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転生英雄の学園譚  作者: 柊銀華
学園入学
67/302

英雄は怪物、“アステリオン”と戦う。

 門の前に立つ怪物。俺とレインは後ろの扉を見て呟く。

「宝物庫へ通じる扉だけど……」

「明らかにここは通しませんって感じで立っているな」

 しかも、あの怪物……見覚えがある。忘れもしない。

 ティア殿下はジッと目を凝らし、門番を見る。

「な、なに、あの怪物……」

 信じられないものでも見たかの如く、一歩、後ろに引いてしまう。

「い、いったい、何人殺しているのよ。こんな殺気、生まれて初めて感じた」

 顔を青ざめる。ニナやジノ、ナルスリー、シューテルの四人も怪物が放っている殺気に身体が震えている。

「モンドスの野郎よりも痛ぇ」

「それに……重い」

「重すぎる」

「こんなの……お父さん以上……」

 目の前の怪物に気圧され、冷や汗が止まらない。

 俺は紅と蒼の目で怪物を見る。

「ん?」

 ここで違和感を覚える。

狂っている?

そう。目の前の怪物は明らかに狂っている。だが、言えることは一つ。

「レイン」

「ええ……あの怪物は“アステリオン”」

 俺は実習前に講師が渡してくれた刃がある剣を鞘から抜く。

 俺が剣を抜いたのに合わせて、ティア殿下たちも剣を抜く。

「あれが……“アステリオン”」

「化物じゃねぇか」

「牛の角が生えているし……っていうか、見た目が歪よ」

「見た目は人っぽいけど、よく見ると、上半身は牛で、下半身は人間じゃない」

 抗議の声をあげるニナたち。だけど、ティア殿下だけは“アステリオン”なる怪物を注意深く見る。

「もしかして、あれって……伝説に聞く“()()()()()()”?」

 確証がつく言葉を投げかける。

 彼女の問い投げにレインはコクッと頷く。

「ええ、正解よ。ティアちゃん」

「“ミノタウルス”!?」

「あれって……神話やお伽噺に出る怪物なんじゃあ……」

 ニナとジノが驚きを隠せず聞き返す。

「神話やお伽噺とは別に“ミノタウルス”は実在する。さらに言うなら、あの怪物は()()()()()()()()()()()()()()()半血族(ハーフ)”なんだ」

 俺が皆に“ミノタウルス”が実在するのを明かす。そして、“アステリオン”が半血族(ハーフ)であることも明かす。

半血族(ハーフ)?」

 と、聞き慣れない単語を聞き、疑問符を浮かべつつ言い返す。

半血族(ハーフ)ってのは人間と異種族の間に生まれた子供を指す。人間としてみてもらえず、異種族としても見てもらえない憐れな存在。人々から差別され、迫害され、その果てに害をなす怪物へと成り果てる。お伽噺に出る“ミノタウルス”や“ケンタウルス”も迫害された半血族(ハーフ)なんだ」

