さよならBlueSky
辛そうに口を噤んで俯く彼女を見て、一番に口を開いたのは少年だった
少年は彼女をしっかりと見据えて
「おかえり」
一言、そう呟いた
たったそれだけの事なのに
彼女の目からはぼたぼたと空が溢れて、膝の上で作った拳に雫を落とした
おかえり
それは何より望んだ言葉
ただいま
それは何より拒んだ言葉
嗚咽を抑えて泣きじゃくる彼女を見た周りの仲間達も、口々に「おかえり」と声をかけた
まだ始まったばかりのこの世界で
今帰って来た君に、
「おかえり」
と言おう
おかえり、BlueSky
青い空を見上げて笑おう
君が戻って来た今日に祝杯を挙げよう
満天の星空の下で眠ろう
今度は決して忘れないように
fin.