夢×再会×出会い
夢。
それは眠りの中で見る経験。現実と認識したくなるほどの経験を体験する。つまり、夢とはその人が望もうが望むまいが見ることとなる。
だが、夢にも種類がある。
しかし、夢にも種類があれど、見る人の心理状態、記憶、意識、魂に紐づいて呼び起こされる。此度、ズィルバー、カズ、ユンの三人が見る夢は魂に紐づいて呼び起こされる。
本来、魂に紐づいて呼び起こされる夢は精霊や天使、悪魔などの精神生命体の特権なのだが、しかし、肉体を持ち、精神生命体でもある竜種も夢にて呼び起こされるのだった。
それは出会いでもあり、再会でもある。
だが、夢を見るのはズィルバー、カズ、ユンの三人だけではあらず、西のユージと南のユーヤも夢を見ることとなった。封印を解くこととなる神級の契約精霊の存在を――。
それは月光まばゆく闇夜の世界。
一面に咲き誇る白い花畑。香る花に目を覚ますズィルバー。身体を起こして一面を見渡せば、夢だと確信する。なぜ、確信したのか。簡単だ。
「まさか、夢の中まで守護神がやってくることはあるまい。あの女神は確かに花園だが、このような花園を生み出せん」
月下の花園を見渡すズィルバーは自分が夢を見ているとわかったのだ。そもそも、夢を見るとは肉体ではなく、精神もしくは魂が経験を積もうと見ているのだ。さらに言えば――
「人間が夢を見る場合は現実になぞらえた夢を見ることが多い。このように……別世界と思わせる夢を見ることなんてできないと思うけど?」
と、ズィルバーは自分に語りかけようとしている人物に目を見やる。そこにいたのは銀髪銀色の瞳をした女性。色白の肌に真紅の唇。見るものを魅了させるソレは月光がさらに美しさを際立たせる。彼女の正体をズィルバーは……ヘルトは知っている。いや、忘れることもできない。千年前、まだ黒髪の紅と蒼のヘテロクロミアだった頃、泣きじゃくる彼を温かく育ててくれた存在だ。彼女がいなくなっても彼女の想いが髪に宿っているように感じたからだ。
「こうして、再会できたのは千年ぶりかな」
ズィルバーは女性を見て思わず、胸の内を吐露する。彼女もフフッと微笑む。
「そうね。兄様に言われていなくなることにしたけど、泣き虫のあなたを置いていなくなることができなかった。だからこそ、私はあなたの力になることを選んだ。このような形でしか会えない私を許して……ヘルト――」
哀愁を見せる美女に少年か少女かもわからないズィルバーはひどく困る。
「いいよ。俺もキミと再会できたことを心より嬉しく思う」
ズィルバーは美女へ歩み寄って抱きつく。美女も抱きよってくるズィルバーは受け止める。
「私もよ。まさか、千年の間にここまで立派な戦士になるなんて思わなかったわ。[戦神ヘルト]。その名に相応しい強さと風格を身につけた。育てた私も誇らしく思えるわ。でも――」
ムスッと気分を悪くする美女。
「まさか、原初の悪魔の一柱・原初の銀を喰らって、“五神帝”の一角・“聖帝レイン”を契約するなんて欲張りすぎよ」
「仕方ないじゃん。原初の銀は勝手に攻めてきたし。レインは出会うべくして出会ったんだ。これが俺の運命なんだよ」
開き直るズィルバー。美女も「もう~」と頬を膨らます。うぐっとズィルバーは項垂れる。
