各々の戦況。
戦況が大きくパーフィス公爵家側に傾き始めてる最中、一つの戦いが決着を迎えようとしていた。
シューテルとテュード。二人の戦局も大きく傾きだした。
ケリを付けようと勢いづくシューテルに、心に大きな穴ができてしまったテュード。
二人が激しい斬り合いをしてる最中、シューテルが次なる手を出す。
「“色流し”――“灰色”」
彼はテュードの右腕にある灰色の部分に斬りかかる。
斬りつけられたテュードは腕が飛ぶほどの激痛が脳まで走った。
テュードはシューテルと斬り合う中、思ってしまった。
(なんでこんな強い奴と戦わなきゃなんねぇんだ)
それは自分への卑下だった。彼の脳裏にはこれまでの教訓、生い立ちが流れ、過ぎる。
(弱い奴が羨ましかった。俺は妖狼族として生まれ落ちたが、誰とも協調せず、迎合せず、協力せず、ただただ一人でいる毎日が多かった。
俺は、その境遇から同族から仲間外れに遭い、一族から追放されることとなった。俺は弱くなりたいと願い、想い、“獅子盗賊団”を志願し、“死旋剣”の一員となった。
ただ、孤独から逃れる術はそれしかなかった。弱い奴が羨ましかった。弱ければいくらでも群れていられる。弱くなりたい。それが無理ならせめて、俺と同じくらい強い仲間を――)
激しい斬り合ってる中、シューテルが自らの意志で斬り合いから一歩、退いた。
一瞬、訝しむテュードだが、シューテルが肩から息を吐いているのを確認する。
(“プロキオン”のおかげでシューテルの動きもだいぶ、鈍くなっている。それに比べれば、こっちの傷はまだ浅い。だが、どういうことだ?)
ここで、テュードはシューテルにされたことを思いだす。
『“色流し”――“灰色”』
(斬られた瞬間、腕が飛ぶほど、深く斬られた感覚だった)
再度、彼は自身の腕を確認する。
(何故だ!? 俺の腕は灰色……シューテルの身体に灰色はない)
ここで、シューテルが挑発してくる。
「どうした? ほら、斬ってみてぇ色を言えよ。口にした色以外は斬っても斬れねぇぜ」
シューテルはテュードに「斬れるものなら斬ってみろ」と遠回しに挑発してくる。
だけど、今の発言でテュードは“色流し”なる技の本質を理解した。
(“プロキオン”……まだ俺は戦えるぜ)
「“白色”」
「げっ!?」
テュードが色を口にした瞬間、シューテルは本質を見破られたと悟る。
テュードが高速移動で急接近して、斬りつける。斬りつけたのは“白銀の黄昏”で支給された寒冷地用コート。コートの色は“白色”だ。
“大獅子シリウス”の毛皮から造られた寒冷地用コートだが、色合は基本、統一だが、場合によっては色を指定してもらっている。
シューテルの場合は“白色”を指定したのだが、今回は、その指定が裏目に出てしまった。
しかし、テュードの斬り込み、シューテルも応じるには応じたが、刃先がコートを掠めて斬り裂いた。
彼は斬られた際、身体中に激痛が走った。それには「ぐっ」と苦悶の表情を浮かべる。しかも、血が出た量が明らかに尋常じゃなかった。
「……あぁ~、クソ~。正解だぜ。
“色流し”ってのは、口にした色を相手に斬られてもダメージになる。そして、自分にとってリスクの高ぇ色ほど、与えるダメージが大きくなる。“白”はオメエさんにとって最も大きなダメージを与え・受ける色だぁ。
すこーしずつヒントを与えよう、って思ってたのに、こうも一発で見抜かれちまうとはなぁ~。
やっぱ、大人にしちゃ、オメエさんはやりづれぇ」
再び、激しい斬り合いが再開する。テュードは激しい斬り合いの中、思わず、心の中でぼやいてしまった。
(こっちのセリフだぜ。ガキのくせに、なんでこんな強ぇ奴と……?)
