分断×伝承×試練
「…………」
今、ユウトはシノアと一緒に地下迷宮を歩いている。もちろん、キララとノイも一緒だ。小竜とリスになって懐に隠れている。
あと、今ユウトとシノアは薄暗い篝火を頼りに地下迷宮を歩いている。では、どう歩いているか。それは抱きついている。シノアがユウトに抱きついている。
ギュッと腕にしがみついて――。
「キャー。ユウトさん。怖いですね」
「…………棒読みで怖がらないでくれ」
(まあ抱きついてくる分には問題ないけどな)
今、ユウトとシノアは二人きりで地下迷宮を探索している。なぜか、答えは簡単だ。
分断してしまったのだ。ユウトたち地下迷宮に仕掛けられた罠にハマり分断されてしまったのだ。
理由はユウトが間違えて床に仕掛けられた罠を踏んでしまい、魔法陣の出現と強制転移により、バラバラとなってしまった。
バラバラとなった全員はギーガス山脈内部、地下迷宮の何処かへ飛ばされた。自分の居場所がどこなのか正確に把握しなければならない。だが、ズィルバー級の“静の闘気”の使い手かヴァンの風の探査でもないかぎり探索なんて不可能に等しい。
つまり――
「今、俺らどのあたりにいるんだ?」
「ユウトさん。それもわからずに歩き回っていたんですか?」
「うるせぇな、そういうシノアも分かっているのか?」
いじるシノアに反問するユウト。当然、シノアも「わかりません」と答えた。
当然、ユウトもイラッとくるけど我慢した。ここで言い争いするだけ時間と体力を浪費するだけだ。ひとまず――
「シノアは俺のそばにいろ。俺が絶対に守ってやる!」
「――!」
なんてかっこいいことを言われてシノアは顔を赤くし、ギュッと腕を強くしがみつく。
「……お願いします」
たどたどしくお願いされた。
「お、おう……」
ユウトもシノアにそう言われては任せるほかなかった。なお、ユウトとシノアがいる場所はギーガス山脈内部の地下迷宮深部にいる。本来なら頂上から深部へ到達するのに最低でも一ヶ月以上はかかる計算。それを罠にハマってしまったために二人はいつの間にか深部へ到達していたのだ。
深部に到達したユウトとシノア。篝火を頼りに地下迷宮を歩いていたら、ふと、大広場に到着した。
大広場と言うが実際は広大すぎるほどの広場だ。そもそも、広場のサイズが人族や耳長族などのサイズに合わせておらず、巨人族サイズに合わせて造られている。
「広ぇ……」
「いったいどこまで広がっているのでしょうか……」
広大すぎる広場を目の当たりにし、ユウトとシノアは絶句していた。
「それよりもここがどこなのかだ」
「そうですね。地図とかさすがにありませんか」
泣き寝入りしたくなる二人。だが、壁を見やると地図らしきものが刻まれていた。
「おい、シノア! 地図だ!」
「え? ホントですか? それでここはいったいどこにあたりますか?」
「ちょっとまってくれ。今、俺達がいる位置は……って、なんて書いてあるんだ?」
「ちょっとユウトさん。変なことを……ほんとになんて書いてあるのでしょ?」
二人は壁に刻まれた地図を見て現在地を特定しようとするも壁に刻まれた文字が見たことがなく解読しようもない。
「竜言語でもねぇし。現代文字でもねぇ。もしや、千年前の文字とか?」
「ありえますね。千年前の文字は歴史研究家も未だに解読できていないとか……もしかしたら……」
二人して未知なる言語を前にどう解読するのか気になってワクワク感に浸っている。
しかし、壁に刻まれた文字や地図を見ている二人へ澄んだ声が響き渡る。
「その文字は古代竜言語……始まりの竜人族が書き記した文字」
「誰!?」
シノアが声を上げ、ユウトが守るように前に出る。薄暗い空間から姿を見せるのは赤い髪をした青年。身体が透けて見えるところから肉体のない生命体だと思われる。というよりも幽霊という方が説明できる。
