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日系地球人四人組

ちょいと早い季節ネタです。

「ただいまー」

「ハッピーハロウィン!」


 バイト帰り、ドアを開けると、仮装をして待ち構える彼女たち。

 まあ、予想はしていたよな。ハロウィンだしね。それは置いといて、だ。


「色々と突っ込みどころはあるんだが――」

「――どこに突っ込むところがあると言うんだ」

「お前だよ、お前! なんでさも当然の様に家にいんだよ!」


 そう、今俺の言葉を遮った奴こそ俺の親父だ。吸血鬼の仮装をしているが、無駄にいい顔が更に映えていてムカつきもひとしおだ。


「家主のいない間に入り込みやがって……」

「トリックオアトリート!」

「いや、それ子供が大人に言う奴だから! 立場逆だから!」


 キラキラと目を輝かせて、手を差し出してきやがる。俺はその手をひねり上げながら、空気たちに向き直る。


「ったく、勝手に入れないでくれよ、こいつ。それになんでそんな手ェ込んでんの?」

「ハロウィンだからに決まってるじゃない」


 と、魔女の姿でカオリ。カオリはイメージ通りというか、普通に似合っていた。時々ずり落ちた帽子を持ち上げて位置を調整している姿はそれだけで和む。


「うん、そうだね。カオリは似合ってるからいいんだけどさ、チヒロ」

「良くできているだろう?」

「良くできた幽霊だが……なんで和服なんだよ!」


 幽霊の仮装はいいとして、そこは西洋風にするべきなんじゃないか。


「なんでって、幽霊は和装と相場が決まってるだろ」

「知らねえよ、そんな相場! てか、お前らハロウィンってケルト人の民俗行事だからな? お前らはいつからケルト人になったんだ」

「あら、司さん。異な事をおっしゃいますね。私たちは世界中に存在してます故、何人でもあるのですよ」


 ヨウコがサキュバスの仮装でセクシーポーズをしながら言う。


「ソウダッタネー」

「なんという棒読み! 酷いですわ!」

「まあ、司さん。それは言わないで上げてよ。それ言ったらほとんどの無宗教の日本人はクリスマスを祝った後、初詣に行き、お盆には帰省するんだよ」


 と、ゾンビ姿のアリス。普段の格好とのギャップがヤバい。すげえ怖い。


「それもそっか。お盆に帰省、大いに結構。でも、お前は寄生をやめような?」


 バカ親父を閉め出したら、今日はどんちゃん騒ぎだ。

 ……クリスマスは戸締まり強化しなくちゃなあ。

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