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ヨウコの日常

「ふう、やっと終わりましたわ」


 今日の洗濯と掃除、朝食分の皿洗いを終え、ソファーに座って一息ついた。


 六月ももうすぐ終わりだけど、それまでは私が家事をしなければなりません。来月同じ目に合うカオリはともかく、チヒロとアリスときたらのんきにテレビなんか見て、はらわたの煮えくり返る事この上ありませんわ。

 まあ、いいでしょう。競争者が何もしない間に、私は司さんとの距離を縮めましょう。……となれば、すぐに司さんの跡を追わなければ。




「……うーん、どこに行ったのでしょう?」


 今日はバイトは無いと言っていたはず。ならこのスーパーにいないなら見当も付きません。


「もしや! 私を差し置いて女の人とデートでもしてるんじゃ……」


 もしそうなら、司さんに擦り寄る雌共はすべからく排除せねばなりませんね。


「うふふ、待っててください、司さん。私が司さんに群がる女を駆逐しましょう」


 私は笑いながらスキップを繰り返した。



 ***



「ここもダメでしたか」


 がっくりと肩を落として喫茶店から出る。


 あれから長らく、この辺りで定番のデートスポットとされる場所を巡り歩けども、探し人の姿は見当たらない。


「まさか、私を置いて愛の逃避行!? いいえ、そんなはずありませんわ。私は酸素、たとえ人とは結ばれない運命だとしても、司さんは私に振り向いてくれる!」


 私、熱い決意にうっかり大声で独り言を漏らしてしまいましたわ。再度司さんの捜索を続けようと思ったら、誰かに頭を叩かれた。


「痛っ、何をするんですの……カオリ!」


 振り向くとカオリが立っている。今私の頭を叩いた張本人ですわ。


「いや、あまりにも馬鹿な事言ってたから……。一体その自信はどこから来てるのかしら」

「そんなの私の優れた容姿から来てるに決まっているでしょう」

「性格にはかなり問題があるけどね。それと、司はもう帰ってきてるわよ。もう晩御飯出来てるから戻ってきなさい」

「えっ!? もうそんな時間でしたの? ただいま戻りますわ」




 帰る頃にはもう九時だった。帰宅後、司さんに外出の事を絞られたのは言うまでもありません。

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