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転生英雄の学園譚  作者: 柊銀華
北方交流~決戦~
134/296

英雄の友。処遇を考える。

北方交流編終了です。

 戦争から六日の時が経った。

 身体を一通り治ったズィルバーたち。

 病み上がりの身体を解すため、軽くジョギングをしていた。

 戦争を明けて、間もないというのに――。

 “蒼銀城(ブラオブルグ)”の街並は活気があった。

 “魔王傭兵団”を壊滅させたのが大きいのだろうが、若き狼――カズの強さが知れ渡ったことにあるとズィルバーは思っている。

 ズィルバーは街の人たちの笑顔を見て、寒空を眺める。

(メラン。キミが残した意志は着実に成長しているぞ)

「これで、北方は安泰かもな」

『そうね』

 ズィルバーの左肩に止まってる小鳥姿のレイン。

『まるで、止まっていた時が、再び、動きだしたように感じる』

「歯車が動きだした、か……そうかもな」

 軽く微笑した後、ズィルバーはジョギングを再開した。




 “蒼銀城(ブラオブルグ)”では今、カズが戦争の事後処理で頭を悩ませていた。

「北方貴族に対し、協力してくれた謝礼金は父さんがなんとかしてくれるから問題ないけど、連中が集めてた異種族の子供たち。どうしよう」

漆黒なる狼シュヴァルツ・ヴォルフで預けるか。一員にさせるにもお金がかかるよ」

 ハルナ殿下も頭を悩ませる事案になった。

 カズの傍らに小狼姿のレンが寝そべっていた。

「それに、魚人族(フィッシャー)のヒューガくんをどうする気?」

「僕の部下にする。知らない間にカインズと仲良くなってるし」

「うちは女子率が高いから。今のうちに身を固めようっていう考えじゃない」

「一理あるが、まあいい。それにしても、相当な異種族がいるな。特に天使族(エンジェル)がいるとは驚いた」

「私も初めて見たよ。文献でしか知らなかったから」

 カズとハルナ殿下も天使族(エンジェル)の少年少女を保護したことにビックリした。

「ひとまず、当面はうちで預ける。その中でここに残りたいか。家族のもとに帰りたいか選ばせよう」

「当面は、その方針にしましょう」

 と、二人は頷き合って、方針を決定した。


 カズとハルナ殿下は次の議題に取りかかった。

「次は学園支部に通う生徒たちへの説明だ。詳しい詳細を話していないが、家族は防衛戦争に参戦してくれたんだ。話さないとレムア公爵家への不信感が募る一方だろう。この際、全てを明るみにして、学園の取り組みを考えるきっかけになればいい」

「でも、それでますます、反感を買ったらどうするの?」

「その時はその時だ。僕が上に立つ素質がなかったで話が済む」

「うーん」

 ハルナ殿下は頭を捻らせ、別のことを考えていた。

(私はどう考えても、カズへの信頼を増すと思うけど……懸念としてはカズの力に皆が怯えちゃうかもしれないってことよね)

 懸念材料が残ってることに頭を悩ませるハルナ殿下。

「全く、学園長も副学園長も面倒なことを残してくれたものだ。しばらくしたら、中央から監査官が来るだろう。監査次第で学園長に加担していた貴族は軒並み消えるんじゃないか?」

「分からないけど、お父様なら、田舎の領地に飛ばしたりしそうだし」

「実際にあり得そうだからな。中央で起きた事件でエドモンド殿下の家族を左遷させたからな」

「ひとまず、交流会も中止だね」

「交流会そのものを学園長と副学園長、“魔王傭兵団”のせいで台無しになった。でも、関係を深めたという一点においてはよかったかもしれない」

「そ、そう?」

「そうだぜ。ハルナだって、ティアだけじゃなく、親衛隊のシノア部隊の隊長と仲良くなれたじゃないか」

「そういえば、そうね」

 カズの言い回しにハルナ殿下も納得する。

「僕も僕で、ユウトっていう少年と仲良くなるとは思わなかった。カインズたちですら、そうだったんだ。これを機に親衛隊と関わりを持つのも悪くない」

「でも、ティアの話だと、よく喧嘩している話だよ」

「それは、ズィルバーたちの問題。僕らには関係のない話だ」

 カズの考えは正しく、自分らに飛び火しないことを前提に考えていた。

「それもそうですね」

「今回の交流会のレポートは防衛戦争における報告書に変わっただけ。ズィルバーもズィルバーで報告書の作成に手一杯だし。僕も僕で手一杯。今なら、父さんの気持ちが理解できるよ」