「酷い……」

「同じ人として見てもらえない」

「そんな残酷なことが…あっていいの…?」

 ティア殿下、ニナ、ナルスリーは気分を害していた。実際のところ、レインも胸くそ悪いと悪態を吐いたことがある。

「だがよ。差別や迫害にしては安直じゃねぇのか? 親父から、そんなの聞いたことねぇ」

「僕も…」

「そうだろうな。それが人族(ヒューマン)()()でもある」

「汚点?」

「汚点ってどういうこと?」

 シューテルとナルスリーの二人が詳しいことを聞こうとする。だが――。

「詳しい話は後だ。構えろ」

 俺は剣を構えるよう命じる。今にでも、目の前の怪物が動きだしそうだからだ。


 グルルッと唸り声を上げる怪物、“アステリオン”。ギリッと歯軋りした後――、

『ガァァアアアアアアアアアアアアア――――――――!!!!』

 鼓膜が破れそうなほどの咆哮。

 ビリビリと身体を突き抜ける衝撃。剣を構えていないと気圧されてしまう。

 咆吼だけでも腰が抜けそうなのに身体の大きさでも一回り二回りも差がある。

 流石、“アステリオン”。千年前の時から変わっていない。


 俺が剣を構えると同時に“アステリオン”は再び、咆吼を上げた。

「また、咆吼かよ」

「……骨が軋む」

 ビリビリと身体に衝撃が突き抜ける。背後から――、

 グルルッと唸り声が耳に入る。

 ニナとジノは後ろを振り向くと夥しいとはいかないが狼型の魔物の群れがジリジリと近づいてきている。

「どうやら、袋小路になったな」

「そのようね」

「レイン。キミは――」

「分かっているわ。私はティアちゃんたちの方に回るわ」

「俺の意図を分かってくれて助かる。ティア。キミたちは後ろの魔物共を頼む」

「それは良いけど……ズィルバーは?」

「そんなの…決まってるだろう…」

 構える剣に“動の闘気”をこれでもかって纏う。

「俺が、あの怪物を相手する」

 “アステリオン”は俺の敵だというばかりに言い切る。

 俺の言い切りにティア殿下は動じる。

「ダメよ! あんな怪物。あんただけに任せていられない。ここは私たち全員――……ッ!?」

 ガコンッと衝突音が轟き、凄まじき衝撃波が彼らの身体に突き抜ける。

「そんなことを言ってる場合じゃない!! 俺の言うことを聞け!!」

 ティア殿下に叫んだ後、目の前の怪物、“アステリオン”に集中することにした。


 俺と“アステリオン”が戦い始めたのと同時にレインはティア殿下たちを鼓舞する。

「怪物はズィルバーに任せて、私たちは魔物共を倒すわよ」

「でも……」

 ティア殿下は(ズィルバー)を心配そうな目で見る。

「貴方たちはズィルバーに命を託したのでしょう!! ここで彼を信じないで、いつ信じるって言うの!! ここはリーダーを信じなさい!!」

 喝を入れる。

 レインに一喝されて、ティア殿下は不甲斐ない自分が許せず、ギリッと歯軋りした。

「あぁ~、もう!! わかったわよ。死ぬんじゃないよ!! ズィルバー!!」

 自分に怒鳴りつける形で吹っ切れて、目の前の魔物の群れに集中した。




 (ズィルバー)たちが怪物、“アステリオン”と魔物の群れと戦い始めた時、学園ではというと――。

 大会議室にて。

「第二帝都の地下迷宮に関して、なにか情報がないか?」

 皇帝陛下は会議に参加している者たちに問いかける。

「現在、講師が総出で資料室、図書室にある全ての本を洗い回しで調査中です。報告まで、もう少し時間を要します」

 キンバリー講師が現状を知らせる。

 と、そこに大会議室の扉を強引に開かれた。

「大変です!」

「どうした?」

 息を切らして、職員が報告した。

「地下迷宮の魔物が急な動きを始めました!」

「なに!? 詳しく教えろ!」

「門番をしている衛士が「魔物が一斉に地下へと進んでいくのを見た」と言っていました」

 職員の報告にモンドス講師は魔物の習性を思い出す。

「今まで見たことねぇな。“迷宮”の魔物が一斉に地下へ行くのは……」

「モンドス講師。それは本当ですか?」

「ああ、地上と“迷宮”とでは魔物の習性は違ぇ。魔物の世界は弱肉強食。それは変わりねぇが、地上の場合は群れをなすことが多く、“迷宮”では個の力に固執しているところがある。言うなれば、我の強ぇ魔物がいる所だ。そんな奴らが一斉に動きだすなんざ。“迷宮”でなにかが起きているとしか思えねぇな」