胸中で呟いている最中、彼はもう一度、コート越しに斬り裂こうとするも、ガキンッと鋼鉄を当てた感触が剣を伝って認識させられる。
「チッ――」
(あのコートは鋼鉄の鎧にもなれるのか――)
驚きの束の間、シューテルはテュードの懐に入り込む。
「“肌色”」
色を呟き、露出してるテュードの皮膚めがけて、剣を振るった。
シューテルが振るった剣がテュードの肌を斬り裂く。斬り裂いた際、血が盛大に飛び散った。
飛び散った血の量もそうだが、今の一撃でテュードを支えていた生命の糸がプツリと切られてしまった。
消えゆく命の最中、走馬燈となって、テュードは自分の人生を振り返る。
(悪ぃな、皆……俺はもう、ここまでだ……あとのことは…………任せ、たぜ…………一人じゃない……一人じゃない……もう一人、じゃない…………)
テュードは死にゆく最中、“プロキオン”との出会いを思いだす。
『お前が俺に力を与える奴か?』
『“プロキオン”。貴様こそ誰だ。この我の力の糧になるのは……』
『……テュード』
『では、テュードよ。これからどうする?』
『どうもしない』
『では、どこへ進む……』
『何処へでも』
“プロキオン”はテュードを見つめる。
『……一緒に行こうぜ』
遠吠えをあげる“プロキオン”。
『どこまでも』
という走馬燈がテュードの頭に過ぎった。
彼はそのまま、崩れかけてる床に倒れ伏した。彼が倒れたのを確認したところで「ハァ~」とシューテルは息を吐き、尻餅ついた。
尻餅をついた彼は死体となったテュードを見つめ、思わず――
「せめて、あの狼と一緒に死なせてやりたかったなぁ~。
だけど、同じ場所に逝けれただろ?」
彼はテュードと“プロキオン”が、死の世界に逝けたことに心から悔やみを現した。
だけど、同時に、この戦いに勝利したことに変わりなかった。それと同時に彼は自信の状態を見て、判断する。
「これ以上、戦うのは無理だな」
(血を流しすぎたし。疲労が半端ねぇ)
息を切らす彼に青龍刀として魔剣に纏っていた四匹の狼が主たるシューテルのもとに集ってくる。
「お疲れ」
と、彼は集まってくる狼を労うように毛並みを撫でる。毛並みを撫でられ、気持ちよさそうにしてる狼らだが、途端、グルグルと唸り声を上げる。
「ん?」
シューテルは壁に目を向ければ、意外な人物が部屋に入ってくる。
「おぉ~、随分と派手に暴れたじゃねぇか」
眼鏡をかけた少年。だが、その服装は隊服を着こなしてるところから親衛隊なのは見てとれた。
「なんだ、シーホか」
シューテルは敵だと思い、警戒するも入ってきたのがシーホだと理解するとゾッと疲れがきたのかその場で横になる。
「なんだ、とは酷ぇ言い様だな」
「うるせぇ、それよりお前も勝ったのか?」
「ああ。お前も勝ったようで助かったぜ。お前を倒すのは俺だからな」
「ふーん。あっそ」
シューテルはシーホの物言いに素っ気なかった。あまりの素っ気なさにシーホはずっこけそうになりかけたがなんとか踏みとどまり、今の戦いを振り返る。
「――にしても、今の戦い……良くも悪くも小汚ぇな。
流儀とかねぇのか?」
シーホは勝利したシューテルに戦いへの流儀とか、正義とかないのかを訊ねる。
シューテルは四匹の狼の鬣を撫でたまま、答え始める。
「流儀とかで勝ちを捨てるのは三下がするようなもんだぜ。上に立つ者は、そんなアホなことを考えられねぇんだよ。
いい子になろうとすんなよ。ガキの俺でも分かるぜ。戦争なんざ、始まった瞬間から、どっちも悪人なんだよ」
彼の意味深な発言はシーホの心に深く残る。
「悪人、か」
ハッと鼻で笑うシーホだが、勝者であるシューテルを悪く言う筋はないため、これ以上は言わなかった。
而して、シューテルが勝利したことに変わりなかった。
シューテルが“死旋剣”の一人、ソリ・テュードを勝利したのを“静の闘気”で感じた者たちが多い。
「あら、シューテル。勝ったのね」
「よくよく感じてみれば、シーホも勝ってますね」
「逆にタークたちは外で未だに巨大な怪物を相手にしてるわね」
と、ティアたちは戦いを終えた者たちへの労うの言葉を投げるのと同時に未だに戦ってる者たちへの鞭を打たせる言葉も少々吐く。
逆に味方の敗北と死去に相手をしてるフィス。
彼女は仲間の死を知り、さらに力が“闘気”が増大していくのをティアたち三人は肌で感じとった。
「あら?
