プロローグ『転生』
性転換。一言で言えば、男が女になったり、女が男になったりするという極めて稀有な異能力。より詳しく言えば、ホルモンバランスが急激な変化で男と女に変化する。
その異能力を駆使して、かつて、神代の頃、剣と魔法を極めし者が存在した。世界各地へと歩きまわり、その名を轟かせた若き青年。
しかし、その青年は思いがけない出来事に対応できなかった。戦いすぎによる過労死。
その一部始終がこれだ。
俺はヘルト。世にもめずらしい稀有な異能力である“性転換”を体質として持っている。
俺が生きていた時代は神や精霊、妖精が席巻する時代。
俺のような人間は吐いて捨てるゴミのような存在だった。
数え切れないほどの戦場を駆けめぐり、死線を潜りぬけて、俺は英雄となった。
いや、俺は性転換という異能力体質のせいで、人々からも疎まれるも、神や精霊といった彼らには、素晴らしき力だと賞賛され、智慧と魔法という神秘、武術、剣術を教え込まれた。
世界の駆けまわり、名を轟かせ、英雄となり、神となるほどまで語りつがれた。
しかし、どんなに優れていても、思いがけない出来事に対応できない。まあ、不眠不休で戦い続けたからな。
戦い続けすぎて、肉体が限界を迎えた。誰もいない深い森の中でそのまま、息を引き取った。
今も俺の死は曖昧している。何故なら、俺はズィルバー・R・ファーレン。一人の少年として生きていくからだ。
しかも、千年の時を経て――。
今までは英雄として生きていたから。今度は一人の少年として、学生として生きていきたい。青春をしていく物語である。
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