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転生英雄の学園譚  作者: 柊銀華
北方交流
106/296

英雄。北部へ行く。

 夏期休暇に入り、俺たちは今、北方行きの馬車に乗っている。

 しかも、特別待遇用の馬車だ。

 今回の中央と北部の交流は皇家と学園が前もって企画していたこと。

 これを逆らうことはできない。

 半ば、強制に近かった。

 たとえ、個人的な用事があったとしても、最優先で交流するよう命じられている。

 ただ、その代わりに夏期休暇の課題とかは諸々、取り消された。

 そこは皇家がうまく取りはからってくれたのだろう。

 これには感謝してる。おそらくだが、北方との交流で課題に手を出せる余裕がなかったのも事実。仮にあったとしても、寝不足で集中が削がれてはことだしな。

 そういった意味では皇家に感謝するほかない。

「さて、北方の首都、“蒼銀城(ブラオブルグ)”まで気長に行こう。今から、緊張していると当日までもたないぞ」

 俺の掛け声に同乗してる面々が頷いた。

 皆が皆、北の寒さを考慮して、既に“大獅子シリウス”の毛皮で編み込んだ服を着込んでいる。

 この夏の時期に寒冷地用の服を着込むのは“おかしい”、“変だ”という声もちらほら耳にしたが、風紀委員の俺たちは北部に行くので、先んじて、寒冷地用の服を着込んでいるだけだ。

 まあ、“白鴎デネブ”の毛皮で編み込んだ風紀委員の制服もあるので、多少の衝撃に耐えられるとは思う。

 そこは、現地に行ってみないと分からないな。

 フッ。千年ぶりの北方になんか、ワクワクしてきて、気分が落ち着かない。


 俺は内心、気持ちが昂ぶっているけど、表面上は問題なさそうに無反応を示してる。

 でも、隣に座っているレインにはクスクスと笑われてしまったのがなにげにショックだった。




 第二帝都を出発してから五日目の朝を迎える。

 ズィルバーを含む風紀委員ならぬ白銀の黄昏シルバリック・リコフォスは北方の越境に辿り着いていた。

「越境に辿り着くまでに五日かかるとはな」

「そう? 北方の首都まで、あと一日はかかるよ」

 ナルスリーが越境から首都まで、まだ一日かかると口にする。

「まだ、そんなにかかるのか」

 “うへぇ~”ッとなる皆。

「でも、北方はレムア公爵家が統括してるから。素通りできるだけマシね」

「確かに」

 ライヒ大帝国の北方は五大公爵家の一角――レムア公爵家を筆頭とした北方貴族によって治められている。

 本拠地は中心に位置している“蒼銀城ブラオブルグ”。

 そこから北の海にかけて、気温が非常に低い。そのため、厳しい寒さに見舞われている。対して、南は比較的に温暖なこともあって、人々は、こちらを主に居住地としており、南部一帯に広がる肥沃な地帯を背景に、レムア公爵家の富を支えていた。

 北方の入り口――その関所で身体検査を受けた後、ズィルバーたちは出口まで案内される。

「皇族、貴族の方を身体検査というのは、ご無礼であったと思いますが、どうかご容赦ください」

「どのような地位にいる者であれ、特別扱いをするようでは関所の兵士は務まりません」

 ズィルバーは馬車の上から言葉を返すと視線を右にやる。

 そこには、馬上の人物――関所を任されている皇族親衛隊の一人、関所長がいた。

 親衛隊の制服の上から毛布を羽織り、寒さで蓄えている髭の先が白く染まっている中年男性である。

「そう言っていただけると助かります」

 白い息を吐きながら、関所長は馬を下りると、眼前にそびえる門の前まで近づいた。

「門を上げてくれ!」

 その声を合図に、地面が揺れるように轟音を発しながら門がゆっくり上がっていく。

「一面雪景色でなにもないところですが、よい旅を祈っております」

 礼儀正しい関所長に手を挙げて応えると、ズィルバーたちを乗せた馬車は門を潜り抜けて北方へ足を踏み入れた。


 馬車の窓から覗き込んでも、わかるほどの雪景色だ。

「関所を超えた辺りから、一気に景色がガラリと変わったな」

「綺麗~」

 と、ティア殿下が声を弾ませて言った。

「寒い、寒い、寒い、寒い」

 馬車の中とは言え、寒がっているカナメやリエムらの姿。

 ヤマトは“アハハハッ”と苦笑しつつ、毛布を羽織らせる。

「北方は夏でも、雪が降るから一面雪景色。体感気温も十度を下回る」

 ナルスリーが北方の体感気温の目安を告げる。

「「じゅ、十度を下回る!?」」

「寒くない?」

 ニナは体感気温を聞いて、ゾッと背筋を伸ばす。

「言っておくけど、蒼銀城(ブラオブルグ)一帯は体感気温五度を下回るか、氷点下よ」

「うげぇ~」

「氷点下……」

 ナルスリーの話を聞いて、ズィルバーたちは改めて、北方の過酷さを知る。

(確かに、北上すればするほど、寒くなり、南下すればするほど、熱くなるからな)

