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転生英雄の学園譚  作者: 柊銀華
学園入学前

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英雄は双子の姉の体質を知る。②

 俺が死んだ後のことを考えている中。

 レインはエルダ姉さんの“ヒーリング”も終わる。

 見たところ、姉さんの容体が安定した。

 急に来るものではなく、徐々に慣らすしかないということ。

 これは、“両性往来者(トラフィックダイト)”と同じだ。

 まあ、俺は英雄だった頃の経験があるから。もうそろそろ慣れてきたところだ。

 エルダ姉さんも慣れれば、魔力過多でも扱いこなせるはずだしな。

 ついでという感じでレインはヒルデ姉さんにも体質がないか調べ始めた。

 っていうか、神代の頃、英雄だった頃は誰だって、なにかと体質があったからな。質に強弱、濃淡があったとは言え、誰もが持っていたからな。

 今の時代も誰もが体質を持っているのかな。

 レインはヒルデ姉さんの背中に触れて、オドの流れや魔力路、筋肉、神経の動きから体質を調べている。

 調べている際、彼女は「あら?」と言葉を漏らす。


「あなた。“勇士体質”ね」

「“勇士体質”?」


 ヒルデ姉さんは『勇士体質』という知らない言葉に首を傾げている。

 ヒルデ姉さんもエルダ姉さんと違った可愛さがあるな。

 “勇士体質”とは――。


「“勇士体質”というのは、魔力路が筋繊維に深く結びついている体質よ。この体質の特徴は身体能力が向上。筋力向上などが上げられる。悲観させないように言うけど――」


 “勇士体質”は女性でも発症。手にする体質だ。

 神代の頃は華奢な見た目をした女性が怪力だったっていうのはよくあった話だ。

 おっと、いかんな。

 これを言ったら、カルニウスにどやされてしまう。

 今、俺が言ったカルニウスというのは女性の名前だ。

 カルニウス・G・ヴァイス。

 レイの身辺警護を担っていた親衛隊の1人だ。

 その実力は俺に負けず劣らずだったな。

 そういや、あいつは俺に対して、なにか優しかったような……。

 まあ、それも今となっては無理な話だ。

 俺が死んで、どう思っていたのか。

 俺も知らねぇからな。

 可能性として、動物にでも化けていねぇとな。

 俺はかつての友のことを思い出していた。


 俺を余所にレインはヒルデ姉さんに自分の体質を教える。


「『勇士体質』は筋力向上。身体能力の向上に向いているけど、肉弾戦、近接戦闘に一番向いている体質」

「へぇ~。そうなんだ」

「ただし、この体質は反面。過食になりやすい」

「過食? それってつまり、食べ物をたくさん食べるということ?」

「そう。“勇士体質”は身体能力の向上がいい面。過食に陥りやすく、餓死しやすいのが特徴よ」

「……餓死――?」


 ヒルデ姉さんは自分が餓死しているのを想像したのかブルブルと身震いする。


 まあ、それが普通だよな。

 カルニウスも華奢な見た目からかなりの豪胆で暴食だったな。

 よく、レイに顔を拭かされていたのが日課だったな。

 レインも同じかな。

 ヒルデ姉さんの体質を知って、カルニウスのことを思い出したのかな。

 よく口喧嘩していたし。

 今となっては懐かしい思い出だな。


「“勇士体質”は確かに過食になりやすいけど、慣れれば、これほど、優れた体質はないわね」


 レインはヒルデ姉さんにしっかりと教えている。

 姉さんも自分の手をマジマジと見ている。

 おそらく、自分にこんな体質があったとは思いもよらなかったのだろうな。

 嬉しいかぎりだ。

 だけど、それは神代の時だ。現代ではどうなるのかは俺にも分からないな。

 レインも


「私の知識は神代。つまり、ヘルトやリヒトらが生きていた時代での知識。今の時代じゃあ、どうなっているのかまでは分からない」


 同じようなことを述べている。

 しかし、父さんが


「娘たちにもこのような体質があったとは思いもよらなかった。神代。建国期は、そのような体質があったことに驚きだ」


 驚愕している。

 それを見るかぎり、今の時代。体質というのを知られるのは珍しいことのようだな。

 これは、新しい発見だ。

 だいぶ、現代は神代に比べて、魔術と体質が、それほど発展していないようだな。

 この部分も歴史を振り返る形で勉強しないといけないな。

 俺は、今後の方針を決めた。


 夕食を終えて、レインによる姉さんたちの体質が判明した後、俺はレインと一緒に自室に戻り、明日以降の予定を話し合った。


「明日からは今の時代を知りたいと思う」

「それは私も同じね。この時代は神代に比べて、幾分か衰退しているようだから」

「しばらくは調べ物かな」

「いいえ。午前中は調べ物。午後は鍛錬に当てます」

「…………」


 知らない間にレインがお姉さんっぽくなったな。

 まあ、実際、レインの方が年上だけど――。

 この際、俺はレインにあることを聞く。


「レイン」

「なに?」

「俺が……ヘルトだった俺が死んだ後のことを……教えてくれないか」


 そう。英雄だった俺が死んだ後。皆がどうなったのかを聞きたかった。

 それは、俺にとって、つらいことかもしれない。でも、知っておかないと彼らの分まで生きないといけない気がする。

 レインも俺の真意が分かっているのか。

 少し、目を細め――。


「ええ。話すわ」


 話してくれるようだ。


「ヘルトが死んだ後のことを――」


 俺が死んだあとの神代を――。

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