随分と味方の犠牲に苛立ちを持つのね」
思いっきり挑発してくる。彼女の煽りに煽らせてくる挑発にフィスは我慢の限界だったのか“闘気”の放出が今まで以上に跳ね上がった。
「「「――!?」」」
「言葉には気をつけろ。今の私は今まで以上にヒートアップしてるところだ」
「肝そそるじゃない」
「つまり――」
「まだ闘えるってわけね」
彼女たちは論った。
一方で、残る戦いも少なくなってるのを林の中で激闘を繰り広げてたズィルバー。
相手は千年以上前に死線を交えた大英雄カンナ。
両者の武芸がぶつかり合い、剣閃が頬を掠める。
「相変わらずの硬さだな、カンナ」
「貴様も千年の時を経てもなお、現代に生き残り続けるか、ズィルバー」
「ああ、生き残り続けよう。俺たちが目指した世界を完遂させなければ……今を生きる者たちに俺たちの不始末を押しつけるわけにはいかん!!」
ズィルバーは成さなければならないことがあると言い張る。彼の言葉には確かな強さと覚悟が宿っていた。
果たさなければならない決意と想い。ズィルバーの覚悟ある言葉を聞き、カンナは「そうか」とぼやいた。
「ならば、俺は貴様の望みを阻まないといけないな。それが戦士として俺が選んだ道だ」
「じゃあ、なんで俺を選んだ? あの場面なら、ユウトを狙ってもおかしくなかっただろ?」
ズィルバーはカンナとアヴジュラに急襲された場面で、相手を決める場面で、自分らから戦う相手を選べたはずだと問う。その答えにカンナはこう答える。
「千年前、貴様との勝負が付けずに俺は命を落とした。俺がこの世に蘇った目的はただ一つ。
貴様との決着を付けることしか考えていない」
「俺との決着?」
「そうだ。それは戦士が命を賭して果たさなければならない約定だ。
貴様が千年の時を経て、再び、生を受けた以上……俺は全てを出し尽くさなければならない!!」
「ならば、俺も俺で千年前のケリを付けなければならないな。
“大英雄カンナ”!!」
「それでこそ、この槍と戦う相手に相応しい。戦士として誇りと信念を懸けて戦える喜び――」
「俺にはなさなければならないことがある。皆と想いを馳せ、叶えたい夢がある。
貴様が戦士として戦いたいように俺にも戦わなければならない理由がある!! そして、この戦いの勝者は、この俺だ!!」
ズィルバーは掌握した“闘気”を全開にする。全開にした“闘気”は大気を軋ませ、歪ませる。歪む大気を眺めながら、カンナは思う。
「すさまじい“闘気”だ。どれだけの時が流れても、貴様の覚悟と信念、誇りは折れていない」
「そいつはどうも、それに気づいてるか?
大気中の外在魔力に……?」
ズィルバーはあえて、カンナに問う。
「無論だとも、ここいらの外在魔力は我らが駆け抜けていた戦場と同じ外在魔力濃度だ」
彼も彼で気づいていた。“獅子盗賊団”の本拠地を周辺の魔力濃度が満ち足りてる。
それはカンナが口にしたように千年以上前の世界とほぼ同じであった。
理由は至極単純であり、ハムラがもたらした“呪解”によって現代に蘇った“星獣”。“星獣”の魔力が大気中の外在魔力を濃くさせている。
この狙いはハムラが仕組ませたことなのか、はたまた、偶然なのかは分からない。
だけど、大気中の外在魔力濃度が非常に濃くなってる影響で戦場に深刻な影響をもたらすことだろう。
神代の外在魔力の濃さを知ってる大英雄たちならば、即座に適応するだろうが、現代を生きる者たちには非常にしんどい環境であることは変わりない。
現に――。
「ハア……ハア……ハア――」
アヴジュラと刃を交えてるユウト。彼は空気の重さに気が滅入り始めてた。
「あぁ~、身体が重~。これじゃあ、まるで、耳長族の森と同じ空気じゃないか」
肩から息を吐き、重苦しい息を吸ったり吐いたりしてる。逆にアヴジュラは汗こそ流してはいるものの、息一つ乱していなかった。
「どうした、ユウト? 随分と息が苦しそうだな」
「黙れ……まだまだ、これからだ――」
ユウトはどうってことがない、と粋がってる。
しかし、不慣れな環境に身体が慣れていないのも確かだ。実際、耳長族の森にいたときも魔力濃度が満ち足りてる環境の中、身体を慣らすのに、それなりの時間を要した。
時間を要するということは、当然、集中力や精神力を大きく削ることになる。それは重圧となり、些細なミスを起こしかねない。
「クソ……」
(思った以上に身体が重い。まるで――)
「海の中にいる、と感じか?」
アヴジュラはユウトが思ったことを言い当てる。ユウトも見透かされて、「チッ」と舌を打った。まさしく、その通りだと言わんばかりに――。
而して、アヴジュラもユウトに悪いことを言わない。
「見抜かれてたと思ってるようだが、それは違う。
むしろ、同情する」
「はぁ? 同情? なんでだよ」
「うーん。どうやら、キミは一見、賢そうに見えて、存外、頭の出来が悪そうだね」
「悪かったな、頭が悪くて」
