[若月編] コールマンからの提案
若月編になります。本日投稿分の3話続きます。
若月編
若月の装備について、ひと段落が付いたところで一度、ヒビキの宿に行くことにする。
コールマンとヒビキの娘が帰宅するまで少し時間がありそうなので、ヒビキが提案してくれた。
宿に入るとと、カウンターには、犬系の獣人の娘が受付をしており、その娘に声をかける。
「あ~。若月さんですね~。奥様から話は聞いてます~。私はアロ。この宿の従者ですので今後ともよろしくお願いします~。えーと、今日はシングルのゲストルームにご案内するようありましたので、ご案内しますね~。」
受付の娘はアロというらしい。見た目は15歳くらいだろうか。背が小さくて愛らしいモフ耳が可愛らしい。
「よろしくお願いします。暫くの間こちらの宿にご厄介になりますので仲良くしてください。」
若月も近い年齢だろう彼女に良い印象を受け挨拶を返す。
「本日は込み合っていまして~、明日から使っていただくシングルの部屋が埋まっていますので、コールマン様のお客様用ゲストルームをご用意しています~。明日またお声かけくれれば、お客さん用の部屋を改めて案内しますね~。」
「それでゲストルームなのですね。はい、わかりました。明日も声を掛けます。」
本日泊まる部屋に案内される。
流石にゲストルームなのであろう。広さはないがベットも机も良いものを使っているのが伺える。
「わぁお~!いいお部屋ですねぇ~。そして、ふかふかのベット~~。」
テンションが上がってしまった。
正直、こちらの世界に来てからもその前も…土の上で寝ていた若月には夢にまで見たベットのある個室。
しかも、思った以上の部屋である。
「本日の夕食は~、コールマンさんのところでと聞いていますが、明日以降のお食事は下のパブで食べていただければ一品サービスになりますので~、御贔屓に~。」
「あ。そうなんですね。わかりました。わ~い夕食もヒビキさんの美味しいご飯を食べれるんですねぇ。やったー。」
「あと、お風呂なんですが~」
「お風呂?お風呂!!!お風呂~~~~!!!。うんうんうんうん。そうそうそうそう。お風呂ですよねぇえ!直ぐ入りましょう。」
お風呂と聞いて我を失ってしまう若月。
「ふぇええ。あ。はい。お…お風呂ですね?えっと~。お風呂はお湯の用意があって予約制なんです~。夕食の後でよければご用意しますが~?」
少しビックリした感じでアロがいう。
「あぁ…すみません。お風呂に入るのが楽しみで。つい。びっくりしましたよね。」
我に返り赤面する若月。さっきから赤面してばかりだなと反省する。
「いえ~大丈夫です~。では、お風呂の用意もしておきますね~。お代は石鹸や香油が付いて銅貨1枚、お湯だけなら青銅貨4枚です~。そのときにフロントで教えてください~。」
アロは若月にそう伝え、部屋の鍵を渡し、受付に戻っていく。
石鹸と香油で再びテンション爆上がりな若月であり、その場で飛び跳ねたい気分であったが、ここは我慢と、ベットに腰掛ける。
ベットふかふかだ~と思いながらも、横になると明日まで寝てしまう自信があるため、手持ちのトートバックを棚に仕舞い部屋を後にする。
※ ※ ※ ※
コールマンの店に戻り、宿でのことについて、テンション高めにきゃっきゃとその宿の主人であるヒビキに話す。
そんな楽しそうな若月を見て、ヒビキが嬉しそうに夕食を作りながら言う。
「あらあら。そんなに喜んでもらえるなんて嬉しいわぁ。石鹸と香油は旦那が精製したものを私が調合した自慢の品だから気に入ってくれたら嬉しいわぁ。」
「それは楽しみでしかないですね。あ、そうだ。冒険するときの為に今度売って下さいよ!」
「まずは使ってみて。気に入ってくれたらお分けするわよ。」
そんな女子トークをしていると、コールマンが工房から出てくる。
「おう嬢ちゃん。俺のゲストルームはいいだろ?」
「ええ。ベットふかふかですし家具は趣があって感動しちゃいました。」
「へへ。だろ~。結構いい物使ってるからな。それより、防具類は調整終わったから帰りに持っていくかい?」
「ありがとうございます!そうしますねぇ。」
「でだ。明日なんだが、娘に街を案内させるのはいいが午前中にそれはして、よければ、午後から俺と冒険者組合に行って、その後は俺の採取に付き合わないか?当然謝礼はする。」
少し唐突な提案を、コールマンから受け、若月は戸惑う。
「でも。私はまだ何もできませんよ?冒険者にはなるとは思いますけど、正直それもよく理解できていませんし。」
「ははは。まぁそうだろうな。だから俺も一緒に組合に行く。で、その後、よければ付き合ってくれって感じでいい。」
「それなら…。これだけお世話になっていますし、役に立つのなら喜んでお手伝いします。…でも、私で足手まといになりませんか?」
「採取は任せねぇよ。採取中に剣士に任せるのは背中って決まってるだろ?」
コールマンはそう言って自分の背中を指さす。
「それこそ。私で護衛が務まるのですか?足手まといじゃないですか?」
「何言ってやがるんだ。冒険者になるんだろ?それに、あの剣技を見せられた後だぞ。大丈夫って確信が持てる。そもそも明日行くところはそんなに危険じゃない。練習だと思えばいいんだよ。」
「はっはい!わ!わかりました!!が…頑張ります。」
突然な提案から、冒険者になる前に冒険者の仕事を請け負ってしまい戸惑いながらも、若月は気を引き締める。
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