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転生英雄の学園譚  作者: 柊銀華
学園入学前
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英雄はこの世界を知る。③

 図書室で、この世界の。この国の成り立ちを。本で勉強したけど、分からないことが多すぎる。魔法陣も術式も貴族に関しても分からなすぎる。

 ルキウスに聞くとしよう。と思ったところで、ルキウスが図書室に入ってくる。


「お坊ちゃま。そろそろ、お昼の時間になります。食堂にいらしてください」

「うん。分かった」


 俺は本を机の上に置いたまま、ルキウスと一緒に図書室を出た。


 出た後、俺はルキウスにいろんな事を聞き始めた。

「ルキウス」

「なんでしょうか、お坊ちゃま」

「さっき、魔法の復習していたけど」

「どうかなさいましたか?」

「どうして魔法陣の術式があんなに複雑なの(・・・・)?」


 率直な質問にルキウスは


「……坊ちゃま。大丈夫ですか?」

「……え?」


 俺は思わず、キョトンとする。大丈夫? どういうことだ? 全然意味が分からないのだけど…


 ルキウスの聞き返しの意味が分からない。


「なんで、心配されるんだ」


 心配なのはあなたの方です。と、喉元まで出かかっていた言葉を、ルキウスは驚異的な精神力で呑み込む。彼からしたら、自分の主人が朝からおかしいと思う。昨日まで無邪気な子供が楽しそうに笑ってくる。ファーレン家の嫡男。しかし、そんな無邪気な子供の俺が、魔法のことで不思議そうな顔をして聞いてくるのか。朝から違和感が拭いきれないでいた。


 そんなルキウスの心境も気づくこともなく、俺は魔法について考えていた。

 英雄だった頃、魔法ではなく魔術が広く頻繁に浸透していた。魔術というのは神々や精霊たちが俺たち人間に教えてくれた。だけど、あんなに複雑じゃなく、至極簡単な術式を教えてくれた。

 俺だって、神々や精霊たちから教えてもらったのを今でも憶えている。だからこそ、本に記載されている魔法という術式がなんで、そこまでするのかが分からない。あと、なんで、本なんかで魔法なんかを知らないといけないんだろう。それだったら、神々や精霊たちに教えてもらっていた方がまだ楽だと思うのに、というのが俺の心境だ。

 まあ、とりあえず、ルキウスの話を聞くとしよう。


「お坊ちゃま。その話についてはお昼のあとにしませんか」


 ん? 昼食の後に話す? しょうがない。という気持ちを胸に俺は食堂へ向かった。

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