「あなたは……いったい……」
ユウトに守られる形でシノアが青年に声を投げる。人間が精神もしくは魂だけで存在を保てるはずがない。生き物は死ねば魂も霧散して世界の一部となるのが自然の摂理だ。なのに目の前の青年は今もなお存在を保っている。なぜ、できるのか聞きたいところだが、まず何者かが重要だ。敵か味方かそれを判断しなければ到底話なんてできない、とシノアは考えている。
「俺はイーゲル・ハニヤス。神代を生き、死んだ真人間です」
自らの正体を打ち明かした。イーゲル・ハニヤス。聞いたことがない名前に困惑する中、小竜姿になっていたキララが人型に戻る。
「イーゲル? もしや、我が姉に恋した人間か?」
「我が姉? ああ、“創世竜アルトルージュ”のことか。ああ、彼女は幾星霜の時を経て復活することだろう。でもアルトルージュを知っている、ということは竜種か。キミは?」
「私は“破壊竜アルビオン”。キララと名乗っている」
「破壊竜……竜種の末っ子。会うのは初めてだ」
「そうだな」
キララはイーゲルと名乗る青年と顔見知りというらしいが初顔合わせなのだとか。名前だけ知っているのもおかしいと思うユウトとシノア。
「なぁ、キララ。初対面なのに名前を知っているなんておかしくないか?」
「私は姉上から会いに来ないでほしいと言われたからだ。姉上の頼みとならば従うほかあるまい。姉上は強かったのだから」
「俺は真人間。命に限りがある。生まれた娘の将来を案じる必要があった。お転婆だったけど優しくてかわいい娘だった。娘が巨人族に喧嘩をふっかけたときは汗ダクダクに掻いた」
イーゲルは娘を思い出し、ひやりと汗を流したのを覚えている。
「あの……そろそろ……」
シノアが昔話もいいが本題を切り出した。
「おっと、そうだった。その文字は古代竜言語。始まりの竜人族。わかりやすく言うなら古代竜人族が書き記した言語。言うなれば竜言語の誕生するきっかけを生み出した言語さ」
イーゲルが壁に刻まれた文字を見て説明する。古代竜言語があったから竜言語が誕生したと教えてくれた。
「古代竜言語は妻が娘にどうやって文字を覚えさせようと勝手に考えた文字だったから」
「勝手に編み出した文字って……」
「姉上も時折、考えることを放棄することが多い」
同じ竜種なのに性格が違いすぎるのは困りものだった。
「だからかな。竜人族が必死こいて古代竜言語をわかりやすくしたのが竜言語なんだ」
竜言語誕生の歴史を聞き、ユウトとシノアは呆然としていた。
「アハハハ。話を聞いても壮大すぎてついてこれないか。とはいえ、今キミたちがいる位置は地下迷宮の深部。偶然にもキミらは最深部へ通じる道の前にいる。キミらがこの大迷宮の試練を乗り越えないかぎり、この先の扉は開かれない。娘の想いを継承させることができない」
イーゲルは地下迷宮に仕掛けられた試練を乗り越えないかぎりこの先へ進めない。ユウトとシノアはそれを知り、すぐにでもバラバラになったみんなを探しに行こうとするも彼が止める。
「やめときたまえ。ギガース山脈は広くて複雑だ。未熟な“静の闘気”ではこの迷宮を踏破することは不可能。かえって迷ってしまうだけだ」
助けに行こうとする二人を止める。むしろ――
「キミらは自分が何者なのか知らなければならない。同時に世界から消えた我が妻や妹弟たちが姿を消したのかを――。そして、世界に七人しかいない史上最強の異種族を――」
イーゲルが話そうとする内容はどこかで聞いたような気がするユウトとシノア。
「あの、その話……前にズィルバーが教えてくれました。創成期の話から……」
「ズィルバー? それは誰のことだい?」