 ズィルバーはごく当たり前の一般常識を胸中で呟いてた。

 そんな他愛のない雑談を繰り広げていたら、しばらく、雪で埋もれる道路を走っていると、進路上に誰かがたっているのを確認した。

 それが一人や二人なら、気にも止めなかっただろう。

「……ズィルバー」

「まさか、傭兵団!?」

 ティア殿下とナルスリーが警戒を露わにし、魔剣を手繰り寄せた。

「ズィルバー、どうする?」

 ニナもまた目を鋭くさせ、魔剣を手繰り寄せて、柄に手をかけていた。

 ズィルバーたちの眼前には地平線を埋め尽くすほどの大軍が整然と並んでいた。

「もし、傭兵団なら、あの旗(・・・)はおかしくないか?」

「あの旗?」

 ズィルバーに言われて、ティア殿下も目を険しくしつつ、旗を見る。

 旗の紋章を見て、彼女は緊張を滲ませながら口を震わせた。

「確かに、あの旗は傭兵団じゃない」

「やはりか」

 ズィルバーは目を険しくさせつつも、ニナとナルスリーに武器を仕舞うように指示する。

 そして、ティア殿下は確認するかの如く、口を震わせた。

「間違えない。青地に銀狼。レムア公爵家の紋章旗。もう一つは分からないけど、間違えなく、あそこにいるのはレムア公爵家の方たちね。目的が分からないけど……過激な行動に出ることはないかと」

「出迎えにしても多すぎるが、なにかを仕掛けてくるといったことはないはずだ」

「それでも、こうも派手に動くとは思わなかった。っていうか、私たちの紋章旗なんてあった?」

「ファーレン家の紋章旗は見たことがあるよ」

(っていうか、あれは王国時代の紋章旗だったがな。白地に天秤の紋章旗。リヒトの奴。思い切ったプレゼントをしたな)