 モンドス講師は考察する。

 彼の考察を聞き、学園長は皇帝陛下に進言する。

「陛下。今すぐに親衛隊の配備を……」

「ふむ…」

 だが、皇帝陛下は深く考え込む。それだけの理由で親衛隊を動かしていいのか、と一計を案じる。

「“迷宮”に関して、情報が少なすぎる。大帝都にいる学者たちも動かせ! 帝立図書館にある書物にも“迷宮”に関する情報を全て洗い出せ! と命じろ!」

「は、はい!」

 職員は皇帝陛下の命令を聞き、すぐさま、動きだす。




 大会議室を後にし、第二帝都の貴族区、ファーレン公爵家の屋敷。

 食堂では――、

「ティア……」

 妹の心配するエリザベス殿下。

「大丈夫よ、リズ」

「ええ、ズィルバーが付いているのよ」

 エルダとヒルデが励ます。

「それはそうだけど……あの娘はまだ、10歳よ」

「心配しすぎよ」

「ズィルバーだって、まだ10歳。今は帰ってくることを信じましょう」

「エルダ……ヒルデ……」

「私やヒルデだって、心配よ」

「でも、あの子は帰ってくる。私たちはそう信じてる」

 エルダとヒルデのあっけらかんとしている様に呆れたのかエリザベス殿下は息を吐く。

「どうして、自分の弟を信じられるの?」

 そんな風に至るわけを知りたくなるエリザベス殿下。

「どうって言われても……」

「女の勘よ」

 ヒルデは直感と言い切る。

 これにはエリザベス殿下も呆れ返るほかなかった。

「なんか、二人に聞こうとした私がバカに見える」

 テーブルに突っ伏すのだった。




 場面が戻って、地下迷宮の最深部。

 ここでは今、生き残りを懸けた戦いが起こっていた。


 右手に戦斧を持ち、“動の闘気”を纏って叩きつけるように俺へと振り下ろした。

 俺はそれに一歩も退くことなく剣で受け止め、バリバリと二人の“闘気”が激突する。

 巻き起こる爆風に髪を靡かせながら二人は互いの武器をぶつけ合い、怪物、“アステリオン”が一歩下がって左手を後ろ手に構えた。

『ウガァァアアアアアアア――――――――!!!!』

 “動の闘気”を纏った掌を俺目掛けて叩きつけ、防御の上から俺に叩き込む。

 その爆風が俺の背後にいるティア殿下たちごと呑まれる広がりを見せ――

「“神太刀流(かみのたちながし)”」

 剣を流して、の掌を地面に叩きつけた。

 地面に叩きつけた爆風を利用して、俺は軽やかに回避し、距離を置く。

 厄介な相手を敵にしたな。相変わらず、硬い上に速いし重い。

 少しだけ頬を切ったものの俺は厄介な相手を前にして、距離を置きながら、宝物庫の方へ向かうように動く。

 “アステリオン”の目には俺しか映っていない。なので、ティア殿下たちの方には見向きもしない。それはそれで助かる。

 あの怪物が彼らの方に意識を向けたら、不味いからな。

「全く、難儀な相手だ」

 思わず、愚痴を漏らす。

 “アステリオン”の戦斧の乱撃はいくらでも捌けるが、“動の闘気”を纏った掌、拳は厄介だ。

 隙を見て“闘気”を纏わせた剣を振るうも効果があるようには見えなかった。

 攻撃範囲が見かけによらず広いので、近くで戦うと皆を巻き込みかねない。

 さらに言えば、魔物の群れが収まらないな。あれじゃあ、大軍勢(スタンピード)だぞ。

「チッ…!!」

 どちらにしても、俺たちに分が悪い。

 まあ、幸い、“アステリオン”は周りを考えずに攻撃している。攻撃の余波で魔物がやられる分には助かるな。

「グガァァアアアアアアア――――――――!!!!」

 咆吼を上げ、適確に俺を狙って戦斧を振るう“アステリオン”。それを紙一重で躱し続け、皆から十分離れたところで反撃に出た。

「――“神大槍(かみのおおやり)”・“威王(いおう)”」

「グア!?」

 抉り取るように放たれた俺の斬撃を受け止め、“アステリオン”が驚愕に目を見開く。


 今の技は巨人族(ギガント)が扱う技。千年前、巨人族(ギガント)と出会い。そこで修行するも覚えることが出来ず、独自の修練によるアレンジで昇華させた技だ。

 斬撃というが、技の本質は槍である。“闘気”を纏った剣を振るい、斬撃を大砲として放つ。その一撃はあたかも槍が貫通したように見える。


 今の技を放っても傷が少々できた程度。

 やはり、並の剣じゃああれぐらいしか傷ができないか。だが、それでも傷ができたのは確かだ。

「グガァァアアアアアアア――――――――!!!!」

 雄叫びを上げ、一層激しさを増す“アステリオン”の攻撃を剣一本で捌き、なんとか隙がないか“静の闘気”を最大限に張り巡らせる。

 ただの乱撃では仕留められないと判断したのか、“アステリオン”は戦斧を放り捨て“闘気”を纏った拳を俺に叩きつける。

「チッーー」

 あれは防げないと判断し、即座に距離を置いて拳を回避する。地面が容易く砕け、爆風が舞う。

 俺は舞う爆風に紛れ、“アステリオン”の顔面に強烈な蹴りを叩き込んだ。

 渾身の一撃とはいかず、強烈な一撃だったが、吹き飛ばすまではいかずとも蹈鞴を踏ませることはできた。

「チッ」

 さっきも言ったが、相変わらず、硬いな。

 皮膚と体毛が硬いせいで大したダメージにもなっていない。

 鉄の塊いや鋼鉄とやり合っている気分だ。

 俺の蹴りだって、“動の闘気”を纏わせているんだぞ。並の相手なら今の一撃で砕けるか大怪我を負うのだが、“アステリオン”の身体は千年前からずっと頑丈さだけが取り柄って思ってしまう。