「それは――」
イーゲルが詳しく尋ねるとキララが代わりに答える。
「ファーレン公爵家の跡取り。ヘルトの末裔だ」
「ヘルト……ああ、千年前、この迷宮に挑んできたかの大英雄ですか。まさか、彼が転生したとでも?」
「さあ、どうだろう。少なくともあなたが想像しているとおりだと思うが?」
キララの返し方にイーゲルはなんとなく察した。
「彼が転生したのなら話が通る。なら、今回の試練は極めて困難となろう。相手になるのは偶像であろうとその力は伝説そのもの。挑まなくては次へ進めない」
イーゲルは魂だけの存在なのに地下迷宮における試練全容を知ってしまった。
それを言うかのようにユウトとシノアがイーゲルと対話をしている中、ギガース山脈内の地下迷宮全域にて試練が起こっている。
しかも、難易度が西方最高峰とも言える難易度。相手が西方にて伝説と語り継がれた大英雄――アルブム・Z・ファルベ。その人がユージとユリスの相手となる。
シャルル含めた五騎士星は別の場所にて。かつて西方随一と言われた最強騎士――トリストラム・F・メリオダスと名乗り、かつてオリュンポス十二神に愛された騎士。
紫色の髪に騎士甲冑を身に着けた青年騎士。
その実力はユージの先祖・アルブムと互角に渡りうる実力の持ち主。
同時に南方から応援に来たユーヤとアヤも最強の敵だった。難易度が南方最高峰。相手が南方にて伝説と語り継がれた大英雄――ルフス・X・ロート。その人がユーヤとアヤの相手となる。
ユーヤの部下・マリリンとリリィは別の場所にて。かつて南方の資源を巡って相争った大国の君主――ラムセス・U・マート。同じくオリュンポス十二神に愛された君主。
そして、ユウトとシノアを除いたシノア部隊。ミバル、ヨーイチ、シーホ、メリナの四人。四人が相手をするのは西方に伝わった語り部――クレティアン・T・ウェールズ。而して、その実力は最強騎士・トリストラム・F・メリオダスと並び称される実力の持ち主。
つまり、西方屈指の実力者であり、同時に神代に生きた英雄であった。
そう、彼らが今から相手をするのは神代にて活躍した英雄。しかも、オリュンポス十二神に選ばれ愛された大英雄。
ユウトが誤って踏んでしまったことで一行は散り散りとなり地下迷宮に仕掛けられた試練を乗り越えなければならない。しかし、その難易度がもはや最高峰と言っても過言ではない。ギガース山脈は西方から南方に伸びる山脈。
西方のみならず南方の大英雄も歴史上の大英雄も寸分たがわずに映し身として顕界する。
しかも、ユージとユリス。ユーヤとアヤ。四人だけは公爵家初代当主だけではなく、二人の美女もいる。
ユーヤとアヤの方はシニヨンアレンジにした蒼髪に金色の瞳をした美女。南方に伝わるヒラヒラしたドレスを身に着けていた。
彼女こそが竜種の一角――“灼熱竜アルフィーリング”。ルフスとともに生きてきた美女。そして、新たな魂に適合する時が来た。
しかし、ルフスとともに生きてきたというがその実、ルフスの何かと融合し現代まで生存し続けてきた。
それはユージとユリスが相手をするアルブムとともにいる美女もそうだった。
緑色の髪をローポニーテールアレンジにして金色の瞳をした美女。西方に伝わるスパンコールドレスを身に着けていた。
彼女も竜種の一角――“裂空竜アルフェン”。アルブムとともに生きてきた美女。そして、彼女も新たな魂と適合し融合する時が来た。
しかし、アルブムとともに生きてきたというがその実、アルブムの何かと融合して現代まで生存し続けてきたことに変わりない。
二人の美女が互いにユリスとアヤを見てクスッと微笑む。美女が微笑んだ瞬間、ユリスとアヤはゾッと全身が総毛立つほどの悪寒が走る。本能が、理性が、魂が、目の前の美女を危険と感じ取る。それは同時にユリスとアヤが持つ異能を覚醒させるきっかけとなった。
