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観測都市 死にたがりの観測者  作者: 笹木夕
3章 観測都市
17/30

17

 次に起きたのもまた夜だった。どうやら明け方が近いらしく、遠くの空が白んできているのが見える。

「ようやくお目覚めか。まる二日くらい寝てたぞ、お前」

「うわっ?」

 その空に波紋が浮かんで、ぬうっと腕が、ついで足が、最後に金髪の頭が入ってくる。薄ぼけた光にも煌めく金髪を見てアインと呼ぼうとしたが、

(ちがう)

 断りもなく上がり込んだ部屋で、椅子の背もたれに腕と顎を乗せるような気の抜けた座り方をアインはしない。するのは藍川だ。藍川、いや正しくは観測都市のアインと言うべきだろうか。創世世界(あっち)のアインと毎日顔を合わせていたためか、ほんの数日ぶりぐらいにも思えるし、何ヶ月も会っていなかったような気もする。

 ただとにかく言いたいのは。

「……十発くらい殴らせろ」

 ひとを勝手につくって、しかも別世界に放り出しておいて、「後で行く」なんて言ったくせに絶体絶命の瞬間にも助けに来もしないで(来なくていいとは言ったが)、今更よくもおめおめと顔が出せたものだ。

「結局行かなかったのは悪かったよ。当然っちゃ当然なんだが、観測世界への接続が遮断されちまってな。──殴ったって別にいいけど、多分今はお前の手の方が痛いぞ」

「う」

 言われて改めて見下ろした拳はまるっこく頼りなくて、自分のからだとはいえ乱暴に扱うことは躊躇われた。それにこちらが痛い思いをするのは割に合わない。ベッドから降りて、にやにや笑いの頬を力一杯引き伸ばしてやる。

「あででででで」

「クソ野郎、イケメン返上しろ、このバカ」

「苦情は星冠のヤツらに直接言ってくれ、造形はあっちが大元だ」

「言えるかバカ」

 上下左右に引っ張り倒したところで飽きたので解放してやる。

「……藍川とアイン、どっちで呼べばいい?」

「どっちでも。藍川は日本の筐体の名前で、本質、星径としての名前はアインだけど。でもお前にとっちゃ、創世世界のアインとややこしいだろ?」

 見た目が金髪になっても、観測都市特有らしい白い長衣を着ていても、やはり自分にとっては藍川は藍川でしかない。それにアインの名は創世世界の方の彼で馴染んでしまった。だから頷く。

「それより腹減らね? こっち来てからまだメシ食ってねーだろ」

「減って……は、ないみたいだけど。そういえば、水も一回しか飲んでないな。……二日寝てたって言ったか?」

「そうそう。実際観測都市(ここ)の筐体にゃ食事も必要なけりゃ排泄もないわけだが。食うのって栄養補給のためだけじゃねーし。つーわけで、食堂行くぞー」

「お、おう」

 確かに、食べなくていいというのは楽だが少し味気ない。それにどんなものが食べられるかにも興味があった。ベッドの足元に置かれていた柔らかい素材の靴に足を突っ込んで、藍川について部屋を出る。

「にしても、なんかここ来てから寝てばっかいる気がする……じいちゃんみたいだな」

「逆。年寄りじゃなくて赤ん坊。それも超未熟児」

「はあ? ……そりゃ“星としては”そうなんだろうけど……」

 ガキ扱いされたと思って反射的にかちんと来たが、そういえば藍川の方こそ見た目通りの高校生ではないのだった。“地球の日本の高校生”の肩書きなんて意味をなさない、観測者という宇宙人的存在。藍川は前を向いたままめんどくさそうに右手をふらふらと揺らす。

(でもメムはしょうがないにしても、藍川にまで子ども扱いされるのってめっちゃ複雑……)

 幼いからだに歩幅を合わせられているのにもしばらくしてから気づいて、ますます何とも言えない気持ちになった。

 

 食堂は塔の上層から転移陣でかなり下層に移動したところにあった。吹き抜け構造の真下で、なんだかショッピングモールのフードコートを思わせる。

 夜明け間際だからか他には誰もいない。カウンターで何やら操作している藍川は、三分もしないうちに両手にどんぶり……めいたお椀を二つ持って戻ってきた。

「へいお待ち~」

「ラーメン屋みたい……ってか、まんまラーメンか? なんか……スープが苔色だけど……」

「まあまあ、味は保証するから食ってみろよ」

「ええ~……」

 深緑の見た目からはお茶か海苔の味しかイメージできないが、匂いはこってりした肉のものだ。藍川は尻込みする新に構わず、箸とれんげ(二度見したがどう見ても箸とれんげだ)でさっさと食べ始めた。半信半疑で青みがかった(!)麺を一本引っ張り出して啜ってみれば、