「それに守護神と軍神の“真なる神の加護”をもらっておいて、あなたは愛されすぎじゃない?」
チョンチョンと頬を突っつく美女。ズィルバーとしては何も言い返せなかった。
「だったら、キミに拾われたときから俺は愛されていることになる」
ズィルバーは膨れながら美女に言い返した上で名を呼ぶ。
「“聖霊竜アルクェイド”……八体の竜種の中でもっとも高潔で美しいとされるキミがどうして、俺を拾って育てたの?」
銀髪銀の瞳の美女――“聖霊竜アルクェイド”にズィルバーはなぜ、拾って育ててくれたのか気になってしょうがなかった。なぜ、自分を拾って育てたのか。その真意を聞きたかったからだ。
「…………」
彼女も気まずそうな表情を浮かべる。答えたくても答えられない。それは兄との約束だからだと胸のうちに隠し続けた。
「ごめんなさい、兄様の言いつけで話すことができないのよ」
「兄……“創世竜アルトルージュ”か。かの竜に言われたのなら言い返せないけど……でも――」
ズィルバーはなぜ、自分の魂と融合してまで真人間を進化させる必要があったのか疑問があった。
「あなたが思っていることもわかるわ。でも、それも言っていけないと兄様に言われている。ごめんなさい。でも、あなたを裏切るとか考えていないわ。それはね、妹も弟たちもそうなの。あの頃、私たちは神々と天使、悪魔が好き勝手にする世界が見るに耐えなかった。兄様が創生した世界をメチャクチャにされていくのが嫌だったの。それに姪っ子が苦しんでいる姿も見たくなかったの」
「姪っ子……ドラグル・ナーヴァルか」
「うん。あの娘が兄の力を受け継ぎつつも大怪我をして生きていくには難しくなり、島で一生を終えるまでを決めたときから子孫繁栄を目的に動き出した。でも、父たる兄が夢ある人生を送らせることができなかったことを悔いてね」
「千年以上前から神々が好き勝手にされて俺たち人間は戦乱の渦に巻き込まれた。全ては神々にあるけど、天使と悪魔も好きなようにされて家族を失い、見捨てられ、世界を恨む人たちが多かった」
ズィルバーは当時のことを口にした。つらそうに口にする彼に彼女は後ろからギュッと抱きしめるのだった。
「そうね。でも、千年の月日が経って、あなたは転生し、残る皆も子孫の魂に転生し、その力を継承し続けようとしている。ごめんなさい、私たちが竜種ばかりにあなたたちに迷惑をかけて」
申し訳無さそうにしている“聖霊竜アルクェイド”にズィルバーはそこまで悪く思っていなかった。
「ううん。あのとき、俺を助けてくれなかったら、俺は一生、地獄の日々を送っていた。だから、キミが悪く言わないでくれ」
「ズィルバー」
「確かに俺たちは竜種に選ばれてしまった人間だ。人々の幸福を願うには欲深くない人間である必要があった。俺たちが欲に飲まれない強い理性と意志が必要だった。それはすごいことだと思う。だって、強い意志があったから。俺やメラン、ベルデは今があると思っている」
ズィルバーはそう言うのだった。彼女は首を傾げるもズィルバーはメランとベルデが今でも竜種に感謝の言葉しかないのを知っている。
ところ場面を変えて、極寒の雪原。今もビュービューと吹雪が舞っている。
「んぅ~、んぅ~……ファァァー」
長い眠りから覚めたかのようにカズは欠伸を一つした後、身体を起こす。
「ん?」
(なんか寒くない?)
