表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生英雄の学園譚  作者: 柊銀華
学園入学前
5/292

英雄はこの世界を知る。

 朝食をペロリと平らげた俺は早々に食堂をあとにした。

 とりあえず、情報が欲しい。この少年が誰で。この世界はなんなのか。ここは何処なのか。知らないことが多すぎて、頭が追いつかない。だから、一度、情報をまとめた方がいい気がした。

 幸い、俺が出て行くのを誰も気に止めなかった。いや、隣に座っていた彼女だけは気にしていたけど…ひとまず、無視しよう。

 来た道を辿って、自分の部屋に戻ってくる。

 とりあえず、俺の素性だ。俺はヘルト。次なる戦場を求めて、旅をしている途中で息を引き取った。あと、俺はどっかの国の姫様と政略に近い形での婚約をした。家族もいない。家族も人間も俺の悪しき体質で距離を取られた。この異能力体質…『性転換』のせいで…。

 おっと、今はこの状況の整理だな。体質に関しては後で考えればいいことだな。

 それよりも、今の俺の状況だ。驚くべきことにこの少年、ズィルバーに生を与えられた。見たところ、かなり裕福な家なのは確かだ。

 ファーレンというのが、この家の名前だと思う。

 結論から言えば、別の人間に乗り移ったということになるな。そうじゃないと説明がつかないからだ。


 ふぅ~。息を吐いて、ベッドに倒れ込む。この際、信じるとか信じないとかはどうでもいい。なんせ、ヘルトはズィルバー・R・ファーレンという少年として生きているんだからな。


 それと家族構成だ。この家は五人家族なんだろう。食堂にあった椅子の数からして、そうだと思う。名前に関しても知っているのは、父親と思われるアーヴリルとルキウスだけだ。いや、あの時、ルキウスは食堂で


『グレイ奥様に、ヒルデお嬢様。おはようございます』


 と、挨拶していたな。となると、母親がグレイで、ヒルデというのが、この少年の姉という存在なんだろう。あと、他にも言っていたな。確か…


『エルダお嬢様は今日もお身体が…』

『うむ。エルダは体調が優れていない』


 といった会話を聞いたから。おそらく、エルダというのもこの少年の姉なんだろうなと考えつく。

 後は、この少年の専属の執事がルキウスだったな。


 それと、この世界は平和だとおもわれる。なんとなくだけど、朝食の時、安心しきって食べていたところからそう思えた。

 乱世。戦場を生きていた俺からしたら、目を見張るものだった。俺の常識だと、食事の最中も敵国のこととか、戦争のこととかを耳にすることが多かった。

 なので、ここまで贅沢をしていることが驚きだった。言うなれば、この世界いやこの時代は戦時下ではないということだ。

 いったい――


「どれほどの時が経ったんだ」


 こうなれば、俺はズィルバーとして、この時代を生きないといけなくなる。

 ひとまず、俺に必要なのは、知識だ。戦乱の時代がいつ終わったのか。この国がなんなのか。どれほどの年月が経ったのか。そして、気になったことは外在魔力(マナ)がどうして減っているのかだ。

 なので、どこか知識を知ることができる方法を聞かないとな。

感想と評価のほどをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