 だけども、効いていないというわけではない。持久戦になるが、時間をかければ倒せるはず――と、考えたところで一度、中断する。

 “アステリオン”は放り捨てた戦斧を回収し、“動の闘気”を目ではっきり見えるほどに纏わせ、叩きつけた。

「グガァァアアアア――――!!」

 なにもかも破壊する魔性の戦斧を振り回し、俺の首を落とそうとする“アステリオン”。

 俺は構えてそれを受け止めるが、剣が叩き折ろうとする刃は流石に受け止めきれないと判断したのか、自分の身体を浮かせて吹き飛ばされる。

 そのまま距離を置いた俺は剣の鋒を地面に叩きつける。

「“氷雨羅刹”」

 叩きつけた剣を斬りあげ、飛来する飛礫で弾き飛ばし、追撃しようと追ってきた“アステリオン”の身体に突き刺さそうとする。だが――。

「この程度は無理か……」

 防御すらせず、あたかも狂戦士のかの如く、飛礫に突っ込み、一切傷を作ることなく俺へ一直線に向かってきた。

 飛礫が通用しない。“闘気”すら込めていない武器では傷など作れない。なにより厄介なのは、隙を作ろうにも“闘気”を纏った拳が強烈すぎて、真面に隙が作れないことだ。

 流石、“迷宮”を作る怪物。その名に相応しい力を持っている。千年前の俺も彼奴に再起不能の傷を与えて、なんとか逃げ切るの精一杯だった。

「ヘ……ルト…………」

「ん?」

 どうしたんだ、いったい。急に止まったぞ。此奴……

「ヘル……ト……」

 徐々に聞こえてきたな。いったい、誰のことを言っているんだ?

()()()……()()()()()()()()()()()()()――――――――!!!!」

 ビリビリと身体を突き抜ける咆吼を上げる。

 あの咆吼には、凄まじき怒りが篭もっていた。っていうか、俺かよ!?

「どこまで憎んでいるんだよ」

 俺は内心、息をついてしまう。

 “アステリオン”の咆吼は時に魔物の群れを吹き飛ばすほどの圧がある。

 俺が“アステリオン”と対峙してると――

「ズィルバー!」

 ティア殿下が声をあげる。

 俺は目線を後ろに向ける。ティア殿下たちが俺に目を向けていた。見たところ、身体中、ボロボロだった。それほど激しい戦いだったのだろう。

「大丈夫か?」

「ああ、あの怪物の余波で魔物共が吹き飛ばされた」

「おかげで私たちは無事よ」

 シューテルとナルスリーが事情と報告してくれた。

 無事なのは嬉しいが……服を見てみれば、煤や埃が被っていて、爪で引き裂かれたのかボロボロなのがわかる。

「随分とボロボロのようだが?」

「しょうがないでしょう。あの魔物共…異様に硬いんだもん…」

「否定はせん。とにかく、生きていれば問題ない」

 今は俺も目の前の“アステリオン”に集中しないといけないから。

 俺は罅が入っている剣を見る。先ほどの一撃で悲鳴を上げてしまったか。不味いな。長期戦になれば勝機があると思ったが武器のことを考慮していなかった。

 このままでは――。

「ヘルト……ヘルトォオオオオオオオオオ――――――――!!!!」

 又もや、雄叫びを上げる“アステリオン”。“静の闘気”を使わなくてもわかる。目ではっきり見えるほど、恨みと嫉み、怒りなどの負の感情が“闘気”いや魔力となって立ち上っている。


 “アステリオン”から立ち上る負の感情によって変質した禍々しい魔力に俺もそうだが、レインも悲しげな目を向ける。

「そこまで堕ちたの……そこまで…()()()()()()()()()()()()()()()…“アステリオン”」

 哀愁の篭もった言葉を口にする。


 レインが口にした言葉。その内容にここにいる誰もが驚愕した。

「レイン様。今、なにを……」

「ヘルトに負けたって……」

「つまり、あの怪物は[戦神ヘルト]に負けたのですか!?」

 ティア殿下、ニナ、ナルスリーの三人が聞き返した。声には出さなかったがジノとシューテルも驚いている。

 レインは彼らの聞き返しに哀愁を漂わせつつ、話し始める。

「私とヘルトがここに挑んだのを話したでしょう。あの時もここまで来て、“アステリオン”とやり合った。ヘルトでも怪物の身体を斬り裂くのが精一杯だった」

「[戦神ヘルト]でも精一杯……」

「ヘルトは再起不能の傷を与えて、開きかけた宝物庫に入り、自分が持てる分の財宝を手にして“迷宮”をあとにした」

 そう。千年前の俺はそれしかできなかった。“アステリオン”を殺すこともできなかった。

 あの時、俺も生き残ることが精一杯で、奴を倒すことができなかった。

 当然、奴もフラストレーションが溜まっただろうし。俺も拭いきれない屈辱を味わった。地上では負けなしだった俺も敗北に近い味を味わわされた。

 だが、今は――

「あの時とは違う」

 俺は罅が入った剣を見て、もう使えないと判断し捨てる。

「もう俺はあの時とは違う」

 俺に命を託した皆がいる。彼奴らを死なせるわけにはいけない。

「腹を括るか……レイン」

 俺は右手をあげる。その動作だけで彼女は俺の意図を理解する。

「無茶しないでよ」

「分かっている」

 俺は覚悟を決め、詠唱する。

「汝は我が剣。我は汝の腕なり」

 詠唱と共に彼女は光りだし、右手に収束し、一振りの剣となる。

「ケリを付けるぞ、“アステリオン”!!」

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