「こんな形で理解するなんてゲルトさんも思っていなかったんじゃない?」

 カズはゲルトの苦労が今になって知ったのだが、ゲルト自身はこのようなことで気苦労を耐えないで欲しいのがハルナ殿下でも分かってしまった。

「全く、学園長と副学園長には文句の一つや二つ言いたいぐらいだが、言っても仕方ない。できるかぎりのことをしよう」

「うん」

 カズとハルナ殿下は頷き合って、自分ができることをし始めた。


 カズとハルナ殿下がすべきことのつかぬ間。

 ハルナ殿下は城の廊下を歩いてれば、耳長族(エルフィム)の少女が窓の外の景色を眺めていた。

 翡翠の瞳に濃紫がかった黒髪ロングの少女。

 髪で隠されているが、ちょこんと尖った耳が出ていた。

「どうしたの?」

「――ッ!?」

 ハルナ殿下に声をかけられて、ビクッと身構える少女。

 ガリガリに痩せ細っていた身体も、ここ数日でふっくらと年相応の体型になりつつある。

 しかし、ハルナ殿下が急に声をかけてきたもので、警戒して身構えてしまう少女に彼女は柔らかな表情を浮かべる。

「そう身構えなくてもいいよ。声をかけただけだから。確か、名前は……」

「……ラゴット」

「ラゴットね。いい名前ね」

「……あ、ありがとう」

 ラゴットはハルナ殿下に褒められ、思わず照れてしまった。

「それで、どうして、外を眺めていたの?」

 率直な疑問をラゴットにぶつけてみた。

「街なんて見たことがなかったから」

「そうなの。どこで生まれたの?」

「分からない。私……生まれて、すぐ孤児院に預けられたから」

「じゃあ、お父さんとお母さんの顔も知らないんだ」

 ハルナ殿下の聞き返しにラゴットはコクッと頷いた。

 彼女はラゴットの返答にうーんと頭を捻らせる。

「ラゴット。あなたはこれからどうしたい?」

「どうって、言われても……」

「一応、私とカズはね。二つの選択肢を与えるつもり。ここに残るか。ご家族の元に返りたいか。ここに残るなら、漆黒なる狼シュヴァルツ・ヴォルフの一員になるし。ご家族の元に返りたいなら、私たちが責任もって返してあげる」

「残ってもいいの?」

「うん。強制はしないよ。それに私たちは学園の生徒の基本は学ぶことにある。だから、ここに残って漆黒なる狼シュヴァルツ・ヴォルフの一員として学業を積むのもいいし。学園を出て、ご家族の元に返ってもいい。全てはあなたたちの自由」

 彼女が告げる選択肢にラゴットは顔を俯かせる。

「今すぐに決めることじゃないから安心して。ゆっくり、時間をかけて考えていいから、ね」

 ハルナ殿下は優しげな笑みを浮かべ、ラゴットに元気を送る。

「…………」

 ラゴットも彼女の暖かな包容に見惚れてしまったのか、心ここにあらずといった感じで言葉を出せずにいた。

「困ったときは私やシズカたちに声をかけて、できるかぎりのことはするから」

 ハルナ殿下はそう言って、廊下を歩きだした。

 景色を眺めていたラゴットはハルナ殿下の言葉、心の広さに感銘し、一生ついて行きたいという気持ちが芽生えた。


 七日目にして、中央の親衛隊が第二帝都へ帰路することになった。

 出迎えは北方組全員のみで、中央組は出迎えすら出てこなかった。

 理由は簡単で、毎度毎度、喧嘩ばっかりしている連中に出迎える必要がなかったからだ。

 しかも、ズィルバーの直感が囁いている。

(さらに、距離感を積まれそうだ)

 と――。

 そんな感じで、ズィルバーたちは第二帝都支部の親衛隊とは一緒に帰るどころか出迎えにすら出なかった。

 ティア殿下たちはズィルバーの考えに従い、出迎えには出なかったが、顔なじみ感がありまくりだった。なので、ズィルバーの考えが正しく思えてしまった。


 その二日後にズィルバーたちも中央に帰ることを決めた。

 理由としては――。

「いつまでも、北方に居座るのは止めよう。俺たちには俺たちのやるべきことがあるしな」

「それに帰ったら、レポートやら報告書やら提出しないといけないし。おちおち休んでいられないわよ」

「そういうこと。とにかく、北方での土産は今日、明日までに済ませておけ。当日、バタバタするのは嫌だろう。では、解散」

 と、彼の号令で、ニナたちが慌てることもなく、退室する。


 ズィルバーは部屋の窓から“蒼銀城(ブラオブルグ)”の街並を眺めていた。

「ここからの景色も見納めだな」

「また、北方に来れる機会はあるわよ」

「それもそうだが、その機会がいつなのかがちょっとね」

「ちょっと、って?」

「それにカズたちには後日、会えるんだ。別れを惜しむ必要もない」

「あっ、そうか」

 ティア殿下はズィルバーの弁の意味を理解した。

「お父様から召喚されるから。近いうちにカズやハルナに会えるってわけね」

「そういうこと。だから、全員に北方の土産を買わせるように言ったんだ。次、来れる機会なんて分からないし。個人で行くにしても、時間と費用がかかる。現にナルスリーも実家帰りは余りしていないだろう」