「あ、豚骨……もどき」

 れんげで掬った緑のスープもちゃんと豚骨風スープの味がする。

「だろ。日本のラーメンは観測世界のメシの中でもオレ的に大ヒットだから、かなり研究してもらってんだ。色はどうにもなんないらしいけど」

「へえ」

 藍川と向かい合ってラーメン(緑)を啜っていると、まるで高校の昼休みの学食で、ここが宇宙人の星で自分も藍川も宇宙人だなんて事実の方が嘘みたいに思える。

「観測都市じゃ各観測世界の文化、文明の情報を収集して取り入れてるってのはメムからも聞いてんだろ。もちろん食文化もだ」

「なるほどな。お前が放課後しょっちゅうラーメン屋巡りしてたのもここに生かされてるってわけだ」

「まーな」

 誇らしげにする藍川へ、褒めてない、と突っ込みつつ味玉のようなものを箸で割る。黄身が黄色でなく艶のある黒だったが、味はちゃんと美味しい玉子だった。

「ちなみに観測都市の筐体で食ったもんは全部、筐体を維持するエネルギーになる。だから食っても飲んでも出すもんがない」

「なるほど……便利じゃん」

 トイレは見つからないのではなく、そもそもつくられていないようだ。食事中にする話でもないが、何も気を遣わなくていいやり取りは随分と久しぶりに感じた。


 食べ終えて、転移陣を使って元いた上層に戻ってきたが、藍川は新が使っている部屋を通り過ぎて回廊の奥へと進む。躊躇する新に半身で振り返って顎をしゃくって、すたすたと歩いていく。迷ったが結局ついていくことにした。塔の半周ほど進んで、何もない壁の前で立ち止まる。

「藍川?」

「ここが、シンの部屋……だった場所。今は立ち入り禁止で封印中」

「え……」

 さらりと乾いた声で言って、回廊の外側に設られたテラスへ出ていくので、その横に並ぶ。手摺の格子ごしに見下ろす街は、夜明けの光に照らされて独特のフォルムの建築物が並んでいるのが見える。ぼうと突き出た二つの巨大な塔が黒々と聳え立つ。空気は室内よりも少しひんやりとしているが、衣類のおかげか体は寒くない。

「なんで観測者のシンが、創世世界で魔王になったか、知りたい?」

 手摺に両肘を乗せて寄りかかった藍川は、こちらを見ないままでそう言う。どこを見ているのか、何を考えているのか掴めない横顔を眺めながら「聞いてもいいなら」と返す。

「お前には聞く権利があるからな。……オレが唆してやったのさ」

 藍川はそう囁いて、昔話を始めた。

 

「元のシンは堅物の審判者だった」

 星径の〈審判〉を司る星として、観測世界に干渉する際に道をはずれた星径を止める役割だった、と纏める。

「タフで何にも動じない奴だった、クソ真面目に淡々と輝度きどを上げ続けるばっかりで。観測で悪さをする奴がいれば、自分を慕ってたような相手でも冷静に公平に処罰した。……でもホドの星冠継承の話が出た時、初めてシンの足元が揺らいだ」

「シンは、ホドになりたくなかった」

 峻国に入った時にメムとした話を思い返す。

「結論としちゃ、そういうことだ。それだけのことだった。──でも、まさかシンがそんなことを望むなんて、だーれも思わなかったんだよ」



「ホドの星、もうすぐ、終わる。次のホドは、きみ、シン」

 その話が出た時、アインもまたその場にいた。二人で組んでの長期観測から戻った星鏡の間で、ダアトがシンへ告げるのを、横で流し聞いた。シンとは昔から長くいる同士、組んで観測することが多くなっていた。

 何も言葉を発しないのを訝ってシンの顔を見やれば、いつも無表情で冷静な相手には珍しく目を見開いて固まっていた。

 出世じゃん、と茶化してみても答えなかった。星冠の継承はそうあることではないが、星径として生まれた瞬間から理解していることでもある。だからシンもごく当然に受け止めるだろうと思って疑わなかった。

