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転生英雄の学園譚  作者: 柊銀華
学園入学前
26/302

英雄は今の時代を知る。

 エルダ姉さんが俺のことを心配しているけど、レインは


「ズィルバーの症状はオドの流れが不安定によるもの。だから、魔力を送ってオドの流れを安定させるの」


 と、俺が体調を悪化させているわけを話してくれた。

 だが、レインの話を聞いたエルダ姉さんやヒルデ姉さん、父さん、母さん、使用人たちの全てが理解できたのかできなかったのか知らず、唖然としていた。

 レインは今の説明で理解というか納得できてないことにえっとなる。

 初めて、この世界の魔術いや魔法を知ったときと同じだ。

 やっぱり、思う。

 この時代における神秘は衰退の一途を辿っていることに――。

 レインは頬を引き攣るも、「コホン」と一回咳払いしてから


「要するに、私がやっているのは、ズィルバーの魔力の流れを安定にさせていることよ」


 端折ったな。

 重要な部分しか話していないじゃないか!? それで納得するのか!?

 俺は内心で動揺している。


 だが、レインが言ったことが、どういうことなのか、グレイ母さんが言葉を漏らした。


「他人の魔力を調整させる高等技術……初めて見た」

「え?」


 は? これには、レインと同様に驚愕せざるを得ない。

 今の時代じゃ、『ヒーリング』自体も難しいのかよ!?

 これには、俺もビックリ仰天だ。

 レインは俺の治療をしながら、


「私が子供の頃だった時代よりも、まさか、ここまで衰退していたとは……」


 頭を悩ませている。

 レインを悩ませるのは相当なものだよ!!

 だが、徐々に体調が落ち着いてきた。

 自分でもわかる。オドの流れがだいぶ良くなってきた。

 オドの流れは性別の違いで異なっている。

 オドを溜めるところがいくつかある。

 それが男と女で異なっている。


 おっと、そんなことを話している場合じゃないな。

 体調が良くなったのもレインだって分かっているはず。


「よし。だいぶ、安定したようだね」


 と、レインは手を離して『ヒーリング』を終えてくれた。

「ありがとう、レイン」


 お礼を言う。

「礼には及ばない」


 契約者を大事するという意味で、至極当然、当たり前という感じで言い返した。

 全く、英雄だった頃と比べて、頼りになれるお姉さんになったものだ。

 と、俺は改めて、レインの成長を実感した。

 まあ、根っこは変わっていないけど――。


 俺の体調が良くなったのを見て、父さんたちは信じられなさそうな顔をしている。


「信じられない」

「ええ、その通りです。他人の魔力を干渉させるのは高等技術。それを難なく扱いこなせる。これが我が家に眠り続けていた精霊の力」

「ヒルデ姉さん」

「ええ、エルダ。あなたの病弱も治してくれるかもしれない」


 と姉さんたちは希望を持ち始めていた。

 ふと、ここで、俺はあることに思い至る。


(エルダ姉さんが、身体が弱いのも体質によるものか)


 可能性としてあり得なそうなことを思い至ってしまう。

 なので、俺はレインにお願いというか、頼みごとをする。


「なあ、レイン」

「なに、ズィルバー?」

「ちょっと、姉さんたちを診てくれないか?」


 っていう、お願いであった。

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