 というのが、ズィルバーの胸中で抱いた嫌み。“俺たちの意志はここにあり”と示すかのように。

「もう一つは分からないが、エリザベス殿下が言っていた俺たちと同じ組織の紋章旗だとしたら、どうだ?」

「あり得るわね」

 ティア殿下もズィルバーの意見に賛成する。

「とにかく、近づいてみないとな」

「いいの? もし、ズィルバーに危害を加えるつもりなら……」

 ニナが心配そうに言ったので、ズィルバーは安心させるために頬を緩ませた。

「それだったら、とっくの昔に仕掛けてる。地の利は向こうなんだ。俺たちを全滅させるなんて容易いだろう」

 戦争をするわけでもないんだから、遠慮なくこちら側から近づいていけばいいのだ。

 黙って睨み合っているだけ時間の無駄。相手の目的を聞かないと先へは進めない。

「と、思ってたんだけど……相手も同じように察したのか」

 部隊から二十旗ほどの馬――小隊規模が離れて、ズィルバーたちに近づいてきた。

 先頭の人物はズィルバーとティア殿下の顔見知りであった。

 中性的な顔立ちをしており、人目を惹く容姿だ。

 澄みきった黒の瞳。雪景色の世界に際立つ黒髪が不思議な印象を与えてくる。

 夜空を連想させる黒髪が絹のように柔らかで、身体の線は細く、灰色の毛皮を羽織り、その下から漆黒の服が顔を覗かせていた。

 下馬する姿に隙はあるも、年相応にしては次第に王者の風格がいずれ、漂わせるだろう。

 その人物は白い息を吐き出すと優雅に微笑んだ。

「レムア公爵家、公爵公子のカズ・R・レムア。ズィルバー、ティア殿下。遠路はるばる。北部との交流を深めるために中央から来てくれて感謝する」

 ニナたち(一同)を見回したカズはズィルバーに視線を留めて、その目を細めた。

「噂に聞いてたが、本当に異種族を仲間にしていたんだな」

「皮肉か? 公爵公子たる俺が異種族を迎え入れて?」

 ズィルバーも馬車から降りると、カズに近づいて再会の挨拶を込めて、手を差し出した。

「いいや。僕も異種族を迎え入れてるから。お相子さ」

 カズもまた、手を握り返してくる。

「立ち話もなんだから、ゆっくり馬車の中で話をしようじゃないか」

「いや、蒼銀城(ブラオブルグ)に向かうんだから。わざわざ、馬車に入ることもないだろう」

「大丈夫。お前たちが学園の代表としてここに来ていることは重々承知してる。日程を遅らせるのは外聞が悪い。だから、僕はこう考えたわけだ。同行しちゃえばいいって」

「だから、それ、理由になってない。しかも、あの大軍を連れて行くとなれば、日程に大幅な遅れが生じると思うが?」

 ズィルバーは雪原を埋め尽くす大軍を指した。軽く見積もっても五千は超えている。

「ああ、それなら安心していい。同行するのは僕のところの委員会だけだ。正直に言えば、僕の委員会は僕を含めて二十騎程度。残りは北方にいる親衛隊だよ」

「行く間のおもてなしはできないぞ? 寒いし、食べ物も豪華なものを出せるわけじゃない」

「それも心配ご無用。北方の寒さについてはお前よりも耐性はあるし。部隊の食事にケチを言う気はない。それじゃあ、指揮官(リーダー)なんて務まらないだろう」

 カズに歩かれる形でズィルバーは馬車に乗り込む羽目になる。

 カズはズィルバーの部下たちと挨拶を交わしながら、最後にティア殿下を見て声を弾ませた。

「お久しぶりです、ティア殿下。エリザベス殿下は元気にしてますか?」

 ズィルバーらと同じ馬車に乗っているノウェムとカナメが、その言葉を受けて驚いた顔でティア殿下を見た。

 ズィルバーとしては親族であるから、分かりきっていたし、予測していたことなので驚きはない。

 ティア殿下は“はぁ~”ッと肩を竦めるように息を吐くと、カズに向かって挨拶をした。

「リズ姉様は壮健でいらっしゃいますよ。“問題児”の後始末とか学園側の不始末さに一時期は不機嫌でしたけど」

「父さんから聞いていたけど、本当だったんだね」

「たまには顔を見せに来たら、ハルナの顔を見たいって言っていたわよ」

「やだよ。あんな堅苦しそうなところに行ったって何の意味もない」

 煩わしそうに片手を宙に彷徨わせたカズはズィルバーの隣に座ってくる。

「なにより、ズィルバーとティア殿下がいるじゃないか。中央の学園だっていけ好かない連中ばかり。そんなのに巻き込まれるぐらいなら、この雪原で駆け回っていた方が有意義」

 片目を閉じたカズが茶目っ気を含んで、“そうだろう?”とズィルバーに同意を求めてくる。

「北方には北方の問題がありますからね。ちょうど、一年前に傭兵団が動いたことに北方の裏事情が荒れたと聞いています」

「ああ、“魔王傭兵団”がズィルバーらのところに行ってる間に僕が組織した委員会で、学園北支部と北方の不良児を懲らしめて、粗方、平定させた」

「戻ったときには傭兵団も大変だったんじゃないか?」

「そうでもない。傭兵団が敗走したという事実に、北方の裏事情が荒れて、我先に名乗りを上げようっていう連中が出たんだけど、僕らの前に渋々、引き下がって。傭兵団も僕たちが軒並み、平定させたことに苛立って、ちょくちょく喧嘩を売られてる」

「いい意味でも、悪い意味でも、名が上がったな」

 ズィルバーは呆れ半分、感心半分の息を吐いたのであった。

「僕も僕でズィルバーと同じように北方では人気者になったよ」

「両親からはなんて言われるか知らないけど」

(一年ほど、父や母に会っていないな)

「親にどう言われようとも、僕らは僕らなりにやっていけばいいんだ」

 ズィルバーの背中を数回叩くと、カズは窓の外に目を向けた。

「そろそろ、野営を築いた方がいい。北方は日が沈むと一気に冷え込む」

 それからズィルバーに視線を移して、獲物を狙う狼のように目を鋭く細めた。

「なにより、魔物が出歩く夜は危険だ」


 野営地の築くのは思っていた以上に時間がかかった。

 魔物を警戒して篝火や防柵を増やしたのもそうだが、寒さのせいで手がかじかんで作業が捗らない。

 馬車の中で寝るという話もあったが、温めるものがない状態で寝るのはみすみす、死に追いやるに等しいというカズとナルスリーの意見が通り、野営地を築いて寝ることになった。

 ズィルバー自身は野営地を築くこと自体は問題ない。

(何しろ、前世で経験済み)

 彼には千年前の記憶があるので、野営地の築き方を知ってるので問題なかった。

 そうして、野営を築いたときには日は沈んでいて、すぐに食事を済ませると休む暇もなく周囲の警戒に当たった。

 ニナたちに警戒に当たらせることもなく、北方の寒さ慣れをしているカズたちが請け負うことになった。

 現在は、巡回する随伴した衛兵たちが防寒具を着込んで手をこすり合わせている。

 その姿を横目に、ズィルバーは雪原で横になりながら夜空を見上げていた。さっきまでジノとシューテルが護衛と称して、話し合っていたが、彼らは寒さに耐えきれず天幕に戻ってしまった。