身体を起こして早々、異様な肌寒さを感じた。目を開いて真っ先に入るのは一面真っ白い世界。銀幕の世界と表現するにふさわしい景色が広がっていた。
「え? ここはどこ? 俺はさっきまで“蒼銀城”に――」
「落ち着け、カズよ」
ポカッと軽く小突かれたカズ。顔を見上げれば、先祖のメランがいた。
「え? 先祖様!? な、なな、なぜ――」
「ここは夢の世界。いわば、魂の世界だ」
「魂の世界……」
「本来、人族や獣族、耳長族、魔族なんかは魂の世界に誘われることはない。だが、ライヒ皇家と五大公爵家だけは別だ。俺やベルデ、リヒト様らは人族の始祖にあたる真人間って種族になる」
「真人間……聞いたことがない」
「ああ、それは千年前を最後に絶滅した種族だ。今はライヒ皇家と五大公爵家のみ。感謝しろよ、身体の頑丈さは俺のおかげなんだからな」
「なんか上から目線でうざい」
カズはつい本音を漏らした。本音を漏らせば、メランもイラッとくるもひとまず、我慢した。
「後、俺は今、貴様の魂の一部となった。今回は紹介してやりたい人がいてな。これからは貴様を鍛えてくれる御方だ」
「俺を鍛える?」
カズは首を傾げる。彼からすればメランが鍛えてくれると思っていたばかりに、って感じだった。
「安心しろ、その人は幼少の頃、俺を育ててくれた優しいお姉さんだ」
「お姉さん? 先祖様を育てた?」
言っている意味がわからず、てんやわんやになるカズ。頭上には疑問符がいっぱいでていた。
「あら、いいことを言うようになったじゃない、メラン。見ない間に男らしくなったわね」
「――!」
突然、銀髪碧眼の美女が姿を見せる。色白の肌に漆黒のドレスは大人の色香を見せる上で子供のカズには毒だった。
「あら、まだ子供には早かったようね」
「そりゃ、俺の時と同じ登場をしたら、誰だって毒だろ。それよりもアルザード。どうしてそんな姿で登場する。力を完全に制御された姿で登場されては、せっかくの演出も台無しじゃないか」
「え?」
(力を完全に制御……? 何を言っている。力を完全に制御できるものなのか。俺でも難しいことなのに……)
カズはアルザードなる美女が無駄のない力の制御をしていることに度肝を抜かれる。カズの動揺にアルザードは意外な反応を示す。
「あら、人間ってのは力を制御できないの?」
「いや、カズはよくできている方だ。世間じゃあ力を完璧に制御するなんざできない。大抵は残滓が漏れ出てしまうのさ」
メランはカズを擁護する。そもそも――
「俺もキミの教育のおかげで力を完璧に制御することができたんだ。独学で力を完璧に制御するのは土台無理な話だ」
「そうなの。じゃあ、あなたは私の教育を受ける?」
メランもアルザードも教育という単語を強調している。これはつまり、今までの教育とは違った教育が待ち受けていることとなる、と悟るカズ。
「一応、聞きますが拒否権は?」
「ないわよ。そもそも、ここはあなたの世界。あなたが原初の悪魔に無様な姿を見せたのが悪い」
「原初? ああ、アイトラーって奴?」
「そう、そいつだ。原初の空にぶっ飛ばせていない時点で弱い。鬼族に成りたての竜人族を倒せて天狗になっていたのか知らないが、上には上がいる。今のままじゃあ確実に北方は守れない。だから、もう一度、俺がみっちりと鍛えてやる。光栄に思えよ」
逃げ場がないと悟るカズはガックリと項垂れるのだった。
所変わって、鎮まることを知らない雷雨に曝されるユン。目を覚まして早々に降り注ぐ雷霆の雨あられを避け続けている。
「何、これ!?」
「驚くなよ、ユン。ここはキミのために用意した新しい修行場だ」
「いやいや、ここがどこかも知らないのに急に修行場って言われてもわからないよ」
状況が理解できず困惑するユン。そもそも、ユンは原初の黄の余興に付き合わされて意識を失ったところまでは覚えている。次に目を覚ませば、迫りくる雷にバッと身を翻して回避した。身を翻して早々に挨拶をかましてきたのはユンの先祖・ベルデだった。
「よぅ、ユン。ずいぶんと無様な姿を曝したじゃないか。あれじゃあ、東方は守れねぇぞ」
