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プロローグ

「あーっくそぉ、また落ちたぁ、これで何社目だよ」

相沢倫太郎は自分の部屋で嘆いていた、彼は現在大学4年生で就活生である。今は採用氷河期治まったといわれているが現実は未だに不況の煽りを受けており厳しい状況である事が伺われる倫太郎は今年の春から就職活動をして、残りの大学生活と並行しながらも様々な企業の面接などを受けていたのだが、全て採用されずに嘆いていた。

「受けても受けても全然内定がもらえない、どんなに分析しても全然うまくいかない、なんなんだよ俺の人生…」

大学のキャリアの先生は焦らずとも大丈夫だと言ってくれたのだが、周りの内定を貰った友人達の喜びようを見てみるととてもじゃないが焦ってしまう。倫太郎は夢と現実の境目に板挟みになりつつも前向きに就職活動を続けていたのだが、今回はどうも腑に落ちない、もういっその事就職活動を辞めてしまおうかと考えたりしていた。

「せっかく地元から離れて一人暮らしをして、友達もできたのに何も変わってないなんてひでぇよなぁ…」

倫太郎はベッドに横になりながら不採用通知の書をもう一度見ていた。

どうみても不採用で採用とは書かれていない、倫太郎は何通も送られてきた不採用通知を思い出してきた。

初めて送られた不採用通知は、ショックが大きいながらもまだまだ自分には合う職業があると思っていた。

それが原動力になってやる気も少しずつ出てた。だが何度か落ちていくうちにやる気はどんどん削がれていき、いつの間にか20社、30社と落ちていった。

「俺、このまま就職できずにニートかフリーターをやって過ごしていくのかな…」

倫太郎は起き上がり不採用通知をクシャクシャにしてごみ箱に投げ捨てた。クシャクシャになった不採用通知はごみ箱には入らず、落ちてしまった。

「とりあえず大学に行くか…」

倫太郎はキャリアの先生に報告をするために鞄を持って大学に行く事にした。倫太郎の通っている大学は倫太郎の住んでいるマンションから少し離れている。

(これで何度目なんだろうか…正直大学に行くのも面倒だ…)

学校近くの信号機付近まで来て倫太郎はそう呟く、呟いたその時に前を見ると小さな子供が道路に飛び出していた。さらに車が子供のいる車線におり、後数秒でぶつかりそうになる。

「おい、坊主あぶねぇぞ!」

倫太郎は鞄を投げ捨てとっさに子供の下に近づき子供を歩道へ突き飛ばした。これで子供は助かったが車は既に倫太郎の目の前に来ていた。

(あっ…死ぬな…俺。)

倫太郎は時間がゆっくりとなるのを感じた。その感覚の中で倫太郎は記憶が走馬灯のように思い出される、大学の事、高校での事、中学時代での事。

(波乱万丈な人生だったなぁ…)

そう思った瞬間、倫太郎の視界は真っ白に染まっていった。


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