HERO3
「よぉ天野ォ」
もうお約束と化した気がした。
「鎌瀬君。どうしたの?」
「今日こそ勝たせてもらうぜ。チート野郎」
鎌瀬、神保、田代、新沼、市川が現れ、バトルアーツを取り出した。
「行け! その青い剣士をブッ壊しちまえ!」
「ヘッ、雑魚が徒党を組んだところで!」
「守人、俺も行っていいか?」
驚愕したのは鎌瀬だった。守人が赤い剣士のバトルアーツを持っていたからだ。
「なんだテメエ! 新しいバトルアーツを!」
一瞬鎌瀬軍団は怯んだ。しかし鎌瀬の軍団はをれを無かったかのように、ラディすけに襲いかかる。
「頼むよヒロ太」
二人の剣士は、カマセ軍団に襲いかかった。
「あ」
っというヒマもなかった。それくらい迅速に、カマセ軍団を処理した。
「ヘッ、オトトイ来やがれ!」
二剣士は、各々の剣をしまう。
そしてヒロ太は一歩前に出てラディすけと守人の方を向いた。
「なんだよ」
「どうしたの?」
「ここで別れよう」
唐突な言葉に、ラディすけも守人も驚きの声を隠せなかった。
「俺ははぐれ者。アンタらといると、オレの疫病神がうつっちまうからな」
「そんなことないよ。疫病神だなんて」
止める守人だったが、ラディすけは守人に声をかけた。
「別れようってんだから止めねえ方がいいよ」
「でもラディすけ」
ラディすけは守人の肩に乗る。
「じゃあな。また会うこともあるだろうけど、その時は」
「ああ、また剣を交えよう」
そしてヒロ太は立ち去ろううとした。
そんなヒロ太は横に吹っ飛ばされた。
「あ」
守人は思わず声を出してしまった。ヒロ太は飛び出てきたキャットに襲われたのだ。
「うおおお! 止めろ! このクソキャットめ!」
守人は「ああ、もう」とキャットを追い払う。
「せっかくキレイにしたのに」
赤い鎧はまたくすんでしまった。しかし、こんなノラにはちょうどいいのかもしれない。
「あーあ。また守人に鎧洗ってもらわねえとな。な、ヒロ太さんよ」
ニヤリと笑うラディすけに、作為的なものを感じたが、ヒロ太は同意した。
「すまない。また世話になる」
「うん、かまわないよ!」
こうして守人の家にもう一人客人が加わったのだった。