「あっ……」

 ティア殿下は春期休暇の間、ナルスリーは学園に残っていた。

 ジノやニナ、シューテルですら、春期休暇だけは帰省どころか学園に残っていた。

 学業も疎かにできない上に無駄に時間を食ってしまうのを避けたかったというの本心なんだろう。

 一年時の夏期休暇は皆、各々、課題を克服するために実家に帰省したようなもの。

 それ以外では実家に帰ろうとか考えてもいなかった。

「さて、これ以上、時間を無駄にするわけにいかない。俺たちも姉さんたちへの土産でも買ってやろう」

「ええ、そうね」

 互いで頷き合った後、ズィルバーはティア殿下に手を差し伸べる。

「え?」

 ティア殿下は彼の手と顔を交互に見る。

「外は寒いだろう。はぐれるわけにもいかないから。手を握った方がいいだろう」

 彼は若干、照れ隠しをしながら、手を差し伸べてくる。

 ティア殿下はクスッと微笑み、手を取った。

「じゃあ、お願いするわ」

 二人で仲良く、部屋を退室した。


 仲良く退室する二人の姿をズィルバーの肩に乗っていた小鳥姿のレインが見ていた。

 二人を見て、彼女は思わず、クスッと胸中で微笑んだ。

『若いわね。ズィルバーも過去の清算をしてるじゃない。あれぐらいの気概があれば、レイも悲しまずに済んだかもしれないのに……本当にバカなのね』

 微笑んだ後、あきれ果てた。


 ズィルバーとティア殿下。

 二人で仲良く、“蒼銀城(ブラオブルグ)”の街並を見て回りながら、呉服店を見て回っていた。

「へぇ~。ぶかぶかの服だけじゃなく、普通の服もあるんだ」

「どれも、羽織る物ばかり。北方ならでは重ね着スタイルか」

(夏でもここは寒いからな。カズのおかげで幾ばくか緩和してるといえど、寒いものは寒い)

 うーんと頭を悩ませるズィルバー。

「羽織るのだったら、どんなコートがいいかな」

「どうして、羽織ることを前提に考えているのよ」

「リーダーらしく?」

 ティア殿下の問いにズィルバーは単純なのか、素っ頓狂なのか判別しにくい答え方をする。

 ティア殿下も口を開けて呆けた顔をする。

 なんて答えればいいのか迷ってしまった。

「どうした?」

「ごめん。あなたの言葉が素っ頓狂すぎて、なんて言い返せばよかったか。まるっきり分からなかった」

「なあ、意外と辛辣なことを言ってるぞ」

 グサッと心に言葉の刃が突き刺さる。

「あと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だけよしとしましょう」

「だから、辛辣だからな!!?」

 グサッとさらに鋭い言葉の刃が心に突き刺さった。

 心にダメージを負ってるズィルバーを無視して、ティア殿下は服選びを続ける。

 ズィルバーも心に傷を負いながらも服選びを続けた。


 ティア殿下の言葉の刃に、さすがのレインもプルプルと笑うのを堪えていた。

『確かに、ズィルバーの服選びのセンスは独特よね。レイからも辛辣な言葉を投げられていた。私もキララさんから聞いた時は隠れて笑ったわ』

 彼女は昔を思いだし、嗤うに笑ったのを覚えている。

『まあ、それも彼の個性かしらね。男と女に入れ替わる体質のせいで、服のセンスなんてなかった。多少着ぶくれて、()()()()()()()()()ぐらいだし』

 当時のことを思いだし、ズィルバー()が着ぶくれた服を好んでいた。


「うーん」

(多少着ぶくれた方が、性別を見分けにくくなるから助かるな)

 ズィルバーは厚めの服を見ていた。

 ズィルバーの好みの服はぶかぶかした服。

 比較的、着やせするような服だ。

 “両性往来者(トラフィックダイト)”という異能体質を持っているので、女性だったときのことを見分けがつきにくい服を選んでいる。

(委員会の服が多少ぶかぶかで助かった。女だったとき、不審な目で見られるから。見られずに済んだ)