ユージとユーヤも互いにユリスとアヤを見て呟いた。
「ユリス……」
「アヤ……どうしたその髪は……イメチェンでもしたのか?」
場所が違うのに二人して婚約者のヘアカラーを指摘する。
二人に言われてユリスとアヤは互いに自分の髪を見る。
金髪から紫色に――。黒髪から淡黄色に――。
髪質が変化していた。ここに来ての異能覚醒。髪の色が変質する異能は一つしかない。“無垢なる色彩”。魔力循環系を自由自在に扱いこなせる異能だが、誰もが手にできる異能ではない。彼女の系譜ものに発現する異能である。
ユーヤとアヤ。ユージとユリス。お互い、別々の場所にいて別々の相手と対峙している。普通なら声が重なることもない。見事偶然にシンクロしていた。
すると、残像か虚像かもわからないアルブムとルフスがユリスとアヤを見て驚きをあらわにする。
「ほぅ、驚いた。まさか“無垢なる色彩”を受け継いでいるとは……」
「もしや、彼女の子孫か。なるほど。どれほどの年月が経ったのか知らないけど、俺らの意志は受け継がれているようだ」
同じ場所にいるわけもなくシンクロしているかのように声を発する。顔立ちがユージとユーヤにそっくりなところがユリスとアヤは気がかりだ。
同じ人物がいるはずもなくそもそもここは――
「ユージ。ここはドラグル島の――」
「そのとおり。ここはドラグル島の地下。そして、キミら僕らと修行することになる。いや、正確に言えば、僕の子孫かな。もちろん、彼女の末裔にもそれ相応の相手を用意する」
いつの間にかユージの下へ歩を進める好青年。
「その前に自己紹介しないとね、僕はアルブム。アルブム・Z・ファルベ。キミのご先祖にあたる男さ」
「はっ! アルブム! ラニカ公爵家の初代当主の名前――」
「ラニカ……そうだね。ラニカって姓名は僕が命名した。ファルベって姓名もいいけど、僕の妻が改名しようと言われてね。せっかくだし、ラニカと改名したのさ」
アルブムが公爵家の家名設立をペラペラと語る。
語るだけ語ったら左手を振った。振った瞬間、その手に弓が握られていた。その弓に見覚えがある。
「聖弓!?」
「僕とキミは生まれながらに弓術の才能に秀でていた。でも今のキミはそれだけだ。キミはヴァンに秘めた本当の力もキミ自身の力も引き出せていない」
「――?」
(僕の力?)
ユージはアルブムが言っている意味がいまいちピンとこない。
「だから僕が直々に鍛えてあげる、と言うけど、これはリヒトに頼まれてね」
「リヒト……って、まさか、ご先祖様が!?」
ユリスが驚愕をあらわにする。ユリスがリヒトのことを『ご先祖様』と叫びを聞き、アルブムは理解する。
「そうか。キミはリヒトの血族か。でもその力は彼女の異能を受け継がれているようだね。でもそれは異能寄りで全ては受け継がれていないようだ」
アルブムはユリスを見て、否、ユリスの魂を見てそう判断した。
「さて、立ち話もなんだし。そろそろ、試練と称した修行を始めようか。言っておくけど僕は所詮、過去の亡霊。先代の僕を乗り越えてもらわないと西方を守るなんて夢のまた夢だからね」
弓に矢を携えるアルブム。ユージもすぐさまヴァンに思念飛ばして聖弓を手にするも構えるまでに時間を要した。つまり、アルブムに攻撃の隙を与えたことを意味する。
「遅い!」
ピュンと射られた矢はユージの眉間を狙う。とっさに身体を倒れる形で躱すも動作に無駄が多く隙を与えまくっていた。
初撃を浴びせただけでもアルブムは理解する。
「うーん。どうやら僕再来の子孫もまだまだ原石の塊状態だね。これは道標と磨かせるきっかけを与えないといけないね」