 シンの白皙の頬が静かに濡れていくのを、アインもダアトも驚きをもって見た。シン自身も泣いていることにすらしばらく気づかない有り様だった。

 泣くのを見たのは後にも先にもその一度きりで。コイツにも涙があったんだな、とどうでもいいことを考えていた。

「……私は」

 審判を司るものとして常に公平であれと、無私であれと過ごしてきたのに。

 重くなっていく静寂にシンの言葉がぽつぽつと落ちた。

「星の定めを。……呪わしく、思う日が来るとは。しかし、あの方の星は常に私の上に輝くものなのだと……そう思っていた」

「ホドの在位、長かった。シンもふるい星。──さびしく思うのは、しかたのないことだ」

 ダアトは柔らかく言って、おそらくシンを気遣って星鏡の間を出て行った。アインにも視線を寄越したが、アインは動かなかった。……動けなかった。

 シンがホドから星冠を譲られれば、ホドの力も記憶も引き継がれ、シンはホドそのものになる。

 アインにとっても、シンの星はずっと同じ位置に、アインと同じく星径であるものだと思っていた。今しがた終えたばかりの観測が、シンと共に出る最後の観測になったのだと遅れて気づいた。

 ホドが消える。それは今のシンもまた、消えることを意味している。

 シンと二人、どれほどそこにいたのかは覚えていない。何時間もいたような気もするし、ほんの数分だったようにも思う。

 天に輝く星命の樹を、ただ見上げていた。シンがホドの星を仰ぐ隣で、アインはシンの星を眺めていた。

 

 ◇


「そこに光が降ってきて、新しい星鏡が生まれた。──同時に二つ」

 それは今地球世界と創世世界と呼ばれていることを新に伝えると、はっと息を呑む。

 どちらの星鏡にもシンとアインの星が記されていた。そして創世世界には、消えゆく星の最後の光のように煌々と輝く、ホドの星もあった。

「二つの星鏡が生まれる瞬間に居合わせちまったのが、事の始まりだった。でもあの瞬間に現れたのも、きっと星の巡りだったんだろうな」

 そう言ったならメムは激怒するだろうが、アインには今でもそうとしか思えない。

 

 ◇


 頬を拭い、ダアトに新たな星鏡の顕現を報告に行こうと踵を返したシンの腕を掴んで引き留めた。シンもアインも長期観測から帰ってきたばかりで、次の観測にはしばらく出られない規定だった。つまり、あの観測世界には、どちらも行くことができない。

 しかし新しい観測世界でのホドの星の動きによっては、ホドの星冠継承はまだ先になるかもしれない、と言えばシンの腕から力が抜けた。

「ふたつとも……隠しちまえばいい」

 ホドの星が顕れたのはひとつでも、ふたつが同時に顕現したことには意味があるはずだ、と。

 我ながら、まさしく悪魔の囁きだと思った。

 シンの星径の力、〈位置の変化〉を用いればそれが可能なのではないかと気づいてしまったら、言わずにはおれなかった。

 試してみたい。本当にできるかどうか、知りたい。──そしてもし、ホドの延命が叶うのであれば。

 誰もしたことのない行いを、見たことのないものを、見てみたい。その欲求は、渇望は、観測者の星辰に刻み込まれた宿業だった。

「…………星鏡を、隠すなど許されない」

 長すぎる間の後で、シンはそう絞り出した。けれど声も瞳もどうしようもなく揺れていた。

「観測の、機会は。資格ある観測者に公平に与えられるべき、ものだ。──観測者は、いかなる場合でも……私情を交えず、観測を行わねばならない」

 だから、自分に言い聞かせるように訥々と言葉を重ねるシンの耳元へ、こう囁くだけでよかった。

「お前以外のヤツが観た観測結果で、ホドの星冠継承が決定的になってもいいのか?」

 シンの体から、顔から、力も表情も抜け落ちた。ホドによく似た黄昏の瞳に黄金が映り込んで、不吉を招く夕べのように虚ろな色になって、背筋が震えた。

「自分ならホドのためにしてやれることがあったかもしれないと後悔しないか? あるいは、それも叶わないなら。──せめて自分で、ホドの命運が尽きる瞬間を、見届けたいとは思わないのか?」

 

 ◇


「観測者っていうのはそう生き物なんだよ」

 まだ己が観測者であることへの自覚も薄い小さな筐体を見下ろす。終末を象徴する黄昏に悪魔の黄金を混ぜたはずの瞳は、過酷な運命に放り込まれてもなお、どこか嵐の後の夕陽のような明るさを残している。