 内心、ほっとしている現実がある。

 すると――

「あら、ズィルバー。随分と着ぶくれた服を見てるのね」

 数着、服を買ったティア殿下が声をかけてきた。

「俺は()()()、見分けがつきにくい服を着ないといけないんだ」

「あぁ~、そうだったわね。じゃあ、どんなのを着る予定?」

「比較的にこんなの」

 ズィルバーは多少ぶかぶかした服を見せる。

「うーん」

 ティア殿下はぶかぶかした服を見て、頭を捻らせる。

「多少ぶかぶかでもいいけど、厚めより薄めにしたらどう? あなた。けっこう動くでしょう」

「うーん。そう言われてみれば、そうだな」

 ズィルバーは自分がけっこう動く性分なのを思いだす。

「だから、多少ぶかぶかでも薄めのがいいんじゃない。上からコートを着込めばいい。多少温かくなると思うよ」

「なるほどな」

 ティア殿下の的確なアドバイスに彼は納得する。

「色に関していえば、ズィルバーにしては薄めね。濃いめの服を選んでいたじゃない」

「同じ色を何着もあると困るからだ。それに気になる柄があったからな」

「気になる柄?」

 彼が指させば、彼女は視線を転じる。

 薔薇の花柄の水色の薄着かつぶかぶかの服が飾っていた。

「あの服? しかも、薔薇の花柄なんて珍しいわね」

「まあね。あの花には俺にとって特別な想いがあるんだ」

「特別な想い?」

「ああ」

 思いだされる記憶は千年前。

 [女神レイ]がこよなく愛した花が薔薇だからだ。


 あと、隣を見れば、同じ花柄で薄い桃色の服が飾っていた。

「うーん」

「ズィルバー?」

 頭を悩ませるズィルバーにティア殿下は首を傾げる。

「せっかくだし、聞いてみるか」

「聞いてみるって……」

「すみません」

 ズィルバーは颯爽と店主に尋ねた。

「どうした、坊主?」

「あそこに飾ってる服のことなんですが……」

「ん? ああ、あの服か。あの服は()()()()()()()()()()()()()。確か、数年ぐらい前だったかな」

「数年ぐらい前の服が今も残ってるの? 汚れていないけど……」

「俺も疑ったさ。何でも、その男性は『かつて、友人に着させたかった服だ』って言って、“蒼銀城(ブラオブルグ)”をあとにしちまった」

「その人の顔とか覚えていますか?」

「あれは南方出身かな。頭にターバンを巻いていたよ。薄い黄色に髪の先が、青みがかっていたな」

「服とかに覚えは?」

「あぁ~、たしか……そうだ。()()()()()()()()を着ていたよ」

「旧時代の軍服?」

 首を傾げるズィルバーにティア殿下が教えてくれる。

「[三神]が生きてた頃の軍服よ。今は大帝都に安置されてるらしいよ。親衛隊の隊服も軍服を真似て作ったそうよ」

「ふーん」

(なるほど。道理で似てるわけだ)

「お嬢ちゃん。詳しいな。名前は聞いていないが、知ってるのはそれぐらいだ」

「そうですか」

 ズィルバーは店主から事情を聞きつつ、服を見て判断する。

「すみませんが、買ってもいいですか?」

 思い切ったことを口にする。

「ちょっ!? ズィルバー!?」

「だって、あの服も着る人がいないのなら、可哀想じゃん。だったら、着てあげた方が制作者も喜ぶじゃん」

「それもそうだけど……」

「すみませんが、よろしいでしょうか」

 ズィルバーが店主に頼み込めば、店主はというと――

「構わないよ。自分もあれをどうしようか迷っていたんだ。坊主たちが買ってくれるなら。譲ってくれた彼も喜ぶだろう」

 了承してくれた。

 店主が飾っていた服を外し、ズィルバーとティア殿下に譲った。

「えっと、代金は……」

「その服に関していえば、代金はいらん。だが、そっちの服は払ってくれ」

「はい。分かりました」

 ズィルバーは自分が選んだ服の代金を払い、一路、居城へと戻っていく。


 戻る際、ティア殿下は薄い桃色の服を見ていた。

「それにしても、大きいわね」

「試着して、サイズを確認しようか」

「そうね」

 思い切って動いてしまったが、サイズのことを忘れていたズィルバー。

 だが、部屋に戻って、試着したら、思いの外、似合っていて、サイズが()()()()()()()()()()()()()

「「変な服」」

 というのがズィルバーとティア殿下が漏らした言葉だった。




 二日後、ズィルバーたちが中央に戻ることにした。

 街の南方出入口にはカズとハルナ殿下、漆黒なる狼シュヴァルツ・ヴォルフの幹部たちが集まっていた。

「ハルナ。北方の環境に負けるんじゃないわよ」

「ティアこそ、リズ姉様によろしくね」

 抱き合う彼女たち。

「近いうちに会うと思うが、その時は俺らが護衛しよう」

「それはありがたい」

 別れとも取れる握手をするズィルバーとカズ。

 他にも、ジノ、ニナ、シューテル、ナルスリーがカインズ、ダンストン、シズカ、ベラ、カルラ、ヘレナに意見交換した後、ズィルバーたちは手を振りながら、馬車で中央へと帰路した。

 晴れやかな寒空に照らす陽光は彼らの勝利を称えていた。

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