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第14話 カブと街

本日2話目です。

評価ありがとうございます。嬉しくて励みになります('◇')ゞ

 サニーさんの背中に乗り、街を目指す。

 広い草原を滑走する。風が気持ちいい。サニーも嬉しそうだ。

 というか、50km/hくらい出てないか?街まで10分かからんだろこれ。


 街の位置はオプス様の地図が辞典アプリから見れたので改めて確認してある。川に沿って一直線だ。


「ん?何か忘れているような。」

 丈二は、サニーの上で風を切りながら考え込む。

 今の状況だから思い出せそうなのだが。


「この感覚。風を切る感覚…。」


「あ…。」


 思い出した。


「サニーさん。そういえば俺のカブが何処かにあるってことでしたが、どうなったのでしょうか?」


 そうだった。箱庭でカブの所在について堕女神に聞いたら、すっげー馬鹿にされて、その後もはぐらかされたんだった。

 それで最後はサニーに聞けとか言ってたな。


《ああ~。すみません~~。言い忘れてました。私です。》


「ん?」

 良くわからん。



《分体である私がご主人様と一緒するためには、ご主人様の所持品をお借りする必要がありました。箱庭の性質上乗り物は使えませんので、試練の最中はケレース様がお隠しになっていたのですが、途中から私がご主人様が箱庭を卒業したら着いていく気満々でしたので、ケレース様にお願いをしてカブに宿った次第です。》

 面目なさそうに、サニーが説明をする。


「あ~そうか。だからこの懐かしい乗り心地か!納得しました。で…箱庭で俺に言えなかったのは…やはり。」


《はい…あれが、ご主人様をからかっているときに、『言ったら消すっすよ』と笑顔で言われまして。》


「ついに『あれ』って言っちゃった…。」


《本当に大変なんですよ。。。》

「お察しします。」


《なので、今のように背中に乗って頂くのは、ご主人様の移動手段に宿っている身としては、本望ですので何時でも仰せつけくださいね。》


「わかりました。謁見のときにお姿を見ていますので申し訳ない気がしますが。よろしくお願いします。」


《あ。あと、数日程度であれば人型にもなれますので、この姿でご迷惑をお掛けする場合はご指示ください。》


「人型になれるのね!了解です。あと…今更ですけど、言葉はどうすれば宜しいのでしょうか?」


《言葉については、ゲストの方々はお話出来るようになっています。文字も読めた方なら同様に理解できます。》


「また都合のいい感じですねぇ。」


《あの暗闇の試練をクリアすることで必要なこととなりますから、その時にわかるようになったと思っていただければ。因みに意識されていらっしゃらないようですが、箱庭からこちらの世界の言葉でご主人様は会話されていますよ?》


「え?そうなん?」

《はい。意識されれば当然日本語も話せますよ?》


「Б…Й…あ…あ。本当だ。すげぇ夢の二か国語マスターかよ。国を超えて世界も超えちゃったけど。」


 そんな話をしていたら、向こうに街が見えてくる。

 フィルムは思ったより大きな街のようだ。




 ※ ※ ※ ※


 フィルムの街に着く。

 街は擁壁に囲まれており門を通り入場するそうで多くの人が並んでいる。

 こちらの世界で初めて人を見る。本当に人がいて胸をなでおろす。


 20組程度が列をなしており最後尾にサニーと並ぶが、思ったより狼に対しての反応が薄い。


 どちらかというと商人風情の男たちが、サニーの白銀の毛皮についてひそひそしている感じか。

(おい見ろよ。珍しい毛の狼だな。コモンウルフの亜種か。あいつがティムしているのか?)

(お前なら幾らの値をつける?俺なら金貨3枚は降らないと踏んでいるのだが?)

(何を言ってるんだお前は?白に銀だぞ?その倍の値で王都なら売れるだろう。)


 サニーを裁いて毛皮を取るだと?腹正しい奴らだ。と少しイライラする。

 まあ。怒っても仕方がないし、狼が街に入ろうとしていても騒がないこの慣習がわかっただけで良しとしておこうか。


 待ちながら門付近を観察する。

 門番が、出入門と書かれた石造の建物で荷物が確認してるな。検閲か。


 その隣に買取所らしきスペースがあるな。あれがそうか。


 そうこうしていると順番が来たようで、背の高い門番に声を掛けられる。。

「次のもの。荷物をここに置き登録パスを。登録パスがないものは銀貨2枚を支払いこの水晶に手を。ん。狼はお前がティムなら追加で銅貨5枚だ。狼はそこに待機するように指示を出せ。」


「す…すみません。入場料が、た…足りないので、買取?を…お願いできますか?」

 絶対しどろもどろだ。目が泳いでるのがわかるので不審がられないか心配する。ペットは追加料金なんだな。検索が甘かったか。


「おう。買取だな?そこの奴に品を見せな。それに入場料ってことは初入場だな?買取が終わったらまた声をかけてくれ。」

 背の高い門番が丁寧に対応してくれたのでホッとする。


 買取師の前に行き、ブラックマウント鉱石5つと雑薬草10束を渡す。

 買取師はギョリョっとこちらを見ると鑑定に入る。


「鉱石で小ぶりのものがあるから合わせて銀貨5枚でどうだ?ティムモンスターもいるから銀貨4枚と銅貨10枚だ。」

 こちらを見ることもなく鉱石を見ながら買取師がぶっきら棒にいう。


「まいど~それで。」


 買取師から硬貨を受け取り、背の高い門番に声をかける。

「買取終わりました。銀貨2枚と銅貨5枚でしたよね。」


「お。おう。なら手荷物をこちらに。あそこに行って水晶に手を置いてくれ。お前を査定する。」

 背の高い門番にバックを渡す。新聞とか日本語だけどいいんか?


 まぁ考えても仕方がないので、水晶へ向かう。


 別の門番から水晶に手を置くように言われ従う。門番が何かを唱え水晶が発光する。

「ジョウジ・アカツキさん。狼もあなたの眷属と確認できました。え~何処の街にも属したことがないようですね。アライメントも正常のようですので通行を許可します。尚、お名前とあなたのマナは水晶には登録され、その情報は水晶を介してどこの街でも共通で把握されることになりますので、悪事を働かないことをお勧めします。」


 うん。ファンタジーだ。名前わかるのかよ…。悪いこと出来ないじゃん。とドギマギする。


 背の高い門番のところへ戻る。

「荷物なんだが…問題ないと思うが、この紙の束がなぁ。何なんだこれ?訳のわからない文字と精密な絵が描かれててスクロールの類かと思ったのだが、魔力を全く感じない。」


 やっぱりか~。御最もです。

「え~とですねぇ…そう!旅の途中で商人から買ったのです。迷い人?の物とか何とかで?それでお金がなくて。ははは。」

 苦しいか…。


「迷い人かぁ。迷信かと思っていたが…。これは、確かそうなのかもしれないな。まぁいい。」


 何とか…乗り切ったのかな?と門番を見る。


「ようこそフィルムの街へ!街に入ったら例えばギルドや組合、若しく許可が出ている店で登録をしてパスを取れば次回からは荷物の検閲だけで済むからな。」



 門番にお礼を言い門をくぐる。

 こうして、この世界で初めての街フィルムに足を踏み入れたのであった。

「続きが気になる!」「面白そう♪」など思われましたら、下記にあるブックマーク登録・レビュー・評価(広告の下にある☆☆☆☆☆→★★★★★)をいただけると、嬉しいです♪


今後の執筆活動の励みになりますし、この作品の展開を考える参考にもなりますので、よろしくお願いします!

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