さつまいも軍団来襲 ~お前も芋餅にしてやろうかぁ~
さつまいもをよく貰う。
たらこが住んでいるのが田舎ということもある。
また、父が仕事の関係でもらってきたりするので、消費しきれないほどのサツマイモが家に届くこともある。
どうやって消費するかが悩みの種なのだが、食材としてはさまざまな使い道があるので、用途には困らない。
今回はそんなサツマイモ軍団をどう消費するかについて、語っていきたい。
我が家では焼き芋をよくやる。
アルミホイルを巻いてオーブンで焼くだけでいいので簡単にできる。
かなり時間はかかるが、手軽なうえにおいしい。
ねっとりとした食感に、深い甘み。
一口食べるだけでうっとりしてしまう。
我が家ではトイプードルを二匹飼っているのだが、焼き芋が大好物。
焼き芋を少しだけ切って与えると、先を争うように食べて争奪戦が始まる。
もちろん、二匹それぞれに器を分けて与えるのだが、食べるのが早い方が、もう片方の分を取って食べようとしたりする。
二匹はその味を気に入ったのか、焼き芋を焼くとしっぽを振って駆け寄ってくる。
最近はアルミホイルの音を聞いただけで反応するようになった。
パブロフの犬状態である。
焼き芋はサツマイモを消費するのに手っ取り早い手段である。
しかし、それだけではやはり飽きてしまう。
他に消費する方法を考えねば……。
たらこは芋ご飯が好き。
芋を切ってご飯と一緒に炊くと、芋ご飯になる。
賽の目に切った芋を軽く水洗いして、コメと一緒に炊く。
炊きあがった時の香りは何とも言えない。
炊き立てのお米の香りと、芋の甘い香りが混ざってうっとり。
茶碗に盛り付けた芋ご飯の上に、ゴマ塩を一つまみ振りかける。
すると、甘さとしょっぱさが見事に融合したごちそうに早変わり。
これだけで一食行ける。
おかずなんていらない。
父は芋ご飯があまり好きではないのか、気が乗らない様子。
たらこは大好きなんですけどね。
母はよくスイートポテトを作ってくれた。
ふかして潰したサツマイモに、バターと砂糖と牛乳と塩を入れよく混ぜる。
形成したものをアルミカップの乗せ、卵黄を塗る。
あとはトースターで焼くだけ。
手軽にできる上に、結構おいしい。
腹持ちもよい。
子供の頃はよく食べていた。
口に含むと、ふんわりとしたサツマイモの香りと、しっとりとした口触りが広がる。
本来の甘さに加えて砂糖でしっかりと味が付き、塩がその甘みをさらに引き立てる。
幼いころは夢中になって食べた記憶がある。
ちょっと小腹がすいたときにはちょうどいい。
しかし、食べ過ぎてしまうとすぐに腹が膨れるので、胃袋の容量と相談しながら食べたいものだ。
幼いたらこは食べ過ぎて夕食が入らなくなった記憶がある。
そういう時に限って好物が出たりするのだ。
大学芋も外せない。
サツマイモを乱切りにして、油で揚げる。
油は低温にしてじっくりと中まで火を通して、最後に強火で表面をカリッとさせる。
すると中はふわっと、外はカリッとした食感になる。
たれは砂糖とみりんと醤油で適当に作る。
飴を固まらせるためにあまりいじらずに煮詰め、最後に鍋から降ろして氷水に入れると良いらしい。冷たい水に飴が固まってパリッとなるそうだ。
しかし、たらこは面倒なのでそれはやらない。
テキトーに作ったたれに、テキトーに絡ませておしまい。
最後に黒ゴマを振って完成。
ほくほくの芋に、あまーいたれが絡まって最高の味わいに。
副菜にしてよし、おやつにしてよし、お弁当に入れてよし。
オールマイティに活躍するスーパーサブ。
しかしながら、メインのおかずにはならない。
あと、お酒にも合わない。
意外とポテトサラダにしてもおいしい。
ジャガイモとは違った味わいになる。
マッシュして普通にサラダにしてもおいしいのだが、フルーツと合わせるとさらにおいしい。
一口大に切ったサツマイモをレンジで火を通す。
それを、パイナップル、マンゴー、リンゴ、キュウイなどのフルーツと合わせ、マヨネーズで和える。
好き嫌いが分かれるかと思うが、たらこは結構好き。
何故なら、祖母がポテトサラダを作るときに、必ずリンゴを入れていたから。
最初は抵抗があったが、食べているうちに慣れて好きになった。
母は、このサツマイモのフルーツサラダを、柿とパイナップルとサツマイモで作っていた。
パイナップルは缶詰の物でないとだめだそうで。
この前作り方を教わったのだが、不思議なことにたらこには食べた記憶がない。
今度自分で作ってみよう。
たらこはリンゴとサツマイモを一緒に煮たりする。
どういう名前の料理か知らないが、甘くて結構好き。
輪切りにしたサツマイモをなべ底に敷く。
その上に串切りにしたリンゴを並べ、砂糖とはちみつ、塩を入れて煮立てる。
時間をかけてゆっくり煮込むとおいしくできる。
最後にちょっとだけレモン汁を入れるとなおよい。
しっかりと甘みのついたサツマイモと、柔らかくなったリンゴの相性が最高。
サツマイモは甘露煮にする際に、軽く油で揚げると型崩れしないと聞いた。
お試しあれ。
長くなりそうなので、これで最後に。
タイトルにもある通り芋餅。
サツマイモを潰して、片栗粉と砂糖を入れる。
よく混ぜたら好きな形に形成。
平べったくするとよい。
バターと牛乳を入れるとスイートポテトな味わいになる。
片栗粉だけ入れて、後で砂糖醤油を絡ませることもある。
あとはフライパンで焼いて火を通せば完成。
とっても簡単。
ホットプレートでもできるので、小さいお子さんと一緒に作ってもいいでしょう。
たらこはよくお年寄りから話を聞くのだが、昔はよく芋餅を食べていたと話す老人が多い。
サツマイモにはツルがあるが、貧しい時代はそのツルでさえ食べたそうだ。
きんぴらや佃煮にするとおいしいらしい。
たらこはいまだにサツマイモのツルを食べたことがないが、どんな味がするのか気になる。
その食材をスーパーで見かけることはないだろうけど。
サツマイモを見ると、その話を必ず思い出す。
甘くておいしいサツマイモ。
かつてはその身だけでなく、ツルでさえ食していた時代があった。
遠い昔の話になるけれど、決して忘れてはならないと、たらこは思うのです。