「ズィルバー様。そのままでは凍死してしまいます。どうか天幕にお戻りになりますよう……」

 と、七度目の注意。こうして、“天幕に戻れ”と衛兵たちになんども言われている。

「すみません。あと少しだけ星を見ておきたいんです」

 “大獅子シリウス”の毛皮で編み込んだ服もあるが、ひとえにレインと契約してるおかげで、春の陽気に包まれているかのように暖かさを感じていて、ズィルバーは寒さとは無縁なのであった。

「そうですか? ……しかし、お早めに戻りください」

 訝しい表情を浮かべた衛兵は、なんども振り返りながら巡回に戻っていった。

 ズィルバーは再び、星を見ようと頭上を仰ごうとしたら――。

「ズィルバー。ちょっといいか?」

 唐突に声をかけられて、ズィルバーは上半身を起こし、その方角に目を向ける。

「一人でいるところを邪魔して悪いな。誰もいないところで、二人で話したかったんだ」

 そこにはカズが立っていた。ズィルバーに近づいてくると、隣に腰を下ろしてくる。

「レイン様はどうしてる?」

「今はぐっすりと眠ってるよ。彼女に聞きたいことでもあったのか?」

「まあ、ね」

 カズは首にかけてる首飾りをズィルバーに見せる。

「前に見せてもらった蒼玉の首飾りか」

「うん。毎日、夢で見るんだ。誰かを呼ぶ女性の声が、さ」

「誰かを呼ぶ声?」

(女性の声……まあ、十中八九、氷帝レンだろうけど……彼女が呼ぶ人、か)

「うん。夢では“メラン……メラン、どこ……”って、悲しそうに、会いたがってる声がした」

「……そっか」

(メラン、か。あいつの名前か。でも、彼はもうとっくに死んでる。会うことはできない。しかし、魂はどういった形であれ。カズに受け継がれてるはずだ。これはカズ自身の問題だな)

 ズィルバーは、この問題はカズ自身で解決しないといけない。これはレムア家に受け継がれた宿命というものだと言わせるかのように。

「俺が言えるとしたら、その首飾りの問題はカズ自身で解決するしかない。レインが呼びかけても、それはあくまで、導をつけるだけ。彼女の気持ちをどう受け止めるのはカズ次第だ」

「僕、次第、か」

「なにごとも迷うもの。一人で抱え込まずに、婚約者のハルナ殿下に聞くのはどうだ? “目には目を歯には歯を”というのなら――」

「“女には女を”、か?」

「平たく言えば、そんなところだ」

 ズィルバーは一つの解答を口にする。

「あくまで、一つの解答だ。どう決めるかはカズ次第だよ」

 ズィルバーはズィルバーなりのアドバイスをした。


「話を変えるけど、夜空は好きなのか?」

「……まあ、星を見るのは好きかな? 中央にいると、星を見ることが少なかったから」

(中央に灯る微かな明かりで星が見えづらかったのもある)

「そっか、僕はそれほどでもないな。星は綺麗だけど、彼らが輝ける時間は限られているから。だから、儚い感じがして、あまり好きじゃないんだ」

 カズは片手を空に掲げると遠い目をして星を眺める。

「星の輝きは永遠じゃない。星の輝きは人の命そのものというのもわかるよ。だからこそ、人というのは最高の輝きを放とうと足掻いてるんじゃないかな」

「一理あるけど、危うくないか? それは……」

「危ういだろうね。純粋すぎるというのもあるが、純粋さを尊ぶ人だっているからさ」

「つらい生き方かもしれんな。民のため、国のため、誰かのため、聞こえはいいけど、全ては人のためにしてること、そこに自分自身が入っていない。子供の僕が言うのもなんだけど」

「確かに、俺とカズは子供だから。なに、大人っぽいことを話してるんだろうって思うよな。でも、いつまでも、子供でいられないのもまた事実」

「皇族たる者、貴族たる者、人の上に立つ者は、そうであるべきと聞こえはいいが、純粋すぎるってのもな」

「誰も彼も、答えを求めて生きている。人の因果は何百年経とうと変わりはしない」

「答えを求める、か。そうかもしれないな」

 カズは立ち上がると背を伸ばして大きく溜息をついた。

「首飾りもそうだけど、人と異種族が対等に生きられる未来がくるのを願うばかりだ。それじゃあ、僕は休ませてもらうよ」

 ズィルバーはカズの姿が闇の中に消えるまで見つめていた。

「歴史は繰り返すものなのかな」

 呟いたズィルバーは立ち上がると天幕に足を向けた。

 中に入れば、暖気に包まれる。ズィルバーは視線を巡らせて、紅と碧の瞳に数人の人物を映した。

 入り口に寄りかかるようにして、ジノとシューテルが眠っている。

 ズィルバーは微笑みを浮かべると、自分に用意された毛布の中に入り、寝息を立て始めた。

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