「あら、まだ子供なんだし。スパルタすぎるのもよろしくないよ」
ようやく、ローポニーテールをした美女が口を動かす。ユージへなけなしのフォローをする。
「そうは言っても地上から吸血鬼族が二人も入ってきている。おまけにキチガイな奴も入ってきているから。死なせないためにも鍛えさせるほかないじゃん」
アルブムはユージとユリスを生かすためにも強くさせるほかないのだ。
「――とは言っても、このままじゃあ強くなられないし。しょうがない。この手でやるか」
フゥ~っと息を吐き、目を閉じて集中力を高める。アルブムの身体から漏れる燐光が“闘気”なのかと疑るユージ。
カッと目を見開いた瞬間、世界が一変する。アルブムの身体から漏れる燐光が世界を包み込み一変させていく。
光に飲まれるユージとユリス。次の瞬間、二人の目に入ったのは疑り深い光景が広がっていた。
竜巻。サイクロン。ハリケーン。
どう形容していいのかわからない。とにかく吹きすさびすぎる暴風の世界。
「驚いた。ここは僕のイメージした世界。ここで強くさせてあげる。言っておくけど僕は甘くないよ」
アルブムがユージとユリスを挑みかかるのだった。しかし、アルフェンだけは彼らの修行を見届けるのだった。
一方でユーヤとアヤはルフスとアルフィーリングの相手をしていた。むろん、アルフィーリングは手を出さずにただただ見守っているだけ。しかし、いつ動くのか気が気じゃないユーヤとアヤからすれば神経を余計にすり減らしていた。
しかも、場所が場所で今、彼らがいるのは灼熱地獄と彷彿させる燃え盛る焼け野原にいる。もちろん、ドラグル島の地下迷宮にある環境ではなく、大英雄ルフスが生み出したイメージの世界だ。
ルフスの手には紅い剣。その剣はユーヤを知っている。
「聖剣……」
どうしてという面持ちにルフスが答える。
「おかしい話だ。俺はフランの主だったんだぞ。俺が彼女の力を扱えておかしくないだろ?」
「くっ……」
ユーヤは表情を歪める。自分も聖剣を握っているけど全てにおいて劣っているのを目の当たりにしている。
(全てにおいて劣っている。それもそうか。先祖は戦場で培った経験に膨大な研鑽を積んでいるんだ。俺が敵わないのは最初から分かっていた。分かっていたけど……もう逃げる気なんてサラサラない!)
気持ちを引き締め、剣を構えるユーヤ。経験も浅くそれなりに研鑽を積んでいてもガチガチの構え。ガチガチだけど隙の糸がない構えとも取れる。
「ずいぶんとガチガチだな。隙がないのは認めるけど無駄が多い。うーん。原石の塊っていうのも見応えがありそうだ」
「ずいぶんと超余裕じゃない!」
ブンッと硬い棍棒で薙ぎ払ってくるアヤ。ルフスは“静の闘気”を使わずに余裕をもって頭を下げて躱す。
「余分な動き……無駄の多い動きだ。“静の闘気”を使わなくても避けられる」
「――!」
軽々と躱されて表情を苦くなるアヤ。ルフスは彼女の腕を掴んでアルフィーリングの方へ投げ飛ばす。
「キャッ!?」
「キミの相手は彼女にしてもらおう。俺は子孫に集中したいからね」
アヤの相手は“灼熱竜アルフィーリング”と無理やりさせられた。
「アヤ!」
「さあ始めようか、子孫よ。キミの才能をこじ開けて上げる」
逃げ場のない戦いが始まろうとしていた。
逃げ場のない戦いはユージとユリスも同じであり、ユージはアルブムと、ユリスはアルフェンと戦う羽目となった。
試練という名目上逃げることができない。否、逃げられない。
空間が書き換えられて逃げる手段が最初から失われている。故に生き残る手段は一つ。
目の前にいる敵をどのような形でもって屈服させるほかなかった。
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