリアからプレートを渡され、取り合えず宿に戻ることにした。まずは協力依頼に挑戦してみよう。
「リリアさん冒険者のことがよくわかりました。今後ともお世話になりますのでよろしくお願いします。後、御神託のこと絶対に…。ぜええったいにい内密でお願いしますよ。」
涙目で頬を染めるリリアへ丁寧にお礼を伝え、就職活動は終了した。
※ ※ ※ ※
宿の自分の部屋に戻る。
まずは、軍手を着用し万科辞典を同期した。使い方はこちらの方が個人的には使い勝手がいい。
ふむ。アプリを展開したまま、協力者のアドレス帳を辞書に登録するようだ。
それで元の世界の協力者がロックされるようだ。それをしたら普通に電話やメールが出来るらしい。
協力が得れるなら『万科辞典』を送ることが出来るらしい。
「じいさんか迷ったが…お前しかいないだろ。山羊人。」
山羊人、本名を八木陣という。
幼馴染で毎日遊んでいたが、そのせいで、じいさんの教育を一緒に受けて育った。大学は別々であったが人がいいのか、恋愛事やら学校のめんどくさい仕事やら色々巻き込まれて苦労していた巻き込まれ体質な奴だ。大学卒業後、じいさんの趣味の会社に無理やり入れられ、じいさんの思い付きに巻き込まれまくっているのだから目も当てられない。
申し訳ないが、今の状況を察してくれて、情報処理に特化しており、且つ、俺たちの師匠であるじいさんに相談できることから彼しかないと思っている。信頼もしているしな。
――頼むぞ。
通話ボタンを押す。
…TURURURU…TURURURU…TURURURU ガシャ
『あーいもしもし?じょっちゃんどうした?』
本当に出た…。
『あ。八木?久しぶり。じいさんに扱き使われているか?』
『昨日も酷いお題を出されて徹夜~。』
『ははは。すまんなぁ。すまんついでで悪いんだけど…。』
『はぁいいよ。』
『まだ何も言ってねーぞ。』
『どうせやることになるから。てか、困ってるんしょ?』
『死ぬほど謎の状況に陥っている。』
『…ん。どうした?やばそうやな?』
――今までの経緯を話す。ケレースのことはちょっと盛る。
『何だそれ?夢でも見てるのか?草生えるわ。』
『それがマジなんだよ。で、協力者がお前なら何とかなるのかなと思って。。』
『ん~~。とりま、そのアプリ送ってよ。ん。まてよ?僕のアドレス内容って、PCメールアドレスも入ってたよな?そっちにも同時に送れないかな?送り先両方設定できるだろ?』
『出来そうだな。あっとパートナーの神様から、協力者同意を言葉でしっかり貰えってテレパシー。』
『草w』
『八木よぉ~協力者になってくれるか?』
『あいよ。』
八木が返事をした瞬間、登録した協力者欄が光る。そして✓マークが付く。
そのことを伝え、一旦通話を切る。
その後、試行錯誤しながら「協力者にアプリを送る」から言われた通り「PCとスマホ」に送信した。
5分後スマホが鳴る。
『あ~。じょっちゃん?ナニコレ…1.44MBしかないのに超アプリなんだけど?原理がわからん。』
『フロッピーディスクかよ!』
『な。やべえっしょ?とりま、僕はこのアプリが使えるようにお勉強します。ちな、PCはエミュレーターで動かしたら普通に使えたわ。』
『おおGJ!了解ー。今から石掘ってくるから用事ないんで。アプリで遊んどいて。』
『あいよ。』
ふううう。流石、山羊人だ…見事に巻き込まれてくれてありがとう。
正直、元の世界の情報をこの世界で活用して生存率を上げる目的で要望した力であったが、幼馴染の親友と話せたことが何よりも心強かった。
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