「自分の目で観たい、確かめたいっていう欲求が、星辰の──魂の根っこにどうしたってあるんだ。お前にももう、ちっとは分かるんじゃないか?」

「…………」

 小さな手が手摺を強く握りしめる。図星を刺されて黙り込むのも、下唇を少し噛むのも、あまりに見慣れてしまった仕草だ。何せ二人分、星ふたつ分、よく知っている。

「それが決定打だったな。シンは誘いに乗った。星径の定めだの使命だのの前に、アイツもただのひとりの観測者だったってことだ。他ならぬ自分自身で観たいんだよ──大事な相手の運命なら、尚更な」

 そしてアイン自身もまた、その希求からは逃れ得ないことを分かっている。

 

 ◇


 星鏡をシンの〈位置の変化〉でシンの私室へ移動させて、アインの〈黒魔術〉で隠匿した。ふたつの星径が備えた力をもってすれば、呆気ないほどに簡単に為されてしまった。

 その時はまだ名もない世界だった、のちの創世世界は、実際に観測してみれば安定した面白みのない世界で拍子抜けした。魔王という敵性存在はいるようだが未だ封印されたままで、他国との戦争も当分起こりそうもなかった。改編期の兆しはあったが、大改編までにはならないだろうというところだった。

 最初こそシンと共に接続したが、アインは退屈に負けて早々に切り上げた。シンは幾度も繰り返し接続し、当面は大きな動きがないとようやく認めた。

 ──変化が少ないということはつまり、輝度は下がらないが上がることもないということだ。大改編で輝度が大きく変化でもしない限り、ホドの星冠継承を覆すには至らない。

 創世世界でホドの星を確かめては安堵と絶望を反復する日々に憔悴していくシンを知りながら、アインはひとりで接続した地球世界の観測にのめり込んでいった。

 刺激と娯楽を無秩序に詰め込んだような世界だった。目立った敵性存在はなく、人類が至るところで繁栄し、多種多様な文明があった。アインの連星の筐体が、手軽に世界中の情報に触れられる文化圏に生息していたこともあって、毎日毎日情報の海に浸り続けた。

 ロールプレイングゲームという娯楽のシナリオライターという職に就いていたことも、アインに都合よく働いた。

 新しく立ち上がった企画に、創世世界の星々を、観測者の要素をできるだけ織り込んでやった。

 “勇者アインの幼馴染のシンが魔王になる”という流れは誰の思いつきから始まったことだったか。主人公という属性を分かりやすく、という条件の元、キャラクターデザインと設定が気づけば観測者のアインに寄っていったので、それならばと幼馴染役にはシンを配置した。

 そこから、架空の物語を多数の連星に読ませることで、星々の運行に影響は出るのかを試したくなった。偉大な権力者として描かれた者の輝度は上がるのか。敵性存在として死ぬ運命を課せられた者の輝度は下がるのか。屑星のようなあまりにも矮小な可能性を積み上げて、一度軌道を定めた星の定めを動かせるのか。そんな馬鹿げた実験に取り憑かれた。──これこそふたつの星鏡が同時に顕れた意味なのだと。

 地球世界も創世世界もその時点ではまだ“観測都市にとっては存在しない”世界だ。星々の輝度に多少不自然な変動があっても、原因が特定できない以上“未観測の観測世界での輝度変動の可能性”ですべて片付けられる。

「ホドの運命を、オレ達で書き換えられる」

 いくらかやつれた面持ちのシンに言えば、力ない様子でそれでも首を振った。

「……それこそ、許されざることだ。もう、いい。もう……疲れた。ダアトにふたつの星鏡を報告し、私は裁きを受ける」

 シンは犯した罪の重さに耐えかねるように低く呻いたが、それでも、まったく不可能だとは言わなかった。だから最後に、もう一度その薄い背を押してやった。

「星鏡を隠匿したとなれば、オレたちは当然星径の位を剥奪されるだろう。ホドの星径の務めはメムに委ねられるんだろうが、アイツにゃまだ星冠の器は早すぎる。ホドを継承するどころか、押し潰されて消えて共倒れだ。……全部、失くしちまってもいいのか」

 年若い兄弟分が塵になり、輝ける栄光の星も消え失せる。無限とも思える長い時を経て、まったく違う新しい星が再び“ホド”としてその座につく。それはもう、シンが仰いだ黄昏ではない。

 シンは目を伏せて唇を噛み締め、何も言わず、動かなかった。

「そう長い期間じゃない、創世世界のホドの連星が安定するまでの話だ。“新しく”生まれた連星が高い輝度で安定してるとなりゃ、星冠継承の話は一旦先送りされる。その間に他のホドの連星も“安定させる”。──お前はただ観てるだけでいい。時間さえあれば、うまくいく」

 首を振ることも、なかった。

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