ふくれるユウトだが、アヴジュラは重く受け止めていない。
「俺が同情する理由は一つ。気がついてるかのは不明だが、ここいら一帯の外在魔力濃度は俺が生きていた頃と全く、同じ空気になってる」
「お前が……生きていた、頃――」
(それは、つまり……)
『私が最前線で戦っていた時代よ』
キララが助言してくる。
『ユウト。どうやら、予想だにしない事態となった』
「予想、だに、しない事態……?」
『ええ。どういう理屈かは知らないが、ここいら一帯の魔力濃度が濃くなってる』
「それって……あの時の森と同じ、か……」
『ええ、その通り。これはあんたにとっても非常に危険だ』
「危険、ね……」
(まあ、言いたいことも分かるがな)
ユウトは自分の身体が環境に適応できずにいる。
(時間をかければ、どうってことはないんだが……それを許してくれる相手じゃないしな)
『当然。アヴジュラは油断なんて見せてくれる相手じゃない。むしろ、隙を見せたら、一気に流れをもっていかれる』
「だよなぁ~」
息を切らして、なんとか環境に身体を慣らそうとしてるユウト。
だが、環境に適応しようとしてるのは彼だけではなかった。
「ハア……ハア……ハア……ハア……」
息を切らすのは金髪金眼になり、荒々しい雷雲を思わせる雰囲気を醸し出すユン。
そんな彼と敵対するは千年以上も生き続ける妖狐――ハムラ。
彼女もユンの荒々しい攻撃を前に口から血を流し、頭から血が垂れてた。
「さすが、ベルデの子孫じゃのぅ。じゃが、この環境に不慣れなようじゃな」
戦いの優位を見せつければ、ユンとて意地を張る。
「う、うるせぇ……」
息を切らすユンが見栄を張る。しかし、ユンとて予想だにしない事態を受け、立ち眩みが起きかけてる。
「……ハアハア……ハアハア……」
(い、息が、苦しい……)
『チィ~。こいつは予想だにしなかった。あの女の狙いか知らないが、このままだと、東部軍が先に全滅する』
「…………」
(全滅…………)
ユンの頭の中で最悪な事態を想定してしまう。ギリッと歯を食いしばらせるユンだが、まだ心が折れていなかった。
「まだ……終わってねぇぞ……」
(大将の俺が諦めちまったら、皆に示しがつかねぇじゃねぇか)
息を切らしながらも身体に鞭を打って、構えを見せるユン。
諦めを知らない不屈の闘志が燃えたぎらせるユンの姿はまさに、鬼神を思わせる風格を見せていた。
勇ましき彼の姿を目の当たりにし、ハムラはクスッと笑みを浮かべる。
「憎たらしい顔をしとる。その顔はまさしく、ベルデそのもの。
あの鬼のような強さを見せた……あの男にそっくりじゃ」
彼女はユンの立ち姿がかつて、自分をボコボコにしたベルデにそっくりだった。
荒ぶるベルデの強さはまさに、怒り狂った鬼族そのものを思わせた。
パワー、スピード、テクニック。その全てが普段のときとは全然違い、拳を喰らう度に血を撒き散らしていたものだった。
だが、それは千年以上前の話。今を生きるユンには関係のないこと。なのに、彼の立ち姿を見ると、また同じ過ちを辿ってしまうと思い込んでしまう自分がいた。
而して、ユンは今、予想だにしない環境変化の適応に時間を要している。
(ネル。どれくらいかかりそうだ?)
『良くて十分以内。悪くて一時間、ってところね』
「チッ……」
(へたし、一時間か。そんな悠長に戦ってたら、俺の体力が底を尽きちまう)
今のユンは重苦しい空気をその身に纏わり付いてるに等しい。
大気中の外在魔力濃度が密度の濃い空気となって充満している。そうなれば、抵抗力の強い環境を生み出している。
それはまさに、海中にいるような動きにくさ。逆に言えば、伝説を生きた者たちは、この地獄のような環境を生き抜いてきたということになる。
(スゲぇ~な、俺の先祖様は……)
『どうしたのよ、急に――』
(いや、なに……こんな環境で平然と動き回れていた初代様がスゲぇって思ってたところだ)
言葉を念じて会話するユンとネル。互いに言葉を交わしていたら――
ドゴン
と、轟音が響き渡った。
「な……なんだ、今の振動は!?」
轟音と同時に地震でも起きたかのように大地が揺れる。
「おや、まあ……とんでもないものが暴れとるのぅ」
ハムラは外に目を向けて、呆れる物言いをしてた。ユンも彼女につられて、外に目をやれば、山を思わせる巨体が座り込んでいた。
「なっ――!?」
あまりの巨大さに言葉を失うユン。それはハムラも同じであった。自分で“魔族化”なる呪術を施しておいて、暴走すれば甚大な被害をもたらすとのことで、フィスを使って始末させた怪物の一人。
しかし、殺されてもなお、底知れない生命力と怒りの感情だけで復活を遂げた怪物はもはや、ハムラでも対処しきれない問題となった。
そして、東部の行く末を決める戦争は誰もが想像し得ない結末を迎えることとなった。
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