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転生英雄の学園譚  作者: 柊銀華
学園入学
49/302

英雄は学科の仮選択をする。

 ニナとジノと友人関係になってから次の日になる。

 今日から授業が開始する。

 とは言っても、授業選択のオリエンテーションだけどな。

 『ティーターン学園』には基礎学科の他にも選択学科がある。本来なら、新入生である一学年は選択しないことになっているが、特例として半年後には選択学科を受講することができる。

 『ティーターン学園』では二学期制で半年ごとに成績が公開される仕組みになっている。

 基礎学科とは文字書き、算数など基本的なことが含まれており、これは必ず受講することになっている。

 代わりに選択学科は専門性に富んだ学科が多く、剣術、武術、精霊、動物、植物など、いくつもあり、そのほとんどが武道と魔法を極めるために存在している。選択学科に関しては自分に合った学科を一つ選ぶことになっているが、人によっては複数選択する場合もある。

 ただし、貴族出身の者は強制だが、基礎学科で貴族に関わる専門知識を習わないといけない決まりになっている。

 さらに言うなら、商人には商人の。衛士、軍関係者には衛士、軍の。それぞれの出身に関わる知識は強制的に習わないといけない決まりになっている。


 俺は貴族出身なので基礎学科に貴族の専門知識を習わないといけない。

 学科一覧の用紙を見て、頭を悩ませる。

「学園の決まりだから。仕方ないけど、知らないことはルキウスと一緒に復習して身につけよう」

 心の中で息をついた。

「やはり、俺だったら、剣術学科かな」

「ズィルバーも剣術学科を選ぶの?」

「ああ、そのつもり」

 俺は真っ先にティア殿下に疑問を提示された。

「剣を習うことはファーレン公爵家の次期当主として当然だと思う」

 ルキウスの話によれば、父さんも学園に在籍していた頃、剣術学科を選んでいたそうだ。

 だが、それよりも――。

 俺は学科一覧を見て、不思議に思ったのが・・・・・・。

「選択学科のほとんどが武道や魔法に関わるものばかりだな」

 ぼやく。

「基本、貴族でも己の身を守るために魔法を習う人が多いのもあるけど、お父様が爵位を剥奪された際の保険として習っておくという人もいます」

 ティア殿下が選択学科で戦闘方面に豊富なのかを教えてくれた。

「・・・なるほどな」

 理由を知って、俺は貴族として今後の身の振り方を考慮する。

 少し熟考して頷いた。

「それだったら、法政学科を取ろうかな」

 法政学科を選択する。

「法政学科を・・・ですか?」

「ああ、先のことを考えると政治について学んでおこうと思っただけさ」

 俺はこれからの人生を考え、政治について知っておいといても損はない。

 俺にとってもレインやティア殿下にとっても――。

 俺はクスッと心の中で微笑する。

「ティア殿下はなにを選択しますか?」

 俺はティア殿下に聞いてみた。

「私は剣術学科と考古学科を選ぼうかと思う」

「剣術は分かるけど、何故、考古学科を?」

 俺は不思議そうにティア殿下に聞いた。

「もちろん、ズィルバーとの将来を見据えてだけど、個人的に初代皇帝が生きていた時代が知りたくて・・・・・・」

 ティア殿下は恥ずかしげに顔を赤くしたまま話してくれた。

「なるほど。ティア殿下らしいね」

 まあ、知りたいことからこそ追い求める。人間の性だな。

 あと、それと考えるなら・・・・・・。

 俺は個人的に気になっている学科を見る。

 後は神秘学科と考古学科だな。

 何故、神秘が衰退の一途を辿ったのか。それと千年の歴史を知れるいい機会だと思うからだ。

「お互い、分からないことがあったら、一緒に教え合おう」

「うん」

 俺はティア殿下にお互いに頑張ろうという励ましの声を言った。


 ここ、数日。特進クラスを含めた成績優秀クラスは基礎学科のオリエンテーションを行われた。

 決めた選択学科に関しては担任に提出しておいた。とは言ってもまだそれは仮決めに等しい。

「これで選択学科の選択は終えた。そういえば、レインを見かけないな」

 学園に入ってからレインを見かけない。何処で何をしているのかは俺でも分からないな。

 彼女は天然だから。何処で何をしているのは俺でも見当がつかない。

「せっかくだし。探しに行こうかな」

 と、言いつつ、俺は学園内を歩き始めることにした。

 学園内を歩いている最中、俺は木の上に止まっている小鳥を発見する。

 ここいらで見られる小鳥ではない。

 虹色に輝く白銀の小鳥だからだ。

「全く・・・」

 と、俺は言葉を漏らしながら、小鳥がいる木の下に腰を落とす。

 すると、小鳥は俺に気づいたのか。俺の右肩に寄り添ってきた。

 そして、小鳥は光りだす。姿が小鳥から大人の女の子の姿へと変わる。

「ここ最近、何処で何をしていたんだ?」

 俺は小鳥――レインに話しかける。

「・・・・・・・・・・・・」

 だけど、レインは上の空。

 何やら、物思いに耽っているようだ。

「レイン?」

「・・・・・・・・・・・・」

 俺が応じているけど、声が届いていない。なので――。

「レイン!!」

 声を荒げ、彼女の意識に力強く語りかけた。

「――ッ!?」

 俺が意識に語りかけたことで上の空だった意識を取り戻した。

「・・・・・・ズィルバー」

「なにを考えているんだ?」

 上の空だったので、なにを抱いているのか聞きだした。

「・・・・・・・・・・・・」

 でも、レインは何かを言いたそうな目をするけど、言いたくないという顔をしている。

 レインが言いたくないというのなら、仕方ない。

「言いたくないことは今、言わなくてもいい。またの機会にするよ」

「ズィルバー」

「今、キミが言いたいことは分からない。だけど、いつか話してくれると嬉しい」

「・・・・・・うん。分かった」

 レインは納得してくれた。

「それよりも明日から本格的に授業が始まる。しかも、最初の授業は精霊基礎」

「つまり、精霊との対話。契約でしょうね」

「そうだろうな。俺の場合はレインがいるから問題ないけど、他の奴らに問題があるからな」

「だから、私が傍にいて、フォローするというわけ?」

「そんなところだ。それじゃあ、帰ろうか」

「え?」

 俺は立ち上がって、レインに手を差し伸べる。

「今日すべきことは終わったから。俺の特訓に付き合ってよ」

 軽やかに笑みを零す俺。

「そうね。せっかくだし、モヤモヤを吹き飛ばす感じで相手してあげるわ」

 レインは吹っ切れた感じで笑みを浮かべる。

 だけど、フラストレーションを吹っ飛ばすほどに相手されるのはヤダだな。

「ほどほどにお願いするよ」

 俺は本心を零した。


 と、レインは俺の手を掴んで立ち上がり、そのまま学園の闘技場へと歩き出す。

 だけど、その際、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に――。

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