「戦場に次なんざないのはわかっている。今回は運が良すぎただけだ」
「言うじゃないか。ハムラに勝てるかわからなかったくせによ」
「否定する気ないけど、それよりもここはどこだよ!?」
ヒーヒーと逃げ続けるユン。
「ここは夢の世界って奴だ。まあ、別の言い方だと魂の世界だ」
「魂の世界? 何だよ、魂に世界があるのか?」
ユンは逃げながら声を上げる。
「そんなわけないだろ。こいつはユンの精神が形作った世界。つまり、雷霆が降り続ける世界がお前の世界さ」
「ちょっと待て!? 僕の心はこんな雷が降り続ける世界なのか!? そりゃ、人格変性で人格の移り変わりがあるけども――」
「グダグダ言っていないでさっさとかかってこんか!」
声を荒立てるベルデにヒィーっと逃げおおせるベルデ。しかし、逃げていても意味がなかった。なぜなら――
「全く、ベルデ。キミも“人格変性”で人格を変えて責め立てては意味がないだろ」
ユンの行く手を遮るかのように金髪金眼で偉丈夫の好青年が立っていた。
「ここはひとまず、話をすべき場面じゃないか?」
「ヒィー!? だ、だ、誰だよ!?」
ユンは足をジタバタしながら制止する。降り注ぐ雷雨の中、平然と突っ立っている青年にユンは警戒する。警戒するユンを青年は見つめる。
「見たところ、“闘気”の残滓が漏れているだけで極力は抑えている。ベルデの指導の賜物」
「え?」
「しかし、完璧には抑えきれていない。いや、ここは相手に実力を悟らせない扱い方が身についていないかな」
青年は一目でユンの実力を見抜いてしまった。だが、青年は十代半ばの子供がここまで強いのは素晴らしいことだと言い切る。
「ベルデの子孫……いや、ユン・R・パーフィスくん。キミの成長性もそうだが、将来性は素晴らしく思える。だが、その力を扱える土台と技術が足りていない」
「え、えぇ~っと、どちら様で?」
ユンは目の前の青年が知らなかった。「おや?」と青年は呆けるもユンが知らないのも仕方がないと割り切る。
「自分は“雷鳴竜アルフォード”。世界に八種しかいない竜種の一人さ」
「竜? 竜人族じゃないのか?」
「かの種族は俺の姪が誕生させた種族。そして、キミは既に竜種の一人に会っている」
「え?」
(俺はいつ、竜種ってのに会ったんだ?)
ユンはアルフォードが言っている意味が理解できなかった。
「お前は会っているぞ、鬼騎士団長によ」
「だから、一体誰のことを……」
「ああ、今じゃあ、鬼のことを知らねぇな。キララだよ、キ・ラ・ラ」
「あの人が竜種?」
ユンはハッとなり、キララが竜種だと初めて知った。
「知らねぇよな、無理もねぇ。俺もアルフォードに言われるまで知らなかったからな」
びっくりするユンをベルデがフォローする。
「まあ、あの娘が竜種なのも知らなくて当然だ。我ら竜種は歴史から消されているからな」
「歴史から消されている?」
「正確に言えば、俺たちが消したんだ」
ベルデが歴史を消したのを明かした。理由も簡潔に述べる。
「千年前、ようやく、人間が自らの足で道を示せる段階まで来ていた。それを邪魔する奴を知られたら、人間は歩みを止めてしまう。人間と異種族が共存し合える世界を実現するために過去を、歴史を消し去る必要があった」
簡潔に明かしたベルデの弁にユンは絶句する。その顔は信じられないと言わんばかりの顔だった。
「それって……ズィルバーやカズも……」
「メランの子孫は知らねぇが、ズィルバーって子供は知っているだろうな」
「ズィルバーは歴史を知っている!?」
「おそらくな」
(何しろ、ヘルトが転生しているんだ。真実を知っていてもおかしくねぇ)
ベルデはズィルバーが知っている理由を知っているのに対し、ユンはズィルバーが歴史を隠すのか知らなかった。
「詳しいことは“黄銀城”の書斎に安置されている手記を読んでおけ。五大公爵家の血を引くお前は歴史の真実を知る権利がある」
「歴史の真実を知る権利……」
ユンは自分がいかに特別な立場なのかを身を以て理解する。
「さて、色々と気になることが、それは現実に意識が戻ったときにしなさい。ひとまず、キミには現状を教えよう」
アルフォードが直々にユンを指摘し始める。
「キミは先程、原初の黄に実力の差を見せつけられた。違うかな?」
「…………!!」
指摘がユンの付箋に触れる。ユンとて言い返したいが屈辱を味わわされたのは事実なのでギリッと歯軋りする。手を強く握りしめる。
「自覚しているならいい。それでいい」
「え?」
アルフォードがユンの中で屈辱と怒りがあっていいと告げた。
「何しろ、ベルデも原初の黄と戦っては屈辱を味わわされた」
「うるせぇ、それを言うなよ!」
「だが、屈辱を体験したからこそ、それを踏み越えるだけの度胸を身につけられる」
アルフォードは恥じることがあっても、悔しがることがあっても、心が折れることにならないと言う。
「さっきも言ったが、キミはまだ才能を引き出せるだけの土台ができあがっていない。何より、それを扱えるだけの肉体が成長していない。そもそも、子どものまま原初の黄に挑むのが自殺行為だと自覚なさい」
「…………はい」
事実であるが故に反論する余地もなかった。アルフォードもユンに今、必要なのは時間である。
「キミは未だに発展途上。身体を鍛えるのもそうだが、学を修める時間もある。今は学園の生徒を甘んじるのもいいと思う」
アルフォードは優しい口調でユンに諭す。今は学園の生徒として青春を謳歌するといい。
「そうだな。今日まで色々と切り詰めていたからな。しばらくは羽目を外したって誰も文句は言わないか」
ユンは張り詰めた糸を解くとドッと気持ちが緩みだす。
「さすがに原初の黄って野郎を相手にしたときは死ぬかと思った。っていうか、先祖様よぅ~。あんな化け物がいるのなら教えてほしかった。あと、先祖様の奥さんって誰? ハムラって女狐がさ。俺が背中から“闘気”を放出したとき。あの女狐、知っている技だって言いやがったから」
「ハムラ……あぁ、あの女狐か。まだ生きていやがったか。しつけぇ女だな。あと、俺の嫁さんは“忍”っていう暗部の総司令官だよ。ちょうど見た目はシノっていう小娘にそっくりだな」
「え?」
(シノが先祖の奥さんにそっくり?)
どういうことと眉を顰めるユンだが、アルフォードが止める。
「その話も後で調べなさい。では――」
アルフォードはユンへと近寄る。
「今のキミに足りないものは経験です。とにかく、戦闘経験を積ませます。相手は俺とベルデと考えましたが、幸いにもベルデは生前、原初の悪魔を喰らっているため、悪魔への対策を身体で覚えましょう」
「……え?」
ユンはアルフォードがスパルタ教師に思えてきた。竜種ってのは手加減を知らないのかなって思ってしまったほどに――。
「ああ、この世界はあくまで魂の世界。つまり、魂の力しか扱えません。現実の肉体と精神への負担はないのです」
「魂の力?」
「要するに精霊も神の加護も使えねぇってことだ。使えるのは異能と“闘気”だけだ」
「じゃあ、つまり……――」
ユンは顔を青ざめる。ここを乗り切らなければ、自分は死ぬ未来が見えている、と――。
「では、始めましょう。好敵手に負けたくないのでしょう?」
「――!」
青褪めた顔がすぐにキリッと面持ちになる。ズィルバーとカズもユンと同じように頑張っているのなら、置いてけぼりを食らうのは嫌だと思い、気持ちを奮起して地獄の修行を受けるのだった。
同時刻、カズも魂の世界にて、アルザードが組んだ地獄のメニューを受けるのだった。
そして、ズィルバーはというと――。
「そうなの。アルビオンは今、ユウトくんと契約しているのね。あの娘も成長したのね。昔は破壊竜の如く、破壊のかぎりを尽くしては私やアルザード、アルトゥールが止めに行っては説教していたのよねぇ~」
「あれが説教?」
ズィルバーは千年前に残された石碑の碑文を読んだとき、六体の竜種が“破壊竜アルビオン”に説教という名のお仕置きをしていたのが残されていた。
(なんか、鬼を同情する)
ズィルバーはキララに同情するのだった。
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